zoku勇者 ドラクエⅨ編13 思い出の記憶の中で
ジャミルはサンディの愚痴と、短い足で白鳥の湖を踊りひっくり返る
モンを想像し、盛大に吹く。しかし、今はそんな場合ではない。
アイシャはモンをサンディに預け、スライムの事もお願いすると
ジャミル達と一緒に家の外へと飛び出す。外で4人を待ち構えて
いたのは巨大な石像のモンスターだった……。
「……な、何だオメーはっ!このデカブツめっ!!」
「ラボオ……、ではないのか……、ならば……、私は番人……、
この地を荒らすお前達を許しはせぬ……」
「……来るぞ!お前らいつも通り気を付けろよっ!」
「了解っ!!」
「あーうう!」
ジャミルの言葉にアルベルト達も返事を。石の番人とのバトルが始まる……。
「ダウド!まずはスカラで僕達の守備力を!」
「わ、分かってるよお、でも、あんまり効果無いし……、オイラ何で
僧侶なのにスクルト覚えられないんだろう……、1人1人じゃ手間
掛かる……うわあーーっ!?」
ブツっている暇あらず。石の番人はテンションを上げ、力を込めると
地割れを起こす。これには堪らず、地割れ攻撃で4人全員最初から
真面に大ダメージを食らい地面に転がる。一番最初に立ち上がったのは
女の子のアイシャ。普段から頑張り屋の彼女は野郎共よりも遥かに
ガッツと根性の隠れスキルがある……。
「いてて、……畜生!この野郎めっ!!」
「この地を荒らす者……、許すまじ……、大人しく此処から今すぐ
出て行くと言うなら今回だけは許してやるが……」
「んな訳にいかねーんだよっ!立てーっ!アルーっ!ダウドーっ!!
しっかりしろーーっ!!」
「うう、わ、分かってるさ……」
「……オイラもう毎度燃え尽きました……、真っ白です……、駄目ですか?」
「もう許さないわっ!えーと、このモンスターは石さんだから、
この場合……、えと、えと……、きゃあ!?」
「アイシャっ!!」
叫ぶジャミル。考えている暇もあらず。石の番人はモタモタしている
アイシャにも平気で容赦ない連打爪攻撃を。アイシャはまた地面に倒れる。
石の番人は女の子であるアイシャにも更に躊躇せず倒れて動けない彼女を
巨大な足でぐりぐり踏みつける。最悪、痛恨の一撃になってしまい、HPの
少ないアイシャは瀕死級の大ダメージを負う……。
「わわわ!な、何か外ヤバい事になってんじゃん!あ、あいつら
マジで大丈夫なの……?も、もしも、全員棺桶行きトカだったら
アタシはどうすんの!しっかりしなさいって!!コラ!デブ座布団っ!
アンタもたまには役にたてってのっ!」
「怖いよー、怖いよー……、ぷるぷる、ぷるぷる……」
家の中でバトルが終わるのを只管待つサンディ。……スライムは
相変わらず怯えたまま。……モンもでっかいコブを作って気絶したまんま。
「よ、よくも!……ダウド、アイシャにベホイミを!早くっ!!」
今度はアルベルトが叫ぶ。ヘタレだの普段何だかんだ言われているが、
やはり一番忙しいのは回復と補助担当の義務を背負ってしまった
ダウドなんである……。
「わあ!今度は回復魔法かあ~、オイラ忙しいなあ!間に合うかなあー!?
アイシャ、しっかりね!すぐ治すからね!」
「ダウド……、迷惑掛けてごめんなさい……」
「いいんだよお!!」
「させぬわ!」
だが、回復を邪魔しようと石の番人が。しかしジャミル達も負けてはいない。
急いで逆に石の番人の妨害へと入った。……ジャミルは石の番人の
踏みつけ攻撃を破邪の剣で受け止め、ダウドとアイシャを守ろうとするが、
直ぐに素手で力強く剣を振り払われてしまい、ジャミルは頭部を足で
踏まれてしまう状態に……。
「ううう……、くっ……、うう……」
「小僧、いつまでそうしている気だ?耐えられると思うのか……?
