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綺麗なものだけちょうだい

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潔癖で自尊心の高い彼は決して言葉にすることはないけれど、きりきりと釣り上がる眦が責め立てる。そんなことはないとは言えない。信じてもいない約束なんて嘘にさえならない。自分の気持ちが変わらないと闇雲に信じられる年頃はとうに過ぎてしまったのだから。

永遠に続くものなんて何も無いんだ。腹の底ではふたりとも思っている言葉を、優しさなんかではなく狡い打算が押し止める。そんな残酷な言葉を告げれば、きっと彼はもうこの愛を受け取ってくれなくなる。それは辛い。

不誠実を罵られようと、今彼を抱きしめたいこの気持は本当なのに。

胡散臭い情報屋も池袋最強の喧嘩人形も、壊れやすい恋の前には身動きがとれない。

憎い恋敵を殺しても、甘い言葉を囁いても、彼が信じてくれなくては意味がない。

「恋ってさ、そういうものじゃないよ」

「ならいりません」

「お前がいらなくても、俺は。お前が、ほしいんだ」

「僕はいらない」

残酷な言葉を平気で吐く少年は、その言葉がどれほど二人の心をずたずたに切り刻むのか、きっとわかっていないのだろう。捨てられた過去のために、いつか捨てられる未来のために、今差し出された恋心なんていらないと切り捨てる。

拒絶の言葉は、少年の眼差しと同様まっすぐに突き刺さって、強靭な二人の精神を粉々にする。いっそ痛みに任せて泣いてみたら、自分の傷しか見えていない子供も甘さを見せてくれるのかもしれない。

発想には至ったものの、天敵の前で涙を見せるには、二人とも意地を張ってきた時間が長すぎた。

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大人と子供。
臨也は自業自得。シズちゃんはとばっちり。

とりあえず帝人様に蔑んだ目で変態って罵られたい。