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【リリなの】Nameless Ghost

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《I don't have showily and cool module like cartridge system. But my output is 3 times more than conventional me. Because simultaneous parallel processing by oct-core is accomplished, place that the control speed is different just like, too, in the heart beforehand because it opens the core that a control circuit, too, was omitted because are equipped with small reacter which has a maximum of 400 MW output》(カートリッジシステムのような派手でカッコイイものは付けられていませんが、出力は従来の三倍は軽く出るでしょう。最大400MWの出力を持つ小型魔導炉が備えられ、制御回路もオミットされていたコアを開放し、オクトコアによる同時並列処理が成されていますから、制御速度がまるっきり違うことも心に置いておいてください)

「う、うん。分かった」

 正直なところ、400MWの魔導炉とかオクトコアとかその手の専門家でもマニアでもないなのはにはよく分からないことだが、ひとまずは今までとは全然違うのだなとだけ認識し、空中に浮かんでこちらを観察している二人の騎士を見上げた。

「なのは、詳しい話はまた後で。アリシアと一緒の時にするから、今はあまり全力を出さないで。危ないし、まだ最終調整が出来ていないんだ」

 戦闘態勢を整えたなのはとフェイトの側にユーノがアルフを伴って降り立ち、二人はなのはとフェイトを背後に庇い上空の二騎に立ちはだかる。

「また会ったな、イージス」

 二騎の内の一騎。アリシアほどの幼い体つきと真っ赤なドレスに巨大な槌を携える騎士ヴィータは、先日自らの攻撃をことごとくはじき返した翡翠の盾を睨み付けた。

 ユーノはその視線を正面から受け止め、背筋をのばし両手を広げてはっきりと宣言した。

「僕の名前はユーノ・スクライア! ミッドチルダ出身の地球移民だ。今回は民間協力者として管理局に協力している」

 その言葉に一瞬気を取られるヴィータとザフィーラ。そして、なのははユーノの思惑を理解し、自分も宣言することを決意した。

「わ、私は高町なのは! 地球出身で、ここにいるユーノ君に導かれて魔導師になったの。私も、ユーノ君と同じ民間協力者で……ええっと。事情は殆どユーノ君と同じ!」

 困惑するヴィータ立ちとクロノ達管理局の面々。彼等はユーノの意図するところが理解できない。しかし、フェイトとアルフ互いに頷き会い、デバイスをいったん金のエンブレムに格納し、二人で名乗りを上げることとした。

「私は、フェイト・テスタロッサ。私は管理局の嘱託魔導師で時空航行艦アースラに所属しています」

「同じく、フェイトの使い魔のアルフだよ。アタシは嘱託じゃないし、魔導師でもないけど、フェイトの行くところなら何処にだってついて行く。それだけだ」

 アルフの口上を最後にユーノは再びヴィータに視線を放った。
 「自分たちは名乗った。次はそっちの番だ」といわんばかりの視線を浴びせられては、ベルカの騎士を誇りとするヴィータ達には自身も名乗りを上げる以外に方法を見つけることが出来ない。

 まんまと乗せられたとヴィータは奥歯を噛みしめ、一度手に持つデバイスを手の中に収納し、帽子を外した。

「アタシの名はヴィータ。ヴォルケンリッターが一、鉄槌の騎士ヴィータだ! 良く耳に叩きこんどきやがれ、コンチクショウ!」

 武器をしまう相手に対して武器を構えるのは騎士の誇りに反する。ヴィータはその分、上空で油断無くデバイスを構えるクロノを横目で警戒しつつ乱暴な口調で自らの名を名乗った。

「ふむ。騎士の道理を弁えている。なかなか骨のある男だな、イージス。私は同じくヴォルケンリッターが一、盾の守護獣ザフィーラ。貴様らとはなかなか、長いつきあいになりそうだ」

 両腕の手甲以外に武器を持たないザフィーラは特に武器を納める事もせず、ただ腕を胸前に組み低い声を響かせ名乗りを上げた。

『直上に警戒。目標紫、結界内に進入!』

 武装局員の一人が念話で放った警告と共に、紫の魔力光をたなびかせ一人の騎士がフィールドへと降り立った。

「ふむ。なかなか面白い状況になっているな」

 足を踏みならし、鞘に収めた剣の柄から手を離した剣の騎士シグナムはフィールドの感覚を肌に浴びながらゆっくりと上体を起こした。

「私はシグナム。ヴォルケンリッターが烈火の将、剣の騎士シグナム。なるほど、このように口上を述べ合うのはどれほどぶりになるのか。実に心が躍るものだな」

 シグナムはそう言ってわき上がる感覚を噛みしめるように瞑目し、仲間達へ念話を送った。

『どうやら最初の駆け引きは相手に軍配が上がったようだな』

 シグナムの声にヴィータは僅かに舌を打ち鳴らし、

『悔しいけど、そうだねリーダー。で? シャマルは? あいつらの将はいるの? いないの?』

 ヴィータとザフィーラの懸念することはまずそれがあった。敵軍の将。前回の戦闘で自分たちに辛酸をなめさせた司令官。この場にいる三人はその姿を確認していないが、目の前に現れたものの中にはその存在はいないということだけは確かだった。

『後ろに潜んでいる可能性もある。シャマルは発見できたのか?』

 ザフィーラもビルの頂上に立つ敵と視線で牽制しつつ念話を送った。

『今のところシャマルの警戒網には入っていない。ただし、今のところは、だ。どうなるかは分からん』

『むう。前回は収集することで何とかなったが、今回はそれが使えない。出来ることなら、最優先に排除しておくべきなのだが』

 シグナムの答えにザフィーラに僅かな焦りが見えた。シグナムは鋭敏にそれを感づき、

『敵将はシャマルに任せよう。我らは目の前の敵を。あれもそういっていた』

『オーケー、シグナム。だったら話しは早いね。アタシはイージスとやる。変なちょっかい掛けないでよ?』

『了解だヴィータ。油断するな』

『誰にいってんのさ、シグナム。じゃあ、そういうことで』

 ヴィータはそう言って秘匿念話回線を切断し、改めてデバイスを構え細めた視線をさらに鋭く研ぎ澄まし、その先の一点にたたずむ少年を睨み付けた。

「来いよ、イージス。テメェの相手はあたしだろう? あの時の借り、返させて貰うよ」

 ユーノはその眼差しに大きく首を振り肯定し、夜の空へと舞い上がろうとする。

「待って、ユーノ君」

 それを引き留めたのは、その隣でレイジングハートを握る少女なのはだった。
 出鼻をくじかれた形となったヴィータは「ああん?」と怪訝に眉をひそめるが、なのははそれにも負けず、はっきりと瞼を開き、グッと視線に力を込めた。

「私も一緒だよ」

「なのは」