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zoku勇者 ドラクエⅨ編26 タワシ頭の店主奮戦記・2

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……翌朝。宿屋では急に姿を消してしまったジャミル達にニードは
やはり錯乱していた。朝の掃除もほっぽり出し、彼方此方うろつき
回る……。だが、もう何処にも4人組も、モンの姿も見当たらない。

「おい、冗談じゃねえぞ、もしかして……、あ、あいつら……、
黙っていなくなるなんて、ふざけんなよ……、おい……、何
考えてんだよ……」

苛々し、どうしていいか分からず、ニードはロビーの椅子を
思い切り蹴飛ばす。あいつらは自分に愛想を尽かして出て
行ってしまったんだろうか、もしかしたらもうそんな相談を
していたのかも知れないと思うと更に苛立ちが起こる……。
この苛立ちは悲しみから来ていると言う事を、意地っ張りな
彼は考えたくなかった。

「だったら……、オレの事もう見切ってたんなら、嫌いなら、
その程度なら……、……さ、最初から来るなってんだよっ!
何だよっ!……馬鹿野郎共!!どうせ……、暇つぶしに
からかいに来たんだな、そうだったんだ……」

「ニード、少し話があるのだ……」

「親父……」

ドアが開き、入って来たのは自分の父である村長。だが、ドアが
開いた瞬間、ニードはジャミル達が戻って来たのではないかと一瞬
顔を明るくするが。違うと分かると直ぐに父親から目を伏せた。

「はあ、本当にクソ親父か……、で、何だよ……、オレは忙しいんだ、
仕事があんだよ……」

「……お前はまだ口の利き方がなっとらん様だな、親に向かって……、
いい加減にしろ!一体もう幾つになったと思っている!自分の
年も忘れたのか!ええっ!?」

「うるせーハゲ親父!……手ェ離せよっ!」

「……ニードっ!」

村長はニードの手首を掴むが、ニードはその手を乱暴に振り払った。
そして、村長から一歩下がると鋭い目で村長を睨んだ。

「……お兄ちゃん?お、お父さんっ!やめてよっ!何してるのっ!」

宿屋に慌ててニードの妹が駆け込んで来る。父親が宿屋に
向かった為、彼女も心配して様子を見に来たのであるが……。

「お前は邪魔だ、家に戻っていろ……」

「そ、そんな……、だって……」

妹は父と兄を交互に見る。やっと兄は真面目に働いてくれる様になり、
今度こそ何もかも心配はなくなると思っていた。それなのに……。

「そう言えば……、お兄ちゃん、ジャミルさん達はどうしたの……?」

「オレが聞きてえよっ!朝起きたら……、あいつらいなくなってたのさ!
結局、どうせ嫌になって逃げやがったのさ、冗談じゃねえっ!……人の
気持ちを踏みにじりやがったんだよっ!!」

「う、うそ、そんな事……、ジャミルさん達がする訳ないよ……、
だってだって……、凄くお兄ちゃんの事、……心配してくれて
たんだよ?」

「……けど、いきなりいなくなったんだからそう思うしか
しょうがねえだろっ!!」

「そうか、やっと完全にいなくなってくれた様だな、やれやれ……」

「お父さん……?」

「親父……、どういう……事、だよ……、なあ……」

ニードは声を震わせながら村長の方を見る。その目は真実を
聞きたくないとでも言う様に絶望に満ちており、怒りで声も
震えていた……。

「あいつらはお前の仕事の成長の妨げになる、居て貰っては
邪魔になるのだ、だから私が昨夜、代表にジャミルを呼び出して
話を付けさせて貰った、……二度と余計な節介はするなとな……」

「じゃあ、じゃあ……、ジャミル達が急にいなくなったのは……」

「そうだ、私が村から出て行く様に言った……、二度と村に
近づくなともな……」

「嘘だ……、嘘だ……よ……、嫌だよ……」

ニードの心は完全に絶望で真っ暗になった。話を側で聞いていた
妹もショックで涙を零した……。だが、村長は先程と違い笑顔を
向け、ニードの肩に優しく手を置いた。

「親父……」

「ニード、此処はお前の宿屋なんだぞ?お前の方針で、これまで通り
やりたい様に経営をしなさい、失敗してもいいのだ、資金の事は心配
要らない、これまで通り私が送るからな……、私はお前自身の手で
作り上げるこの宿屋の未来を楽しみにしているのだ、誰かに指図など
されない、あんな奴らが言った通りにしなくても、お前なら十分、必ず
出来る筈だ……」

「オレの……?やりたい様に……?」

「そうだ、私は村長と言う立場上、これまでもバカ息子のお前に
厳しく当たって来た、だが、お前はもう自分の店を持てたんだ、
遠慮する事はないのだ、思う通りにやりなさい……、私はお前を
信じているよ、例え知恵の無いバカ息子でもな、何時の日か実を
結び、奇跡を起こして未来を必ず切り開いてくれるとな!」

「親父、分かったよ……、オレ、好きにやるよ、これまで通りにさ……」

「そうだ、それでいいのだ……」

ニードは村長の顔をそのまま見上げた。そして村長は引き上げて行く。
ニードはその後、カウンターに突っ伏したまま何もせず、鼻クソを
ほじくり、一日中座りながら眠っていた。ジャミル達が加勢に来る前の
状態に完全に逆戻りしてしまったのである……。

「おお、何て事じゃ……、ジャミル達は帰ってしまったのか……、
これでは元の木阿弥じゃ、……うう、守護天使様……」

外では話を聞いており、今日の様子を見に来たリッカの祖父も
絶望で身体が固まる……。そして、宿の中に入らず、悲しみに
暮れたまま引き上げて行った……。

「ねえ、ジャミル……、本当にこのままで良かったのかしら……」

「……」

一方、船に戻ったジャミル達だが、やはり何も言わず黙って
出て来た事に戸惑い、気持ちがまだモヤモヤしていた。

「良くねえよ、……逃げた様なモンだしよ……」

「うぎゃーモン、モンは逃げないんだモン!ウシャーッ!」

「あだだだっ!モンーっ!だからオイラの頭に噛み付くの
やめてよおーーっ!!」

「……逃げない……、か……」

「ジャミル……」

ジャミルはそう言うと甲板に座り、遠い海の彼方を眺めた。モヤモヤの
気持ちは益々広がってゆく。……だが……。

「俺ら、今までどんな時でも逃げないで立ち向かって来たじゃねえか、
なのにな、何だよ、あの親父がうっとおしいからって……、引き下がる
なんざらしくなかったぜ、……チ、どうかしてたさ、冗談じゃねえっての!」

「ジャミル……?あっ……」

ジャミルは再び立ち上がる。そして、アイシャとダウド、2人の
顔を見て頷いた。

「戻ろう、もう一度ウォルロへ……、俺らが戦うべき相手はあの
糞親父だったのさ、……あの野郎……、言ってやる、絶対言って
やるぞっ!とことん戦ってやる!煙たがられたって構うもんか!
……見てろ、老害爺!無茶苦茶言いやがって……」

「おじや撃退モンっ!!」

「そうだよっ!それでこそ嫌ラシー、執念ぶけージャミ公だってバ!」

「ガングロっ、うるせーってのっ!とにかくもう一度、ウォルロに
戻るぞっ、アルーっ!」

ジャミルは舵を取っているアルベルトの処へ急いで知らせに行く。
その姿を見たアイシャとダウドは頷きあって微笑む。だが、
ジャミル達が再びウォルロへ戻る決意をしたその夜。ウォルロでは
大変な事が起きていた。……今度はニードが宿を開け、ほったらかしに