zoku勇者 ドラクエⅨ編12 カラコタ編・2
「……?」
「気がついたかい……?」
「くっ、て、てめえっ!」
そして此方は再びアルベルト側。アルベルトに気絶させられていた
シュウが目を覚ます。シュウは短刀を構え後ろに素早くジャンプ
すると再び警戒し身構えた。
「……もう止めよう、こんな事は……、僕達はずっとこの子を
探していたんだよ、大切な仲間のモンを返して貰えればそれで
いいんだ……」
アルベルトの手の中には既に袋詰めから解放され静かに……?眠る
モンの姿があった。それを見たシュウは激怒する。
「ぶーがぶーが……、プウ~……、今日は学校休みマスモン……」
「……」
「……畜生……っ、俺達だってそいつがなきゃ困るんだよっ!
絶対に返して貰うっ!!俺を舐めると本当に痛え目に遭うぞっ!!」
「どうしてそんなにモンを狙うんだ……?この子はモンスターだけど、
人間が大好きでとても優しい子なんだよ、……ま、まあ、誰に似たんだか
時偶悪戯もする事も多いけど………」
誰に似たんだかの人:……ぶええーーっくしょんっ!!
「う、う、くっ……」
シュウの脳裏に再びあの時の事が思い浮かんだ。モンが命懸けで
自分達を庇ってくれようとしていた事。短刀を持つシュウの手が
汗ばみ迷いで又震え始めた。だが、直ぐに感情を捨て心を無にした。
「俺達はこうでもしないと生きられないのさ……、所詮ゴミで哀れな
糞ガキだからよ……、悪魔に捕まって一生這いつくばって生きていくんだ、
解放されるその時は……、そうさ、自分が死ぬ時さ……」
「……悪魔……?」
シュウは氷の目をアルベルトに向ける。……力尽くでもどうしてもモンを
取り返す気だった。しかし、アルベルトにはこの少年が心では酷く怯えて
いるのが手に取る様に分かっていた。
「それにお前、バカじゃねえのか?俺なんかほっといてさっさと
いきゃ良かったじゃねえか、そいつを取り戻せりゃよかったんだろ?
……アホと違うか……?」
「……囈言を……聞いた……、ほおっておけなかったんだ……、
君の本当の心は違うんじゃないかと思ってね……、気になったのさ……」
「何だと……?」
「君が魘されている時、必死に誰かの名前を呼んでいた……、俺が
絶対に守るって、ねえ、君にももしかしたら……、守りたい大切な
誰かがいるんじゃないのかな……」
「うるっせーっ!この糞野郎ーーっ!!俺にそんな奴いるもんかーーっ!!」
シュウは激怒し、アルベルトに再び突っかかって来た。アルベルトは
無言でもう一度シュウの腹に拳でパンチを入れた。
「……う、ううう……、や、やっぱり俺……、駄目なのかよ、
雑魚なのかよっ!!誰も守れねえのかよ、……お、俺はやっぱり
弱いんだ……、畜生ーーっ!!」
未熟なシュウはアルベルトに勝つ事が出来ず……、地面に這いつくばり
悔しさで目に涙を滲ませた……。
「……違う、違うよ……、兄者……、弱くなんかないよ……、だって……」
「……エ、エルナっ!?」
シュウには何が起きているのか理解出来なかった。……小屋で
待っている筈のエルナが何故此処にいるのか……、どうして
自分の目の前にいるのか……。
「コラ!この家出人共っ!やーっと見つけたぞ!オイ!」
「……ジャミル、……アイシャ、ダウド……」
そしてアルベルトも少し躊躇う。見慣れない少女の側には……、
自分を探しに来たジャミル達が一緒にいたからである。
「後でオメーもモン共々デコピンだっ!つるっパゲデコ出して待ってろっ!!」
「……お断りいたす」
「!?っ、こ、この腹黒めーーっ!!」
しかし、アルベルトが大人しくジャミ公に成敗される筈がなく、
ストレートに仕置きを拒否するのであった。
「アル、お願い……、この子の話を聞いてあげて……」
「アイシャ……」
アルベルトはしゃがみ込んでいるシュウと突如仲間達と現れた少女の
姿を交互に見比べる。2人の様子からして、シュウと少女は顔見知り
なのに間違いない様だったが。
「シュウ兄者は……、いつもワチらを庇って怖い親方から守って
くれてるの、兄者は親方に殴られそうになったワチをいつも
親方から助けてくれた……、悪い事をさせられているのも、自分が
いつも身代わりになって……」
「……エルナっ!余計な事言うなっ!俺には何の感情もねえ!したくて
やってるだけだ!そうさ、これが俺の運命さ、賊として生まれて、賊と
して死ぬ……、本望じゃねえか……」
