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【一時間SS】夜空に響く、涼の…

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「ねぇ、キミ。」
「うん、響ちゃん。」
「時々、この公園に来るんだろ? よかったら、メールくれないかな、来るとき。」
「え? うん、いいけど。どうして?」
「ジブン、実はあんまり男の子とちゃんと話したことがなくてさ、事務所もあまり人と接点持つなっていう方針だし。だから、男の子のファンがどういうことを求めてるのか、よくわからなくてさ…。」
 そっか…。元気に見えても、いろいろ悩んだりしてるんだな…。
「僕でよかったら、力になるよ。」
「ホントか? やったぁ、オトコノコの友達が出来たぞ! …っ。」
 そこまで言って、響ちゃんは、はっとしたかのように立ち止まってしまった。自分の口をついて出た言葉に、自分でショックを受けているみたいだ。
「いや、そんな、男友達とかじゃなくて、あくまでアイドル仲間として…。」
 僕は妙なフォローをする。
 そんな僕に、響ちゃんは、一度顔を上げて僕のことを一瞬見つめると、すぐに駆け出してしまった。そして、僕を振り返ると
「必ずメールくれよ!」
 そう言って、駆け足で去ってしまった。

 夜の闇の中、月の光が照らした響ちゃんの瞳は、少し潤んで波うつように見えた。
 その瞳の美しさは、その夜の僕の心を一晩中捕えて放さず、一睡も出来なかった。
 そして僕は、次の日から3日も悩んだ挙げ句結論が出ず、結局、響ちゃんにメールを送ることにした。
「響ちゃんへ
 今度、公園に行くときは、男女どちらの格好にしよう?
 涼」