このままだとお前を踏みつぶして地面に沈めてしまうが?……どうだ?
痛かろう……?」
「う、うるせーっ!う……、あ、足がクセえなあ……、何だよこの臭い……」
「ふざけおって……、愚か者めが……、スクルト……」
ジャミルの顔に汗が滲む。石の番人はスクルトで更に守備力を高め守りを
堅くする。頭を踏みつけられているジャミルはどんどん追い詰められる。
後ろにはダウドとアイシャがいる。もしもこのまま自分が倒れれば……、
後の2人がどんな事になるのか充分分かっていた……。
「食らえーーっ!!やああーーっ!!」
「む?そうか、まだいたか……、雑魚めっ!!」
体制を整え直したアルベルトも援護に入り、破邪の剣で石の番人へと
斬り掛かる。しかし、石の番人はまた地割れを起こす。ダウドと瀕死の
アイシャにも更なるダメージがいってしまい、4人は窮地に追い込まれた……。
「だ、駄目か……畜生……」
「だから言っておろう、さっさと出て行けばいい物を……、大人しく
従わなかった罰だ、本当に愚か者だ……」
「やっぱり嫌だ、諦めねえ……、やれるさ、俺らはしぶてえんだ、
まだやれるーーっ!!俺らにケンカ売った事を後悔しろーーっ!!
よくも俺にクセえ足の臭い嗅がせやがったな!!」
「……な、何っ!?」
倒れていたジャミル、気力を振り絞りジャンプして飛び起きると石の番人の
面に跳び蹴りキックを思い切り噛ました。慌てた石の番人は戸惑って今度は
自身が倒れそうになる。其処に隙を逃さずアルベルトの再びの剣攻撃が入り、
アルベルトの剣裁きは見事に石の番人の片腕を切り落とす。その間にと、
ジャミルも急いで振り払われ、地面に落ちてしまった破邪の剣を拾い直した。
「よ、よしっ!やったぞっ!」
「アル、ナイスだっ!」
「バカな、こ、こんな事が……、おのれーーっ!我は石の番人、使命は全力で
この石の町を守る事、……お前達を全力で排除する!!」
「よおーしっ!こっちも終わったよおー!」
「ダウド、ありがとうーーっ!いくわよーっ!ヒャダルコーーっ!!」
「アイシャ!!」
ジャミルとアルベルトが声を揃える。ダウドのベホイミでアイシャは
すっかり元気に。倒れていて今まで温存しておいた分のMPで
石の番人へとヒャダルコをお見舞い、放出しまくる。
「えいっ!えいっ!えーいっ!!」
「わ、我の身体が……、鋼鉄の我の石の身体が凍り付くだと……?
そんなバカなっ!?」
もう石の番人の終わりは見えていた。アイシャのヒャダルコにより、
番人の身体は頭部まで等々凍ってゆく。止めはジャミルの剣攻撃が
石の番人の急所を刺す。身体中全てが凍り付いた石の番人の身体は
石と氷と共にガラガラと崩れ落ちていった……。
「お、終わったの……?はあ、今回も何トカ無事だったみたいね……、
もうー!毎度毎度ハラハラさせるんだから、嫌になっちゃうわヨ!!」
「ぷるぷる……、こ、怖いの……、い、いなくなっちゃったの……?」
「……モン?」
……室内で待っていた待機組。気絶していたモンもやっと復活。
漸く目を覚ました。
「……あ、あの石頭クソ野郎、マジでもういなくなったのか?」
「崩れた欠片が集まって……、復活する……、とか、展開ないよねえ~?」
「もう~、ダウドったら、嫌な事言わないでったら……」
「大丈夫……だと思うよ……」
「ジャミルーっ!おーいっ!」
作品名:zoku勇者 ドラクエⅨ編13 思い出の記憶の中で 作家名:流れ者