シュウは気力を振り絞り立ち上がる。そして短刀を再び構え、
ジャミル達とアルベルトを凶器の目で睨み付けるのだった……。
「オメーもデコピンが必要か……?お好みならサービスしてやるぞ……?」
「なっ!?こ、この……短足チビ野郎っ!!ふざけんなっ!!」
ストレートに言い放つジャミルにシュウは一瞬クールに構えていた
表情が崩れ掛かる。そして此方も負けてはおらず。
「うるせーこの野郎っ!俺は短足じゃねえっての!……す、少し背が
低いだけだっ!!」
「はあ、やっぱり気にしてたんだねえ~……」
「そうだよっ!……って、うるせーバカダウドっ!!」
「あいたああーーっ!!」
「止めなさいよっ!ジャミルもダウドもっ!!」
「こ、こいつら……」
いきなり目の前でどつきあいを始めた連中にシュウは唖然……。
人を小馬鹿にしているかと思いきや、そうではなく、素で
やっているのである。
「2人とも……、いい加減にしないとですね……」
「はい、すみません……」
そして、スリッパを構え、黒い笑みを浮かべたアルベルト。一瞬にして
バカ2人を大人しくさせた。
「おい、まだ話は済んでねえんだよっ!アルっ!……オメーもだよっ!!」
「あ、あはは~!」
アルベルトは慌ててその場から少し離れる。そもそも何せ今回の騒動の
大まかな原因は腹黒……アルベルトにあるのだから……。
「……其処までだよ、シュウちゃん……、お前、仕事さぼって一体
何してるの……、駄目でしょうが……、お前、お父さんの言う事に
逆らったね……」
「……っ、こ、この声……、まさかっ!?」
「……兄者っ!!」
暗闇から突如また新たに聞こえてきた声にシュウはビクッとし、身体を
硬直させる。エルナも怯え、シュウにぎゅっとしがみつくのだった……。
「この糞野郎……、さっきはよくもぼくらを川に叩き込んで
くれやがったのね!!」
「許さないのねー!」
「のね!」
「……お前達っ!!」
アルベルトが叫んだ。橋の向こう側から近づいて来る4つの影……。
豚男、そして、勝手に自分達で橋から落ちて川に流されていった
筈の基地害3兄弟であった……。
「おい、エルナ……、お前もお父さんの言う事に逆らってよくも
夜遊びなんかに行ったね?……このおバカ不良娘がぁぁぁぁ!!
……これを見な!!」
「……ペケっ!!」
豚男は無理矢理連れて来た幼いペケの姿をシュウ達の前にさらけ出す。
豚男に頭を掴まれたままのペケはぐったりしており、もう意識が無い
様子だった。
「……糞親父っ!ペケに何しやがったっ!ペ、ペケは……、まだ赤ん坊の
3歳だぞっ!!」
「気がついたかい……?」
「くっ、て、てめえっ!」
そして此方は再びアルベルト側。アルベルトに気絶させられていた
シュウが目を覚ます。シュウは短刀を構え後ろに素早くジャンプ
すると再び警戒し身構えた。
「……もう止めよう、こんな事は……、僕達はずっとこの子を
探していたんだよ、大切な仲間のモンを返して貰えればそれで
いいんだ……」
アルベルトの手の中には既に袋詰めから解放され静かに……?眠る
モンの姿があった。それを見たシュウは激怒する。
「ぶーがぶーが……、プウ~……、今日は学校休みマスモン……」
「……」
「……畜生……っ、俺達だってそいつがなきゃ困るんだよっ!
絶対に返して貰うっ!!俺を舐めると本当に痛え目に遭うぞっ!!」
「どうしてそんなにモンを狙うんだ……?この子はモンスターだけど、
人間が大好きでとても優しい子なんだよ、……ま、まあ、誰に似たんだか
時偶悪戯もする事も多いけど………」
誰に似たんだかの人:……ぶええーーっくしょんっ!!
「う、う、くっ……」
シュウの脳裏に再びあの時の事が思い浮かんだ。モンが命懸けで
自分達を庇ってくれようとしていた事。短刀を持つシュウの手が
汗ばみ迷いで又震え始めた。だが、直ぐに感情を捨て心を無にした。
「俺達はこうでもしないと生きられないのさ……、所詮ゴミで哀れな
糞ガキだからよ……、悪魔に捕まって一生這いつくばって生きていくんだ、
解放されるその時は……、そうさ、自分が死ぬ時さ……」
「……悪魔……?」
シュウは氷の目をアルベルトに向ける。……力尽くでもどうしてもモンを
取り返す気だった。しかし、アルベルトにはこの少年が心では酷く怯えて
いるのが手に取る様に分かっていた。
「それにお前、バカじゃねえのか?俺なんかほっといてさっさと
いきゃ良かったじゃねえか、そいつを取り戻せりゃよかったんだろ?
