zoku勇者 ドラクエⅨ編24 ヘタレとヘタレ若様・2
「とにかく立ち止まってる暇はねえっ!いっけー!押せ押せだあーーっ!!」
「フン……、愚か者めが……、何処まで耐えられるかのう……」
ジャミルは剣を構えると、シャルマナに突っ込み旅芸人からの
引き継ぎ技スキル、ミラクルソードを放つ。アイシャはヒャダルコを
ぶつけ、アルベルトも補助系魔法でピオリムを掛け、全員の素早さを
上げサポートし、更にはやぶさ斬り、連続攻撃で攻め捲る。はやぶさ斬り
自体、余り攻撃力こそないが、個々の持てる技をぶつけ、力を併せる
チームワークにシャルマナは苦戦、押されていた。だが。
「……こしゃくなっ!」
「……ああーっ!?」
シャルマナは突風を起こし、ジャミル達を揃って突っ転ばせた。
地面に転がり動きが思う様に取れなくなった3人に容赦なく
襲い掛るイオラの嵐が……。3人は早くもダメージを受け、
負傷してしまう危機に陥る。だが、持ち前の根性としぶとさで
どうにか堪えて立ち上がる
「……だ、大丈夫かよ、お前ら……、生きてるか?」
「平気よ……、これぐらいいつもの事だもん……」
「絶対に頑張らなくちゃ、僕らが……」
「ほーほほほ!頂くぞえーっ!」
「……あ、テメエ、このやろ!」
その間にもシャルマナはジャミルからMPを奪い再び自身の
イオラ発動の為のエネルギーを蓄えてしまう。……これ以上
肥えさせて堪るかとジャミルも再び剣を握る。アイシャも
呪文の詠唱を始め、体制が整うとシャルマナへ再びヒャダルコを
放出。
「フンっ!こんな物……、かき消してくれるわっ!!」
「きゃ!?あっ、な、なんなのようーっ!」
「恐らく、攻撃呪文半減のマジックバリアを張ったんだ、卑怯な……」
「アル、どうすればいいの……?」
「とにかく……、攻撃魔法の方は出来る限り君に頑張って貰うしか……、
アイシャ、きついかも知れないけど、大丈夫かい?」
「そうね、ダウドだって頑張ってくれてる、モンちゃんもサンディも、
私だって頑張るんだからっ!」
アルベルトにフォローされ、アイシャも気持ちを引き締める。だが又も
シャルマナは今度はアイシャからMPを吸い取る。余りバトルを
長引かせる訳にはいかない。かなり難しいが、短期間決着が勝利の
鍵である。3人とも、今回は恐らくダウドにこっちに回って貰うのは
無理だろうと覚悟していた。ナムジン達の為、命懸けで頑張って
くれているダウドにもこれ以上無理をさせたくはなかった……。だから、
何としても……。
「さっさとオメーを倒すっ!糞ボテバラーーっ!!糞マズの
生ハムに致すーーっ!!」
「ど、何処までも……、気に食わぬ……、チビの糞ガキめがあーーっ!!
