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zoku勇者 ドラクエⅨ編13 思い出の記憶の中で

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「モンーっ!」

4人が慎重に辺りを確認していると、家の中からサンディとモンが。
しかし、モンの頭のコブはまだ消えておらず、アイスクリーム状態だった。

「……おま、普通の漫画なら次のページに進めば消えてんだよ、しつこいぞ……」

「モン?」

……にょきにょきにょき……

「……うわあーーっ!?」

モンのコブが更に頭から、わらわら生え、にょきにょきと……。

「やめろーーっ!話を進めるっ!ほらほらほらほらっ!!」

アルベルトが一喝すると、モンのコブは全て大人しく引っ込み、
頭が元通りになった。

「ふう……、全くもう……、ふざけてばっかりいるんだから……」

溜息をつくアルベルトを見て、モンも分からんが、やっぱりこいつも
分からんと思うジャミルであった。

「それにしても、今の何なんだろうねえ?ずっと家の中から様子
見てたケドさ、凄かったね……」

サンディがそう呟いた瞬間、ジャミルは何かの気配を感じ、後ろを振り返る。
すると、其処に……。

「……」

「サンディ、見てみろ!」

「え、ええっ!?」

家の横に不思議な老人が姿を現す。……老人は側にあった地下へ続くらしき
階段の前ですっと姿を消した。

「ジャミル、あのおじいちゃん、もしかしてっ!」

「ああ、間違いねえ、ラボオ爺さんだ……」

「モン!」

ラボオの姿が見えているのは、ジャミルとサンディ、モンだけなので、
他のメンバーはまた何が起きているのか分からず首を傾げた。

「ねえ、ジャミル……、何かあったの?」

「ラボオ爺さんの幽霊が出たんだ、今、地下へと降りてった、俺らに後を
付いて来いって言ってんのさ」

「……ええっ!?」

驚くアイシャの横でダウドが逃走しようとしていたが、アルベルトが
しっかり捕獲する。

「僕らにはラボオさんの姿は見えないけど、君に任せる、とにかく僕らも
後を付いて行ってみるよ……」

「よし、行こうぜ!」

「……あ~う~……」

アルベルト、アイシャ、……ダウドの3人もジャミルの後を付いて行き、
地下へと降りる。薄暗い地下部屋……。先に降りていったジャミルは、
奥の部屋で待っていたラボオと遂に直に対面を果たすのだった。

「……あんたがラボオ爺さんだな?」

「ああ、いかにも……」

「ジャミル、僕らには見えないけど……」

「其処にラボオお爺さんがいるのね?」

「ああ……」

「……ひええーーっ!!も、もういやらあーー!!」

怯えるダウドを除き、アルベルトとアイシャはジャミルとラボオの
やり取りが無事済むまで、静かに待つ事にしたのだった。ラボオは
そっとジャミルに語り掛け始める。

「……済まなかったね、旅の人よ、……君には私の姿が見えるのだね……?」

「見えてるよ、だからこうしてあんたと話が出来るのさ……」

「……どうやらあの番人は、私がこの地の永遠の平穏を果実に願ったばかりに
生まれた様だ、だがそれは私の本意ではなかったのだ……、これで私の小さき
友人も安心出来るであろう……」

「爺さん……、あ……」

ラボオの身体が光り出す。彼も旅立ちへの時が近づいて来ていた……。

「私は帰れぬ故郷の地を……手に入らなかった大切な物を此処に
造り上げた、そう、この地は幻影、死にゆく老いぼれの見た最後の
夢……、だがそれでも……、クロエ……」

「……クロエ?まさか……」

ラボオが呟いた名前、ジャミルは即座にその人物を思い出す。そして、
この町が……、あの村の姿形と全く同じだった事に。やっと気づいた。

「……私は愛する君の元へ……、故郷エラフィタに……これで漸く
帰ったのだ……」

ラボオの姿が消え昇天する……。そして、ジャミルの元に女神の果実が
降って来たのだった……。

「……爺さん……、あばよ……」

そして4人は地下から戻る。今日はもう一晩だけ、ラボオ爺さんの残した
夢の跡地で過ごす事に……。

「そっか……、此処ってどうも見た事あると思ったんだよね……、
黒騎士騒ぎの時に歌を聞きに来たエラフィタ村だったんだ……」

サンディはもう一度周囲の確認にへと飛んで行った。やはりエラフィタ村の
幻影に間違いは無かった。

「やっぱりキャラメルとんがりコーンさんだったんだモン……」

「モ、モンちゃんたら……、それにしても……、悲しいわ、自分の夢と
引き換えに失った大きな代償と恋の結末……、此処に来た時から何だか
悲しくて胸が痛かったのも、きっと……」

「アイシャ……、泣いてるモン……、モォ~ン……」

「……うん、大丈夫……」

アイシャはモンを抱き締めたまま一言……、それきり黙ってしまうのだった……。

「この地は……、ラボオさんの掴めなかったかつての幸せの在処……、
でもそれはやはり……、幻の形でしかなかったんだね……」

「現実逃避して夢に逃げたけど……、やっぱり失った過去はどうやっても
取り戻せなかったって事なのかなあ……」

「……」

最後に呟いた珍しく真面目なダウドの言葉に全員が押し黙る……。
其処に辺りをもう一度見に回っていたサンディが戻って来た。

「……ラボオっておじいちゃん、何十年も掛けて故郷を造り上げたんだね、
でも……、この事を知ったらおじいちゃんの元カノはどう思うのかな……、
ね、ジャミル……、人間のする事って良く分かんないよね……」

「ああ……、……」

プッ

「……んっとーにアンタのする事も良く分かんないね……」

「……わりィなあ、真面目なの苦手なんでよ……」

「……ジャミルのバカ……」

そして、翌朝……。遠いエラフィタの地で……。

「おや、クロエ婆さん、お早う、お散歩かい?今朝は又随分と早いじゃないか」

「おはよう、ふふ、昨夜ね、とても懐かしい人の夢を見たのよ、何だか
目が覚めてしまったわ」

「そうか、でも、あまり無理しないでくれよ、歳なんだからさ!」

「おやおや、あたしゃまだまだ元気元気ですよ、ハッスルハッスルですよ!
ほほ!」

村人は行ってしまう。……そして、クロエは独り……、昨夜見た夢に思いを
はせるのだった。

(……会いに来てくれたのね……、本当にお互いすっかり年をとりました
物ですね、あなたはお爺ちゃん、私はお婆ちゃん……、ふふ、……あれから
もう何年時が立つのかしら……)

クロエはそう呟くと、静かに朝焼けの空を見上げ、自然と流れて来た涙を
静かに拭った……。