zoku勇者 ドラクエⅨ編7 ……いつもあなたと・2
翌日……。悲しみの中、しめやかにエリザの葬式が行われた。
彼女の亡骸は丘の上にある墓地へと埋葬された。町は平和と
平穏を取り戻したが……、人々はまた新たな大きな悲しみの中へ
包まれる事になった……。
「ベクセリアの民は試練を乗り越えました……、しかし
その結果……、我々はかけがえのないもの……、エリザさんを
失いました……、この犠牲は余りにも重く、そして……、我々の
心にのし掛かって来ます……、ですが彼女は私達に人がいかに
強くあれるかを教えてくれました、残された私達は彼女の言葉に
学び悲しみを乗り越えていかなくてはなりません、さあ、うれいなく
彼女が天に召されますよう、どうか祈りましょう……」
「……」
神父の言葉に悲しみの沈黙が走る。町の皆は皆涙を流しながら
黙祷を捧げエリザの冥福を祈った。町民の後ろの方の列で
エリザの葬式を見届けているジャミル達も……、静かに目を閉じた。
「モン……、クッキーのおねえさん、遠い遠いお空に行ったんだモン、
モン、分かるモン、悲しいモン……、お胸がずきずき痛いんだモン……」
「モンちゃん……、皆も私も悲しいのよ……、でも、一番悲しいのは……」
「モォ~ン……」
アイシャは涙を零しながら静かにモンを側に抱き寄せた。アルベルトも
ダウドも……、エリザの納棺から……、先程の神父の言葉まで一言も
ずっと言葉を交わさず無言で彼女の旅立ちを見守っていた。ジャミルは
そんな仲間達の様子を振り返りながら只管心配していた。一仕事終えて、
漸く休めると思った矢先にこんな悲しい出来事が起きてしまい、心までも
休める状態でなくなっていた。……結局、あれから4人とも一睡も
していない状態である……。
「……ううう、エリザ、……エリザあああ……」
「しっかりしなさい……、しかし、ルーフィンの奴め……、
娘の最後にも立ち会わんで一体どういう心境なのだ……」
……エリザの墓の前で泣き崩れる奥さんを町長が必死に慰める。
ルーフィンはあれから研究所の方に引き籠もってしまったらしく、
エリザの葬式にも決して姿を見せようとしなかった。彼女の死を
受け入れられないのか、……認めたくないのか……。ジャミル達も
心配はしているが……。
「なあ、俺、おっさんの処へ行ってちょっと様子みてくるわ、
このままじゃエリザさんがあんまりだよ、……辛いのは分かるけどよ、
……何考えてんだよ!」
「あ、じゃあ、僕らも……」
「いや、お前らは駄目だよ、ずっと寝てねえんだから、少しでも
休んどけよ!大丈夫さ、俺が行ってくるから!それに余り大勢で
押し掛けても逆効果だしな……」
「でも、ずっと休んでいないのは君だって同じじゃないか、目の下の
クマ凄いよ……」
「わ、分かってるよ、少しだけだよ、様子見たらすぐに宿屋に
戻るからさ、特にそこの……、ジャジャ馬が心配でよ………」
アルベルトもダウドもアイシャの方を見る。特に彼女はずっとぐしぐし、
泣きっぱなしの為、疲労の上に悲しみが重なっていた為、ジャミルは
此方の方もとても心配していた。
「な、何よう……、大丈夫だったらっ!ふぇ……」
「いや、全然大丈夫じゃないよお、目が腫れて凄い顔になってるし……」
「そうだね、じゃあジャミルに任せるよ、アイシャは僕らが見てるから……、
でも、すぐに戻ってくるんだよ、早く身体を休めないと……」
「ああ、頼む、モンもな、アイシャに付いててやってくれよ……」
「モォ~ン、分かったモン!」
「ほ、本当に大丈夫なんだからね!……平気だったら!……ぐす……」
「アイシャ……、ほらほらまた……」
アルベルト達は涙が止まらず泣き崩れて困っているアイシャを支えながら
宿屋の方へと移動して行った。葬儀も終わり、人々は引き上げて行き、
その場は余計に静けさが漂う。ジャミルは新しく建てられた墓の前に
手向けられた花束を無言で見つめた……。墓には文字が刻まれている。
……我が愛娘エリザ、此処に眠る……、願わくば彼女の魂に永久の安らぎが
あらん事を……
「……」
「あははっ!アンタしけてるぅー!なーんてにあわネーツラなのっ!」
「サンディ……、出たな……、んな時に……」
久々に飛び出したガングロ妖精。異様に静かな雰囲気のジャミルが
可笑しいと茶化す。
「笑いたきゃ笑えよ……、俺だってよ……」
「あれ?怒んないの?めっずらしー!に、してもこの暗い雰囲気、
折角町を救ったってのにサ、こんなんじゃ星のオーラなんて
出てこないよネ!もう!アタシ達の頑張りって一体何だったのヨっ!」
「お前、何もしてねえだろが……」
「よお~し、ジャミ公、こうなったらせめてチョーチョーんとこ
行ってお礼をたんまりせしめてくるのよっ!」
「……お前なあっ!」
場を弁えないサンディの暴言にジャミルは切れそうになるが。
其処に再び町長が現れた。
「あ、あっ……」
「ジャミルさん、申し訳ありません、あなたにお礼を渡すのを
忘れておりましたので、大した物ではありませんが、どうぞ
お受け取り下さい、私達の……、せめてもの感謝の気持ちです……」
「いや、だから俺ら……褒美が欲しくて遺跡に同行した訳じゃ……」
しかし、町長はジャミルに感謝の気持ちとして、お礼に装備品の
羽根飾りバンドを手渡すと屋敷に戻っていった。……愛する娘の
突然の死で町長も気力を無くし、相当疲れが目に見えているのが
嫌でも分かった。
「エリザ……、お前はあんな男と結婚して本当に幸せだったのか……?
