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zoku勇者 ドラクエⅨ編9 新たな旅立ち

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竜巻に乗ったまま手を上に押っ広げたままのポーズで慌てて逃げていった。

「……大変モンっ!アイシャああ~!!」

「うう……」

「……大丈夫か?ごめんな、先に俺の方がホイミ掛けてやりゃ良かったな、
……モン、お前流石に今日は度が過ぎるぞ……、後でデコピンだかんな……」

「はいモン……、くすん……、モン……」

ジャミルに怒られ、モンがしょげる。最も普段はジャミルもアルベルトに
突かれる事が多い役回りだが、危険顧みず戦闘中に遊びだしたモンに今日は
心底ぶち切れていた……。だが、内心では、モンの事もアイシャの事も
気が気では無いほど心配していた。……特に……無邪気にかまいたちに
突っ込んで遊ぼうとしていたアホのモンチャンには冷や汗タラタラモンだった。

「ジャミル、そんなに怒らないであげて……、私は大丈夫だったんだから……」

「だけどよ……」

「今はとにかくこの付近で休める処を探そう、話はそれからでいいよ……、
ゆっくりね……」

「分ったよ……、アイシャ、歩けるか?」

「ええ、ジャミルに連続ホイミ掛けて貰ったもの、行きましょう!」

アイシャは立ち上がり、歩き出す。……モンが申し訳なさそうにその後を
ふよふよと飛んでついて行った。

「……」

「ダウドもいいかい?」

「……あっ、……うん……」

ダウドものそのそとアルベルトの後に続いて歩いて行った。4人は
歩いている間、暫くの間無言であった……。モンもすっかり元気が
なくなっており、お腹が空いていても我慢して我儘も言わなかった。

(やっぱりオイラって……、何やっても駄目なヘタレだなあ~……、
このままじゃ、いずれヘタレキングの称号貰っちゃうよお、……うう、
そんなのいらない……)

暫く東に歩いて行くと、やがて長い階段が見えてくる。更にその階段の
向こう側には周囲を河に囲まれた大きな神殿が見えた。漸く休めそうな
場所にたどり着けた事に4人は安堵するのだったが……。そして此処でも
また大きな事件に巻き込まれる事になる。

「ようこそ、此処は転職を司るダーマ神殿でございます、転職を
ご希望の方はどうぞ中にお進み下さい、……ですが……」

入り口にシスターと神父さんがおり、4人を出迎えてくれたが、何だか
両方とも浮かない様な表情をしている。

「転職?此処って……、ああ、分った、何となく、成程……」

「ダーマ……、パンにつけて食べるんだモン、おいしいモン……」

「それはラーマだよ……、って、どっかで言った様な……、
ま、いいか……」

しょんぼり元気がなかったモンがまた少し暴走し始めたので、
ジャミルは何となくほっとする。さっき、少し怒りすぎたかな……、
と、心配していたので。此処は3でも重要な場所でもあった
ダーマの神殿らしい。奥の転職の間に沢山の人達が新たな人生の
旅立ちを求め、行列を作りずらっと並んでいた。……の、だが。

「ん?」

「おい、どういう事だよっ!大神官はまだ戻らねえのか!おれたちゃ
遠くからわざわざ金かけて転職に来てやってるんだぞっ!!」

「んだんだ!冗談じゃねえだよ!おら、なけなしの金をはたいて
田舎から出て来たって言うのにひどいでねえか!」

「わしゃあ、メイドさんになる為に頑張って此処に来たんじゃあ、
冗談じゃねえぞい、メイドさんになるまで絶対此処を動かんぞい!」

「も、申し訳ございません、皆様のお気持ちは分ります、ですが、もう少し
お待ち頂けるかと……、大神官様は必ずお戻りになられますので、どうか……」

「……そう言ってもう何日たってると思ってんだよ!!」

「本当に誠にどうも申し訳ございません……、はあ、はあ……」

神官の前で抗議しているらしい、沢山の客……。神官は滝の様な
汗を掻きながらクレームらしき対応に追われている様だった。
……ジャミルは近くにいたシスターに現状を尋ねてみる事にしたが……。

「大神官が……不在……?」

どうやら……、数日前から、大神官が謎の失踪を遂げたまま、
行方不明との事。大神官は数日前から何か悩んでいた様なのだが……。
とにかく大神官がいなくては、客が転職する事が出来ずに、神官達は
対応に追われてんてこ舞い……、の、様だった。

「大神官様も……、もしかしてヘタレなのかなあ~……って、
そんなワケないよね、ごめんね、オイラの独り言だから、ぶつぶつ……」

と、ダウドは呟いていたが、誰にも聞こえなかったらしい。

「けっ、また明日も来るからな!……畜生!」

「……あんた達も困ってばっかいいねえで、そうしてる暇あったら
大神官様を早く探すだよ!!」

「……メイドさんは絶対諦めんぞい!」

……クレーム客達は本日は引き上げて言ったが……、対応に追われていた
神官は疲れてどっとその場に座り込んでしまった。

「ジャミル、神官様にも少し話を聞いてみようか……」

「ああ……、あの、ちょっといいかい?」

アルベルトがジャミルの肩を突く。ジャミルは頷いて神官の処まで
話を聞こうと近寄っていったが、神官はジャミルの姿を見ると
慌てて土下座をし始めた……。

「!あ、ああ……、申し訳ございません!大神官様不在の今、転職は
暫く出来ません!ご理解賜りますよう、どうか、どうか……、何卒……」

「い、いや……、俺ら別に転職しに来たんじゃねえんだ、ただ、
何処か休める場所でもあればなと……」

「そ、そうでしたか!それでしたら神殿の地下に休憩所がございます、
宿屋もありますので!是非!是非!」

「ありがとう、じゃあ、暫く世話になるよ……」

神官はジャミル達が転職の目的で訪れたのではない事が分り、
安心した様だった。しかし、大神官が行方不明とは……、また、
ただ事でない事件が起きているらしい。

「暫く此処でまた情報収集だなあ~、それにしても消えた大神官か……」

「誰かに連れて行かれたって言う可能性もあるわよ!」

「まさか……、オメーじゃねえんだし……」

「何よっ!」

いつも通り揉め出すジャミルとアイシャ。アイシャもすっかり元気に
なっていた。だが、このお方は……。

「とにかく宿屋に行こう、身体を休めなくちゃ、アイシャ、君も
疲れてるんだから、今日はゆっくり休むんだよ」

「はあ~いっ!」

「ダウドもね、……ダウド?」

「……ん?な、なんだい、アル……」

ダウドは暫く考え事をしていた様だったが、アルベルトに声を掛けられ、
漸く我に返る。

「いや……、身体はしっかり休めておくんだよ……って言う事……、だよ……」

「うん、わかってるよお、ありがとうね、アル」

ダウドはそう返事を返すが、あまり声に元気がなかった。……昼間の件で
お役に立てなかった事を相当気にしているらしかった。

「ねえ、ジャミル……」

「んだよ……」

「君からも少しフォローしてあげたほうがいいんじゃないかな?
絶対気にしてると思うんだよ、君はダウドの親友なんだからさ……、
ほら、さっきのこと……」

「ああ、たく、仕方ねえ……、おい、ダウド……」

「なんだよお?」

「俺もきつく言い過ぎたよ、まあ、おっちょこなのは俺もだからさ、