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zoku勇者 ドラクエⅨ編16 悲しきリブドール・3

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「ねえ、薬草何個かある?……私が行って、あの子達のサポートを
するわ、……ねえ、おかしいでしょ、私……、気持ち悪いでしょ?」

「モン……」

「私、死ねないの、そう言う身体なの、……生まれた時から化物なの、
言ったらきっと嫌われてしまう、だから黙っていたの、でも、もうそんな
事を言っている時じゃない、今度は私があの子達を助ける番、そう……」

マウリヤは虚ろな目で爆発と煙が上がった方向を見つめる。しかし、
その目は何かを決意、彼女が覚悟を決めた証だった。

「だから……、例え何回も傷つけられても大丈夫なのよ、例え普通に
殺されても死ぬ心配は無いの……」

「そ、そりゃ、此処に予備の薬草あるけど……って、オジョーさん、
もしかしてアタシの事も見えてたワケ?」

「何となく……」

「ハア!?何となくって、ンモーっ!じゃ、じゃあ、ジャミ公達の事、
お願いしていいの?って、こんな事させようとして、見つかったら
アタシが怒られんじゃん、ねえ、アンタ、ホントに大丈夫なの?」

「大丈夫、急がないと本当に手遅れになるわ、さあ、薬草を……」

「うう~、じゃあ、アンタに託したかんネっ!もう知らないよっ!」

「……ありがとう……、処で薬草ってどうやって使ったらいいの……?」

「い、いや、だから……、ああ、このヒト、マジ、……大丈夫?」

サンディはこんな時でもボケているマウリヤに不安を抱きつつ、
薬草の入っている予備袋を渡そうとする。……今はマウリヤを
信じて彼女に全て託すしかなかった。だが、其処に
モンが……。

「じゃあ、モンも行くモンっ!!」

「……あなたは駄目、此処にいなさい……」

「……シャアーーっ!?」

モンはまたマウリヤに向けて大口を開けるが、それでもマウリヤは
モンに向け冷静に言い放つ。

「あなた、太鼓を叩くの好きなんですってね、アイシャがとっても
楽しそうに話していたの、もしもちゃんと皆で帰れたら……、私も
モンさんの太鼓、見たいわ……」

「モン、マキナ……」

マウリヤはモンに向け、優しい笑顔を見せた。そして、両手でそっと
モンのほっぺたに触れるのだった。

「アイシャを悲しませたら駄目……、ね?、お願い……、だから
此処で待っていて、絶対に皆と戻って来るから、モンさん、お願い……、
信じて……」

「モン、分かったモン……」

モンも等々マウリヤの言葉に折れる。そして、モンの方もマウリヤに
ある言葉を継げた。

「一つだけ……、ジャミル達はマキナの事、絶対に嫌ったりしないモン、
だから心配しなくていいモン、マキナ、化物なんかじゃないモン……」

「……有り難う、モンさん……」

「モン!」

……マウリヤはモンの言葉に心から安心する。そして薬草が入っている
予備の袋を抱え、ダッシュでズオーの元へと駆け出す。彼女はもう
分かっていた。自分はもう此処から帰れない事を……。それでも
決めていた……。全て終わったらこの世界に別れを告げる事。それは……。

「……ズォォォォ……」

大ダメージを食らい、おまけに拘束されたままの4人にズオーの
魔の手が迫る……。

「……う、畜生……、冗談じゃねえや……、おい、お前ら生きてるか?
……大丈夫なら返事しろよ……」

「大丈夫じゃ無いけど……、生きているよ……」

「もう勘弁して下さい……」

「……諦め……ないわ……」

だが、もうズオーは目の前に迫っている……。どうしようも出来ず、
再び絶対絶命状態であった。……ジャミルは、もしもこのままズオーに
食われても、腹の中で絶対抵抗して暴れてやる、只じゃ死なねえぞ、
……そう思っていた。だが、次の瞬間……。

……ドゴッ!!

「!?」

直後、凄まじい物音がし、ジャミルは慌てる。だが、慌ててみるが、
自分を縛っている蜘蛛糸の所為で動けず、どうにもならない。しかし、
次の瞬間、突如蜘蛛糸が身体から外れたのである。

「ど、どうなって……」

「大丈夫……?」

「マウ……、マキナっ!!」

蜘蛛糸の拘束から救ってくれたのは……、マウリヤだった。ジャミルは、
訳分からんで困っていた物の、他の仲間も拘束状態から皆解放されており
よく見ると……ズオーが遠くに吹っ飛んでいた。だが、アルベルト達は
放心状態であり、マウリヤが来てくれたのに気がついていない……。

「今は何も言わないで、……薬草よ、これを……、ああっ!?」

「……マキナーーっ!!」

だが、又すぐにズオーが戻って来る。ズオーは又もマウリヤを弾き飛ばし、
彼女は倒れる。ジャミルも怒りでテンションが上がり、傷ついた身体の
痛みを堪えて立ち上がる。……しかし、彼女も負けじとすぐに立ち上がったの
だった……。

「……大丈夫、私の事なら……、心配要らないわ……、はっ!!」

「ズウオオオオーーーっ!!」

「……オウっ!?」

「お願い、少しの間でいいの、……ハア、ハア、邪魔しないで……、
ジャミル達とお話がしたいの……、ふんっ!!」

マウリヤはズオーを蹴り倒した後、拳で何度も何度も殴る。そしてその後、
巨大なズオーの身体を持ち上げた後、石壁に叩き付ける。……ズオーは
気絶したらしく、ぴくぴく動かなくなった。

「マ、マキナ、あんた……」

「どう?これが私なの、気持ち悪いでしょ?……そう思わない?
私、化物なの、こんなに力が強くて……、死なない身体なの、絵本で
読んだ事があるわ、化物は皆の嫌われ者、みんな……、物をあげる時だけ
来てくれるの、本当のお友だちになんか誰もなってくれないから……」

マウリヤは遠い目で彼方の方を見つめながらモンの言葉を思い出す。
ジャミル達はそんな事で決してマキナを嫌ったりしないと。でも……、
やはり不安だったのである。だから……、隠しておきたかった。
……アイシャと会った時も、最初はどうでも良かった。どうせまた、
……物をあげたらすぐにいなくなってしまうのだろうと。しかし、
彼女はこれまでの人間達と明らかに違っており、何処かおかしくて、
……とても変だったのだから……。

……こんな私と……、本気で友達になりたいだなんて、変よ、凄く
変な子に思えたの、最初は……。