……いや、今更こんな事を問いても仕方ないだろうな……、もうお前は
いないのだから……」
「……」
「うわ……、それがお礼の印とか……?超シラける~、そんなもの
貰ってもアタシは嬉しくもなんともないヨ!ぜんぜんむくわれない
っつーカンジ!はあ、エリザってコが生きてりゃ、今ごろ星のオーラ
ガッポガッポ大もうけだったのにサ!今からでもどうにかなんないかな?
ねえ、アンタ何で死んだのヨ!」
「……」
対サンディ用、特大SPデコピン発射!!
「……いっ、たあああ~いっ!ちょっとアンタっ!何すんのヨっ!
ううう~、よっ、くも……、この美肌サンディちゃんのおでこに
向かってデコピンかましたねっ!ジャミ公のくせにィィィっ!!」
「うるせーっ!!幾ら何でも言っていい事と悪ィ事があんだよっ!
デコピンだけで済ましてやったんだから感謝しろっ!!……今すぐ
エリザさんに向かって謝れっ!!」
ジャミルは怒り心頭でエリザの墓標を指さす。しかし、サンディは
ジャミルを見ると余計逆ギレし、更に暴言を噛ました。
「ふんっ!ブチブチ切れてばっかでイヤんなっちゃう!
もういいわヨーだっ!アンタ、次はもっと真面目に星の
オーラ集めなさいよネッ!!バーカ!!」
サンディは発光体になると姿を消した。この怒りとやるせない
気持ちを一体何処にぶつけたらいいのか……、ジャミルには
分からなくなって来ていた。
「あの、もしもし……、お兄さんや……」
「……?う、うわっ!?」
誰かがジャミルの肩を突く。振り向くと其処にいたのは、
この墓地付近をうろうろ散歩しているらしき、爺さんの
彼女の亡骸は丘の上にある墓地へと埋葬された。町は平和と
平穏を取り戻したが……、人々はまた新たな大きな悲しみの中へ
包まれる事になった……。
「ベクセリアの民は試練を乗り越えました……、しかし
その結果……、我々はかけがえのないもの……、エリザさんを
失いました……、この犠牲は余りにも重く、そして……、我々の
心にのし掛かって来ます……、ですが彼女は私達に人がいかに
強くあれるかを教えてくれました、残された私達は彼女の言葉に
学び悲しみを乗り越えていかなくてはなりません、さあ、うれいなく
彼女が天に召されますよう、どうか祈りましょう……」
「……」
神父の言葉に悲しみの沈黙が走る。町の皆は皆涙を流しながら
黙祷を捧げエリザの冥福を祈った。町民の後ろの方の列で
エリザの葬式を見届けているジャミル達も……、静かに目を閉じた。
「モン……、クッキーのおねえさん、遠い遠いお空に行ったんだモン、
モン、分かるモン、悲しいモン……、お胸がずきずき痛いんだモン……」
「モンちゃん……、皆も私も悲しいのよ……、でも、一番悲しいのは……」
「モォ~ン……」
アイシャは涙を零しながら静かにモンを側に抱き寄せた。アルベルトも
ダウドも……、エリザの納棺から……、先程の神父の言葉まで一言も
ずっと言葉を交わさず無言で彼女の旅立ちを見守っていた。ジャミルは
そんな仲間達の様子を振り返りながら只管心配していた。一仕事終えて、
漸く休めると思った矢先にこんな悲しい出来事が起きてしまい、心までも
休める状態でなくなっていた。……結局、あれから4人とも一睡も
していない状態である……。
「……ううう、エリザ、……エリザあああ……」
「しっかりしなさい……、しかし、ルーフィンの奴め……、
娘の最後にも立ち会わんで一体どういう心境なのだ……」
……エリザの墓の前で泣き崩れる奥さんを町長が必死に慰める。
ルーフィンはあれから研究所の方に引き籠もってしまったらしく、
エリザの葬式にも決して姿を見せようとしなかった。彼女の死を
受け入れられないのか、……認めたくないのか……。ジャミル達も
心配はしているが……。
「なあ、俺、おっさんの処へ行ってちょっと様子みてくるわ、
このままじゃエリザさんがあんまりだよ、……辛いのは分かるけどよ、
……何考えてんだよ!」
「あ、じゃあ、僕らも……」
「いや、お前らは駄目だよ、ずっと寝てねえんだから、少しでも
休んどけよ!大丈夫さ、俺が行ってくるから!それに余り大勢で
押し掛けても逆効果だしな……」
「でも、ずっと休んでいないのは君だって同じじゃないか、目の下の
クマ凄いよ……」
「わ、分かってるよ、少しだけだよ、様子見たらすぐに宿屋に