よかろう、そんなに死に急ぎたければ急ぐがよいぞおーっ!ほほほほっ!!」
「また来るぞっ、避けろおおーーっ!!」
シャルマナはジャミル達に再び突風を放つが、ジャミルの掛声で
アイシャもアルベルトも咄嗟に機敏に避けてかわした。シャルマナは
悔しげに地面にドスンとジャンプし、その場に大きな震動が起きる。
「おのれ、よくもよくも……、どこまでわらわをコケにするのじゃ、
もう絶対に許さぬ、……こんな草原などもうどうでもいい、だが……」
シャルマナはジャミル達を睨む。辱めに遭わせてくれたトリオを
徹底的に潰す覚悟だった。だが、そんな脅しに乗るジャミル達ではない。
「いつも通り連係攻撃よ!もう一度呼吸を合わせましょ!行くわよ、
ジャミル、アル!」
「ラジャーーっ!!」
ジャミルとアルベルトはそれぞれの剣を抱え、シャルマナへと揃って
突っ込み、アイシャは2人の技にヒャダルコを放出。氷の剣で一気に
シャルマナを貫く作戦だったが……。
「そんな物、効かぬと言っておる!こちらも魔法防御ガードを
2倍にしてくれる!……ふんっっ!!」
「や、やりやがったなっ!?」
シャルマナの魔法防御が氷の剣を無残にも破壊し、粉々に……。
トリオはその場に立ち尽くすが、直ぐにジャミルがアイシャと
アルベルトに渇を入れ、励ました。
「お前らっ、諦めんなっ!何回だってやるさっ!アイシャ、アルっ!」
「そうよ、諦めないわ!」
「……僕らの恐ろしさを思い知れ!」
「……まだ負け惜しみを言うか、本当のクソバカとは雅にこの事、
愚か者よ!特大のイオラじゃあーーっ!!覚悟せいーーっ!!」
シャルマナはジャミル達から奪い取り、温存しておいたMPで
ここぞとばかりにトリオに向け、威力最悪級のイオラをぶつける。
負傷し、傷ついたまま堪えて戦っていたジャミル達に更に
大ダメージを与える。
「ほほほほ!気分壮快とは雅にこの事ぞえーー!ほーほほほ!」
「……ちく……しょ……、うう、冗談じゃねえよ、ア……、ル……、
ア、アイシャ……」
ジャミルは今にも気を失いそうだったが、堪え、近くにいる筈の
アルベルトとアイシャの姿を求める。2人とも声がしなくなって
いる事から、やはり危機に陥っているのが分かる。だが、動こうにも
全身を痛みが襲い……。やがて、自分達に迫るシャルマナの騒音の
足音が倒れている自分の耳にはっきりと聞こえてくるのだった。
「ほほほ~!お前達は今度こそ終わりじゃ、良く頑張ったのう、
ご褒美にハナ丸でもプレゼントしてやろうぞよ!」
「やっぱり……、無理だったか……、意地は張れねえや……、
真面な回復役がいねえのがこれ程身に来るとか……、
……薬草使ってる暇も……間に……合わね……ダウド……」
「ほほほほ……」
そして、ナムジン達を助けようと、ダウドも只管頑張っていた。遂に……。
「……はあはあ、や、やっ……た……」
「傷が……、完全に癒えている、もう痛くない……、凄い……」
「グギギーーっ!!」
「ポギーー!ああっ!」
重傷だったポギーも完全に傷が癒えた様でナムジンに喜んで飛び付く。
ナムジンも元気なポギーの姿をまた見れた事に心からの喜びとダウドの
必死の行為に感謝する。ナムジンも完全に意識を保ち始めた為、サンディは
発光体になり姿を消した。
「ポギー、良かったんだモンーっ!」
「♪グギグギ!」
(ま~ったくう、人騒がせ……、いや、この場合ゴリラ騒がせっ
つちゅーの???も~、ドーでもいいわよっ!)
「よ、よかっ……、た……、ナムジンさん……」
「ダウドさん、本当に有り難う、嬉しくて……、ボク、何てお礼を
言ったら分からないよ……、ごめん、ボク、頭が混乱してしまって……、
言葉が上手く……ダウドさん!?」
「きゅうう~……」
だが、全力を掛け、MPを使い切ってしまったダウドはその場に
倒れてしまう……。ナムジンは慌ててダウドを介抱しようと
するのだが……。
「ああ……、ダウドさん、ごめん、ごめんよ……、こんなになるまで、
ボク達の為に……」
「グギ~……」
「えへへ、いいんだよお~、だってオイラ、普段は何も出来ない
ヘタレだもの~、こんな時ぐらい役に立ててよかっ……、あ、あああ、
駄目、駄目だよお~、オイラ此処でへばってる訳にいかないんだよお~、
ジャミル達を助けに……、い、いかなくちゃ……」
「ダウドさん……、ううっ……」
「モン~……」
作品名:zoku勇者 ドラクエⅨ編24 ヘタレとヘタレ若様・2 作家名:流れ者



