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zoku勇者 ドラクエⅨ編10 祈りの少女と主神様

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ジャミル達も見守る中、オリガは自分の意思で父親の言葉を拒んだので
ある……。そして、オリガは涙に明け暮れた目で父親の姿をしっかり見つめた。

「あたし……、働きたいの、村の皆と一生懸命汗を流して浜で漁業が
したいの、働いてもっとちゃんと仕事が出来る様になりたい……、もう
独りでも生きていける様にならなくちゃいけないの、何時までも
泣いていられないから……、大丈夫、これまでお父さんのやってきた
仕事、全部覚えてる、だってあたしは村一番の漁師の……、お父さんの
娘だもの……」

「オリガ……、お前は……」

???:おーい、おーい、オリガーっ!お兄ちゃん達――!!」

「トトっ!!」

「トト……?な、何で一人でこれたんだっ!?」

「や、やっぱり突っ込み処満載だあーーっ!!」

「ダウド……」

此方に向かって聞こえて来る小さな足音。村長の息子のトトだった。
再びパニくり出したダウドに困るアルベルト。だが本心は……、同じく
本音突っ込んでみたくて仕方が無い様子。

「た、逞しいのね、トトは!きっとオリガを守りたくて頑張ったら此処まで
来れちゃったのよ!」

「……」

アイシャの言葉に、そういう事にしておこうと、アルベルトは無理矢理
自分を納得させた……。

「オリガ大丈夫だった!?ごめんね、ごめんね、パパが本当に酷い事を……、
僕、あの後、旅人さん達の後をこっそり付けてたんだ、オリガが心配で……、
皆さんも本当にごめんなさい!」

「な、何だ……、そうだったのか、は、はは……」

笑うジャミル。どうやらトトが無事に此処までこれた理由が判明し、
何となく安心する……。しかし本当にあの傲慢糞親父とは180℃違う
天使だった。もしかしたら養子なのではと、4人は疑いだした……。

「あの、僕、隠れてみんなのお話を聞いてました、ぬし様はオリガの
パパなんですよね?僕、大きくなったらオリガを守るから!約束するよ!
もしもパパがオリガを又虐めたら僕、パパを許さない!パパと戦います!」

「トト……」

トトは力強い目でオリガの父親と向き合っている。トトの言葉に
偽りは無い。真剣その物だった。

「お父さん……、お父さんは今まで主様の姿になってこれまで私を
守ってくれていたんだよね?でも、もう大丈夫だよ……、私には
こうして私を助けてくれる大切な友達がいる、お父さん、これまで
本当に有り難う……」

「そうだな、オリガ、……お前は私が思っていたよりもずっと大人に
なっていたのだな、どうやら私は余計な事をしていた様だ……」

「お父さん……、ううん、そんな事ないよ……」

「本当に……立派に……なったな……」

父と娘はもう一度向き合う。親子に本当の別れが近づいて来ていた。
もうこれ以上、オリガを守る必要の無くなったオリガの父親は役目を
終える今、旅立たなければならない。オリガの父親の身体が光り出す。
……天へと召され、昇天する時が訪れた。

「……オリガ、私はお前の言葉を信じよう、自分の力で生きるお前を
これからも見守り続けよう……、例えどんなに遠く離れていても……」

「おとう……さん……」

……オリガ……私は……いつもお前の側に……

やがて主の姿は海へと消えていき、その身体からは光が溢れ、光は空へと
昇っていく。……その光をオリガは零れる涙と共にずっと見つめていた……。

「あ、ジャミル、果実だよっ!やったネ、アンタ!又迷えるおっさんも
助けちゃったしサ!何か最近のアンタ、マジでやるじゃん!最初は
どうにも信用出来なかったケド!」

「ああ……、そうなのかな……、だといいけど……、って、最後の
言葉は何だっ!それに、俺一人だけじゃ無い、大事なダチがいつも力を
貸してくれるからだな……」

「さあ~!?じゃ、アタシ疲れたから寝るネ!」

「おい……、だから人の話は最後まで聞けよ、性悪ガングロ……」

主が消えた後、ジャミルの手元に女神の果実が降ってくる。サンディは
発光体になり逃走。ジャミルは手のひらに降ってきた女神の果実を
そっと受け止めた。

「モン~、モン、目から何か汗が流れて来たモン~……」

「……オイラもでずうう~……」

「も、もう……、モンちゃんもダウドも……、しょうがないわねえ~……、
ひっく……」

そう言っているアイシャ自身も慌てて指で目頭を擦るのだった。

「さあ、オリガ、帰ろう?これからは僕がいるよ、ぼ、僕、オリガの
お父さんの代わりにもなるから……」

「トト、有り難う……、でも、トトはトトだよ、これからもあたしの
友達でいて?ね?トトはトトらしく……、ね?」

「うんっ!えへへ!」

「ふふふ!」

絆を深めたオリガとトト。その微笑ましい姿に、後ろにいるお兄ちゃん達も
そっと見守……れなかった。

「はあ~、あんな小さな子達まで春が来てるのに、オイラには何時春が
来るのかな……」

「ま、……一億年後にはどうにかなるんじゃね……?」

「うるっさいなあーっ!……馬鹿ジャミルううーーっ!!しかも何で一億年後
なのさあーーっ!!」

「……何も本気で目に涙溜めてまで怒らなくても……」

本気でブチ切れているダウドにアルベルトが苦笑。本人にとっては
真剣な問題らしい……。

「旅人さん達も本当に有り難うございました、さあ、村に戻りましょう!」

「お兄ちゃん達、みんなを助けてくれて本当にありがとうーー!」

「あ、2人が行っちゃうわ、私達も追い掛けましょ!」

「モォ~ン!」

「よしっ!おーいコラ、お前ら気をつけろよーっ!」

「あうう~……」

「ダウド、君もいつまでも嫉妬しないんだよ……、全く……」

オリガとトトは手を繋いで一緒に歩いて行く。その仲睦まじい姿を
見つめながら、ジャミル達も後ろからそっと2人を見守るようにして
歩いて行くのだった。