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zoku勇者 ドラクエⅨ編22 我侭女王と恋したトカゲ・3

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「ユリシスはんは渡さーーんっ!あんな所に絶対連れていかせんの
やあーーっ!!」

「うるせーっ!これでも食らえーーっ!!」

アノンは最後の抵抗でジャミルに襲い掛かる。だが、巨体のアノンは
動きが機敏なジャミルに敵う筈も無く、ジャミルに剣の柄でみぞおち
攻撃を腹に叩き込まれ、その場に崩れ落ちた……。

「う、うお、バ、バカな……、おおお……、ウ、ウソや……」

「……」

「わーい、やったよおーっ!ジャミルっ!」

「ああ、これで……」

「ま、待って、アノンがっ!」

「また起き上がろうとしてるわ!」

「……こいつ……」

しかし、アノンはしぶとく立ち上がろうとする。……どうしても何か
強い信念がアノンを動かしている様だった。アノンは最後の抵抗で
むっくりと起き上がった……。

「わて、気づいてもうた、アンタと戦こうてる時、人間は口から火ィ
なんか吹いたりせんと、わては人間になんかなってなかったんや、
最初から……」

「……」

(ちょ、今頃気づいたの、遅すぎだって……)

「……サ、サンディ、駄目だよっ!」

「けど、ユリシスはんは城に連れて行かせん……、あの敵だらけの
城になんか……、ここでくたばるワケにはいかんのや、わてが……、
わてが守るんやああーーっ!!」

「……う、うううっ!!」

「ジャミルっ!!」

仲間達もジャミルを援護しようと再び攻撃態勢に入ろうとする。だが。
其処に意外な人物が姿を現したのだった……。

「……お待ち下さいっ!!」

「ジーラさんっ!?」

地下水道に姿を現した人物、……ユリシスの元侍女、ジーラであった……。

「ジーラ……、あなた、どうして此処に……?」

「女王様……」

漸く意識を取り戻したユリシスがジーラに近寄る。……女王を見つめる
ジーラの目は涙で溢れていた。

「ジャミルさん、皆さん……、もうこれ以上アノンを傷つけるのは
お止め下さい、アノンにもしもの事があれば……、女王様は今度こそ
誰にも心を開けなくなってしまいます……」

「ジーラさん、あんた……」

「ジーラ……、私、あなたにあんなに酷い事を言ったのに、
傷つけたのに……、どうして……?」

ジーラは涙に明け暮れたそのままの目で、女王から目線を離そうとせず、
そっと女王の手を取るのだった。

「私は見てしまったのです、女王様は涙を見せながらアノンの
前でいつも話していました、我儘な自分が嫌い、両親がいなくて
いつも淋しい……、あなたはアノンの前ではいつも本当の心を見せて
いました……、その寂しさ、あなたの本当の心をどうか、今度は
私達にも打ち明けて欲しいのです……」

「ジーラ……」

「辛い気持ちを分け合えば、きっと女王様も変われる筈だから……」

「ああ、ジーラ……、あなたは私をいつも見守っていて
くれたのね、有り難う……、私、この方が言ってくれた
言葉の意味がやっと分かったの、いつも側で見てくれて
いる人がいたんだって事、私、一人じゃなかったのね……、
ジーラ、今までの事、どうか許して下さる?これからも
私を支えて欲しいの、未熟な私を……」

「女王様……、も、勿論です!」

ユリシスとジーラは頑なに強く抱き合う。4人はそれを暫く静かに
見守るのだった……。

「本当に良かったね、ジーラさん、女王様……」

「うん、……えうう~……」

「ジャミル、君の言葉も気持ちも……、ちゃんと女王様に届いていたよ……」

「ああ、へへ……」

「ほうわああ~……」

「……えうっ!?」

様子を見守っていたアノンが欠伸の様な声を出し、4人は恐る恐る
後ろを振り返るが……。アノンももう4人に敵意は無く、静かに
言葉を漏らした……。

「あの城にはジーラはんみたいな優しいお人もおったんやなあ……、
わて、力尽くであの城からユリシスはんを引き離そうとしとった、
これではわて、間抜けなピエロや、トカゲの浅知恵やったわ……」

「アノン、お前……」

アノンはジャミルを見つめると、大口を開けにっと笑うのだった。

「なあ、旅人はん、アンタも人間とちゃうやろ?しかも果実に詳しいと
みたで、わてはまたトカゲに戻って静かにユリシスはんと暮らすさかいな、
もうこんなん懲り懲りや、ジーラはんみたいな優しいお人がおれば
ユリシスはんも安心やわ、この果実はアンタに託すで、この姿のわては、
ほな、さいならや……」

「ああ……、またな……」

「ありがとな、優しい天使はん……」

アノンの身体が光り出し、果実がジャミルの元へと戻る。そして、
ユリシスの足下に、小さな1匹の金色のトカゲがすり寄るのだった。
ユリシスは愛おしそうにそのトカゲをそっと抱き上げた……。

「きょっ、きょっ……」

「アノン、有り難う、あなたもいつも私を見守ってくれていたのね……」

「きょっ……」

……心優しい旅人よ、娘を救ってくれて……、本当に有り難う……、
これで私も漸く……

「おっさん……」

ジャミルの耳に静かな声が届く。それは先代国王ガレイウスの声だった。
娘が救われた事により、漸く旅立ちの時を迎え、ジャミルにお礼を
言いに来たのである。

「おっさん、もう女王さんは大丈夫さ、これからきっとやり直せるよ、
皆と一緒にさ……」

「なになに~?どうしたの、ジャミルっ!」

「モン、お腹すいたモン~……、モン、もう暴れてやるモン、シャア~……」

モンを抱いたアイシャがジャミルに笑い掛ける。その笑顔を見ていると、
あー、今回もやーっと終わったんだなあと、実感が沸いた。

「よし、モンも暴れ出すと困るからな、戻ったら皆で飯でも食いに行くかっ!」

「わあーっ!嬉しーい!ふふっ!」

「そうだね、流石に今日は僕もお腹が空いたかな……」

「……も、もう暴れてます~、とほほのほお~……」

「ガジガジガジ、でっかいチキン食べたいモン……」

「そうですわ、今日は皆さん、お城で一緒にお食事をなさっていっては?」

「……マジーーっ!?」

「ですかああーーっ!?」

思いがけないユリシスの心遣いにジャミルを始め、皆は感激し、
大興奮。その姿にユリシスもジーラを笑顔を浮かべた。

「ええ、さあ、急いで戻ってお食事の支度をしなくては、ジーラ、
私もお料理を作るわ、腕によりを掛けて皆さんに美味しいお料理をね……」

「は、はいっ、私、他の侍女達にも声を掛けて参りますわ!」

「♪きょっ、きょっ」

こうして今日からグビアナの城は女王と共に生まれ変わり、
新しい日々の始まり、出発点を迎えたのである……。

これで何個目の果実を取り戻しただろうか。此処でのお役目も
無事終了し、グビアナとも別れの時が来る。ユリシス女王も自分の
本当の気持ち、これまで自分の犯した過ちの謝罪を国中の者、そして
城中の者へと、心を改め気持ちを伝えた。女王の本当の気持ちを知った
民も改心した彼女の想いを心から受け入れてくれた。これでユリシスの
女王としての本当の新しい旅立ちが始まったのであった。

「……皆さん、本当に有り難うございました、私、これから新しい
気持ちで城の皆と一緒にこのグビアナの皆さんが幸せになれる様、