二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

【リリなの】Nameless Ghost

INDEX|21ページ/147ページ|

次のページ前のページ
 

「ごめんなさい。アリシアは何も悪くないのに、アルフがあんなこと言って」

「まあ、近いうちに会いに行って<ruby><rb>蟠<rt>わだかま</ruby>りを直すしかないかな。悪い、引き留めてしまったみたいだ」

「いいの」

「あの、アリシア。一つ……ううん、二つだけお願いがあるのだけど……」

「ん? なんだ?」

「私、フェイトです」

「ああ、そうだな」

「だからその……。私の事はフェイトって呼んで欲しい」

「……まあ、難しい願いではないが。いちいち確認することか?」

「そう呼んで欲しいの」

「ああ、良いぞ、フェイト。うん、改めて言うと照れるねこれは。それで、もう一つは?」

「えっと、その……、アリシアのこと……お姉ちゃんって呼んでも良い?」

「―――」

 アリシアは息をのんだ。今、目の前にいる少女はいったい何と呼んだのか。姉と呼んだのか、自分を。しかし、アリシアとフェイトの関係は――

「分かってる。私はアリシアのクローンで、劣化コピーに過ぎないんだって事は。だけど、私は母さんの、プレシア・テスタロッサの娘だって思ってる。そう思いたい。だから、アリシアには私のお姉ちゃんになって欲しい。我が儘だって分かってるし、アリシアの事情も分かる。だから、お願い。私のお姉ちゃんになってくれませんか?」

 俯き、まるで身体に回る毒に必死で耐えるようにスカートの布を握りしめるフェイト。その小さく震える身体をみて、アリシアはフェイトがどれだけの勇気を振り絞り、この言葉を発しているのかを理解せざるを得なかった。
 そして、彼女はその言葉を否定する術を持ち合わせていなかった。

「……私は、歪だ……。確かに私は、アリシアでプレシアの実の娘だろうね。その記憶はあるし、遺伝子的にも私とフェイトは姉妹と言っても良いんだろう。だが、私はまだ自分自身に納得できていない。だから、いきなりフェイトを妹として扱えと言われても、無理だ」

 そして、それはベルディナであった頃の意識さえも阻害する。たとえ、300年間共にあった肉体が消失したとしても、自分自身であった頃の記憶と意識はそれを堅牢に固持し続ける。

「そう、だよね」

 フェイトの眼に諦めの光が灯った。彼女もまた、無理は承知だったのだろう。しかし、その失意は重い。

「だが、歪であってもいいなら。私はそう努めるよ、フェイト。」

「うん、ありがとうアリシア。お姉ちゃん。それじゃあ、また明日。お休み、なさい」

「ああ、お休みフェイト。良い夢を」

 アリシアの優しげな言葉に、フェイトは薄く笑顔を浮かべ部屋を去って行った。

《You got for the heart to be very kind , Ms.Alicia》(随分、心優しくなりましたね、アリシア嬢)

 フェイトの<ruby><rb>生体反応<rt>バイタル・リアクション</ruby>が遠くへ消えていくことを確認し、それまで状況を見守っていたレイジングハートが軽口を叩いた。

「なんだ、お前。まだいたのか」

《Because unfortunately, I don't have a leg》(あいにく、私には足がありませんので)

「お前の減らず口も相変わらずだな。全く、安心した」

《Can I have been useful?》(お役に立てましたか?)

「ああ、たたき壊したくなるほどにな」

《It is an extreme intimacy.Are you sadism?》(過激な愛情表現ですね。サドですかあなたは。)

「残念だが、私はブッ叩くのもブッ叩かれんのもごめん被る。品のないジョークは嫌いだって知ってるだろう?」

《Of saying so comparatively, you don't have an emotion.You should attempt to touch Japanese culture a little more, Ms.Alicia》(それにしては情緒というものがない。あなたはもう少し日本の文化に触れてみるべきだ、アリシア嬢)

「……」

《――》

「変わらないねぇ、私もお前も」

《It is as you say.Even if it supposes that your appearance changed, that you are you doesn't change.I was convinced so.》(そうですね。たとえ姿が変わったとしてもあなたがあなたであることは何も変わらない。そう確信しました)

「だが、その変わらないモノでも、それ以外がすべて変わってしまった。これから一体どうしていけばいいか、どう生きていけばいいか。予測も推測も出来ないか……」

《Do you think that the condition in now is spicy?》(辛いのですか?)

「辛い、というよりは戸惑いかな。まあ、ともかく味方と思える奴らがいることだけが慰みか」

《How if you can not decide a policy in the future, is your about your aiming at becoming the sister of Balldish's master Fate for the time being?》(方針を決めかねているのでしたら、ひとまずはバルディッシュのマスター、フェイト嬢の姉君になることを目標にされてはいかがですか?)

「フェイトの姉か……。そうだな、妹の手前ああ言ってしまったことだし。そうしてみるのも悪くないかもしれないね」

《That child is the commendable and good daughter.I don't like a few of her devices but his master is the impression which isn't bad.To that, the comparison, that device are the worst.It didn't think that it was the one which it is difficult for the partner who doesn't understand a joke to treat, being this much.》(あの子は健気で良い娘です。あのデバイスは幾分気に入らないところがありますが。そのマスターは悪くない印象です。それに比べ、あのデバイスと言ったら、冗談が通じない手合いがここまで扱いにくいものだとは思いもよりませんでした)

「お前にここまで言わせるデバイスとは、一度会ってみたいね」

《If possible, train him for becoming a a little more funny person.I permit》(出来るなら、もう少しおもしろい相手になるよう調教してやってください。私が許可します)