戻るからさ、特にそこの……、ジャジャ馬が心配でよ………」
アルベルトもダウドもアイシャの方を見る。特に彼女はずっとぐしぐし、
泣きっぱなしの為、疲労の上に悲しみが重なっていた為、ジャミルは
此方の方もとても心配していた。
「な、何よう……、大丈夫だったらっ!ふぇ……」
「いや、全然大丈夫じゃないよお、目が腫れて凄い顔になってるし……」
「そうだね、じゃあジャミルに任せるよ、アイシャは僕らが見てるから……、
でも、すぐに戻ってくるんだよ、早く身体を休めないと……」
「ああ、頼む、モンもな、アイシャに付いててやってくれよ……」
「モォ~ン、分かったモン!」
「ほ、本当に大丈夫なんだからね!……平気だったら!……ぐす……」
「アイシャ……、ほらほらまた……」
アルベルト達は涙が止まらず泣き崩れて困っているアイシャを支えながら
宿屋の方へと移動して行った。葬儀も終わり、人々は引き上げて行き、
その場は余計に静けさが漂う。ジャミルは新しく建てられた墓の前に
手向けられた花束を無言で見つめた……。墓には文字が刻まれている。
……我が愛娘エリザ、此処に眠る……、願わくば彼女の魂に永久の安らぎが
あらん事を……
「……」
「あははっ!アンタしけてるぅー!なーんてにあわネーツラなのっ!」
「サンディ……、出たな……、んな時に……」
久々に飛び出したガングロ妖精。異様に静かな雰囲気のジャミルが
可笑しいと茶化す。
「笑いたきゃ笑えよ……、俺だってよ……」
「あれ?怒んないの?めっずらしー!に、してもこの暗い雰囲気、
折角町を救ったってのにサ、こんなんじゃ星のオーラなんて
出てこないよネ!もう!アタシ達の頑張りって一体何だったのヨっ!」
「お前、何もしてねえだろが……」
「よお~し、ジャミ公、こうなったらせめてチョーチョーんとこ
行ってお礼をたんまりせしめてくるのよっ!」
「……お前なあっ!」
場を弁えないサンディの暴言にジャミルは切れそうになるが。
其処に再び町長が現れた。
「あ、あっ……」
「ジャミルさん、申し訳ありません、あなたにお礼を渡すのを
忘れておりましたので、大した物ではありませんが、どうぞ
お受け取り下さい、私達の……、せめてもの感謝の気持ちです……」
「いや、だから俺ら……褒美が欲しくて遺跡に同行した訳じゃ……」
しかし、町長はジャミルに感謝の気持ちとして、お礼に装備品の
羽根飾りバンドを手渡すと屋敷に戻っていった。……愛する娘の
突然の死で町長も気力を無くし、相当疲れが目に見えているのが
嫌でも分かった。
「エリザ……、お前はあんな男と結婚して本当に幸せだったのか……?
……いや、今更こんな事を問いても仕方ないだろうな……、もうお前は
いないのだから……」
「……」
「うわ……、それがお礼の印とか……?超シラける~、そんなもの
貰ってもアタシは嬉しくもなんともないヨ!ぜんぜんむくわれない
っつーカンジ!はあ、エリザってコが生きてりゃ、今ごろ星のオーラ
ガッポガッポ大もうけだったのにサ!今からでもどうにかなんないかな?
ねえ、アンタ何で死んだのヨ!」
「……」
対サンディ用、特大SPデコピン発射!!
「……いっ、たあああ~いっ!ちょっとアンタっ!何すんのヨっ!
ううう~、よっ、くも……、この美肌サンディちゃんのおでこに
向かってデコピンかましたねっ!ジャミ公のくせにィィィっ!!」
「うるせーっ!!幾ら何でも言っていい事と悪ィ事があんだよっ!
デコピンだけで済ましてやったんだから感謝しろっ!!……今すぐ
エリザさんに向かって謝れっ!!」
ジャミルは怒り心頭でエリザの墓標を指さす。しかし、サンディは
ジャミルを見ると余計逆ギレし、更に暴言を噛ました。
「ふんっ!ブチブチ切れてばっかでイヤんなっちゃう!
もういいわヨーだっ!アンタ、次はもっと真面目に星の
オーラ集めなさいよネッ!!バーカ!!」
サンディは発光体になると姿を消した。この怒りとやるせない
気持ちを一体何処にぶつけたらいいのか……、ジャミルには
分からなくなって来ていた。
「あの、もしもし……、お兄さんや……」
「……?う、うわっ!?」
誰かがジャミルの肩を突く。振り向くと其処にいたのは、
この墓地付近をうろうろ散歩しているらしき、爺さんの
作品名:zoku勇者 ドラクエⅨ編7 ……いつもあなたと・2 作家名:流れ者