……アホと違うか……?」
「……囈言を……聞いた……、ほおっておけなかったんだ……、
君の本当の心は違うんじゃないかと思ってね……、気になったのさ……」
「何だと……?」
「君が魘されている時、必死に誰かの名前を呼んでいた……、俺が
絶対に守るって、ねえ、君にももしかしたら……、守りたい大切な
誰かがいるんじゃないのかな……」
「うるっせーっ!この糞野郎ーーっ!!俺にそんな奴いるもんかーーっ!!」
シュウは激怒し、アルベルトに再び突っかかって来た。アルベルトは
無言でもう一度シュウの腹に拳でパンチを入れた。
「……う、ううう……、や、やっぱり俺……、駄目なのかよ、
雑魚なのかよっ!!誰も守れねえのかよ、……お、俺はやっぱり
弱いんだ……、畜生ーーっ!!」
未熟なシュウはアルベルトに勝つ事が出来ず……、地面に這いつくばり
悔しさで目に涙を滲ませた……。
「……違う、違うよ……、兄者……、弱くなんかないよ……、だって……」
「……エ、エルナっ!?」
シュウには何が起きているのか理解出来なかった。……小屋で
待っている筈のエルナが何故此処にいるのか……、どうして
自分の目の前にいるのか……。
「コラ!この家出人共っ!やーっと見つけたぞ!オイ!」
「……ジャミル、……アイシャ、ダウド……」
そしてアルベルトも少し躊躇う。見慣れない少女の側には……、
自分を探しに来たジャミル達が一緒にいたからである。
「後でオメーもモン共々デコピンだっ!つるっパゲデコ出して待ってろっ!!」
「……お断りいたす」
「!?っ、こ、この腹黒めーーっ!!」
しかし、アルベルトが大人しくジャミ公に成敗される筈がなく、
ストレートに仕置きを拒否するのであった。
「アル、お願い……、この子の話を聞いてあげて……」
「アイシャ……」
アルベルトはしゃがみ込んでいるシュウと突如仲間達と現れた少女の
姿を交互に見比べる。2人の様子からして、シュウと少女は顔見知り
なのに間違いない様だったが。
「シュウ兄者は……、いつもワチらを庇って怖い親方から守って
くれてるの、兄者は親方に殴られそうになったワチをいつも
親方から助けてくれた……、悪い事をさせられているのも、自分が
いつも身代わりになって……」
「……エルナっ!余計な事言うなっ!俺には何の感情もねえ!したくて
やってるだけだ!そうさ、これが俺の運命さ、賊として生まれて、賊と
して死ぬ……、本望じゃねえか……」
シュウは気力を振り絞り立ち上がる。そして短刀を再び構え、
ジャミル達とアルベルトを凶器の目で睨み付けるのだった……。
「オメーもデコピンが必要か……?お好みならサービスしてやるぞ……?」
「なっ!?こ、この……短足チビ野郎っ!!ふざけんなっ!!」
ストレートに言い放つジャミルにシュウは一瞬クールに構えていた
表情が崩れ掛かる。そして此方も負けてはおらず。
「うるせーこの野郎っ!俺は短足じゃねえっての!……す、少し背が
低いだけだっ!!」
「はあ、やっぱり気にしてたんだねえ~……」
「そうだよっ!……って、うるせーバカダウドっ!!」
「あいたああーーっ!!」
「止めなさいよっ!ジャミルもダウドもっ!!」
「こ、こいつら……」
いきなり目の前でどつきあいを始めた連中にシュウは唖然……。
人を小馬鹿にしているかと思いきや、そうではなく、素で
やっているのである。
「2人とも……、いい加減にしないとですね……」
「はい、すみません……」
そして、スリッパを構え、黒い笑みを浮かべたアルベルト。一瞬にして
バカ2人を大人しくさせた。
「おい、まだ話は済んでねえんだよっ!アルっ!……オメーもだよっ!!」
「あ、あはは~!」
アルベルトは慌ててその場から少し離れる。そもそも何せ今回の騒動の
大まかな原因は腹黒……アルベルトにあるのだから……。
「……其処までだよ、シュウちゃん……、お前、仕事さぼって一体
何してるの……、駄目でしょうが……、お前、お父さんの言う事に
逆らったね……」
「……っ、こ、この声……、まさかっ!?」
「……兄者っ!!」
暗闇から突如また新たに聞こえてきた声にシュウはビクッとし、身体を
硬直させる。エルナも怯え、シュウにぎゅっとしがみつくのだった……。
「この糞野郎……、さっきはよくもぼくらを川に叩き込んで
くれやがったのね!!」
「許さないのねー!」
「のね!」
「……お前達っ!!」
アルベルトが叫んだ。橋の向こう側から近づいて来る4つの影……。
豚男、そして、勝手に自分達で橋から落ちて川に流されていった
筈の基地害3兄弟であった……。
「おい、エルナ……、お前もお父さんの言う事に逆らってよくも
夜遊びなんかに行ったね?……このおバカ不良娘がぁぁぁぁ!!
……これを見な!!」
「……ペケっ!!」
豚男は無理矢理連れて来た幼いペケの姿をシュウ達の前にさらけ出す。
豚男に頭を掴まれたままのペケはぐったりしており、もう意識が無い
様子だった。
「……糞親父っ!ペケに何しやがったっ!ペ、ペケは……、まだ赤ん坊の
3歳だぞっ!!」
作品名:zoku勇者 ドラクエⅨ編12 カラコタ編・2 作家名:流れ者



