現代風味のクロノトリガー、序盤のカエル視点
だが、この歴史にクロノが介入し、マールがリーネに間違われた場合は状況が一変する。
カエルが修道院の近くまで捜査に来た頃、連続的な5発の銃声が鳴り響く。
その5発は王家からの召集命令であり、カエルは捜査を止めて王宮まで戻った。
召集目的はリーネ捜査の打ちきり、つまり リーネ帰還の報だった。
カエルは安心し、再び護衛の任務に為リーネの部屋に向かった。
その道すがらに王妃の部屋に繋がる廊下を見慣れない男が歩いていた。赤い髪色で服装はこの国のものではない。不安になったカエルはリーネの部屋に向かうが、リーネがどこにも見当たらない。従者に状況を聞こうと思ったが、従者も見当たらない。トイレにでも行ったのだろうか。
トイレに向かってみるとリーネはおらず、従者だけがいた。リーネの姿が見当たらない事を告げると、従者は慌てて部屋に戻り、大声で叫んだ。
『さっきまでいた筈なのに!』
リーネから少し目を離した隙にリーネは消えてしまった。昼間の失踪は明らかに誘拐だった。このタイミングでリーネ自ら失踪するなんてことはありえない。だとしたら、あの赤い髪の男が怪しい。あれがもし魔族だとしたら、リーネは喰われてしまった?
いやそんな事あるはずない…
魔族がリーネを食べるのが目的であるのなら、誘拐後に食べられているはずで、リーネが戻ってくる事自体がありえない。
なら最悪、リーネに扮した魔族が戻っていた。リーネに成り済まして王宮で何かをするのが目的だったが、何らかの予定が狂い、再び窓から外に逃げた…
カエルは容疑者の男を急いで探した。
男は広間にいて、見知らぬ女と会話をしていた。内容は詳しくは聞き取れないが、リーネの単語を言葉にしている。何かを知っているのは間違いない。
もし二人の正体が魔族で、魔法か魔の道具でリーネを隠して運んでいるのだとしたら、今ここで捕まえて尋問してリーネを返して貰えるだろうか。
死を覚悟に尋問に耐えたり、返さない可能性があるとたら、どうなる?
この女がもしもリーネ誘拐に関わる共犯なのだとしたら、今この場でリーネの受け渡しがされている可能性だってありえそうで…
もし二人がこの後二手に別れて行動するというのなら、尾行させる為の仲間が必要になるかもれないが…
カエルは二人から目を離さず、ただ距離をとって後を追った。
不審な行動した場合、どちらかに致命傷を与えて動きを封じたあと、もう一方も制圧する。殺さない程度に拷問をかけつつ、 。あるいは片方は見せしめに殺す。それでも リーネを吐き出さないとしたら…
カエルは二人のあとを尾行していたら修道院へとたどり着いた。
男の方はオルガンを弾いてる。二人は不審な行動をしてはないものの、行動そのものは不可解だった。
何がしたいのか判らなかったが、男が外をうろうろして修道院を眺めている姿見て、その不自然さに私も気付いた。室内の広さの割には建物がやや大きい。隠し扉がどこかにあるのかもしれない。
外壁を登り 天井付近の通風口から中を覗き込むと、リーネが見える。
何故かその隣には大臣がいる。なぜこんなところに…。まさか!
大臣は化物に変身した。リーネが襲われると思ったが何かを話している。何かの交渉にリーネが利用されているのかもしれない。リーネはまだ殺されない可能性が高い。
隠し部屋を探すべく、外を探してみるも、それらしいものはなかった。。
隠し部屋があるとしたら部屋の中に。
だが、どうやって探すべきか…
悩んでいると旋律のない汚いオルガンが鳴り響く。下手くそな演奏であり、なぜあの男はこんなときにウザイ演奏をするのだろうと、その姿を視界に入れてしまう。
しかしその光景を見ていて気付いた。あの男に絡んでるシスター達は何故か壁の端をチラ見している。
騎士団が言っていた魔法の事を思い出す。敵は背景に成り済ませる魔法を開発している可能性。もし隠し扉なんかではなく、壁の背景がただそこにあるとしたら…
試しに小さな石を投げてみてたら、壁をすり抜けいった。
そういう事たったのか!
この男は尾行している私に気付いていて、私がその何もない壁に突撃できるようにオルガンを弾いて女達の注意を惹き付けて隙を作ってくれているのだな!
そして入り口にいるこの女は身長が私よりも高いので、その背後に私の身を隠して突撃のチャンスを伺えという事なんだな。
やるじゃないか!若者たちよ!
~ヤクラ視点~
~リーネ誘拐事件の真相~
魔族が大臣に成り済まして議会を我が物にする計画。それには成り済ましを完璧にするべく、大臣の情報が必要だった。大臣を脅して情報を引き出すべく、王妃を誘拐して人質にする計画だったが、冷静に考えると王妃の情報も必要になる事に気付いた。
大臣に成り済ますにも大臣が自身の情報を吐き出さない場合、大臣以外からその情報を聞き出さなければならない。大臣としての成り済ましを完璧にするにも、大臣の事を知る者(リーネ)を安易に殺す事はできない。
だが、ひとまず誘拐は成功した。あとは少しつつ情報を引き出せば良いと思っていたところに、リーネが山で見つかったという兵士達からの報告
あり得ないことだった。既にリーネは誘拐している。
リーネ不在の王宮だから、これを機に西側魔族がリーネに成り済まして入り込んだのだろうか?
あるいは私の部下が勝手に擬態魔法を使い王家に潜入している?
だがリーネが本当に修道院から脱出した可能性があるとしたら…
心配になり急ぎ修道院へと向かうが、急いでいた為、私はコウモリにその事を伝達しなかった。
~コウモリの視点~
あれれ? カエルが修道院の方角に向かったから王宮にいる筈のヤクラ様に報告に向かったけど、どこにもいないぞ、あれれ?
◆
こうしてコウモリからの情報はヤクラへ届かず、カエルに不意打ちを与えることができなかったヤクラ。今度は反対に、カエルの突然の侵入(突撃)による不意打ちを食らってしまう。
得意技のドリルも遠距離であってこそ機能するので、カエルの一方的な攻撃を受けて絶命してしまう。
作品名:現代風味のクロノトリガー、序盤のカエル視点 作家名:西中



