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SSやオフ再録

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日常:紡ぐ時 後篇(紡がれし百年の時)



その後トルワド達2人と宿星について話をしてから団長は現代に戻ってきた。
するとそこにレギウスがいて、クイネリア将軍が第2枝団ごと森羅宮に反旗を翻した、と報告に来た。
どうやら森羅宮がテラスファルマを飼っていたのだと世に知れ渡ったのを受けての行動らしく、砂漠のスケイルホードと共同戦線を張り、アクリテスを拠点に第1枝団と睨み合っているらしい。
今回はあちら側で過去を弄るといった行動はなかったようである。
ルガトが死んで過去に行けなくなったのか、時代樹を使うとテラスファルマの絶滅が早まってしまうからなのか。
そんな話をしている所にジーノが“いるかー?”とやってきた。
レギウスが少し邪魔そうに見ているのを気にもせず、ジーノはゼフォンとザヴィドが帰って来た、と報告してくれた。

いつもの場所に向かうと団長の姿を認めたゼフォンが口を開く。

「もう、ほんっっと信じられないよ!こんなか弱いボクをあんなに働かせるなんて!」
「必要だからやってもらったまでの事。貴様も納得ずくだったはずだ。」

結構な剣幕で言ったゼフォンに対し、ザヴィドが淡々と言う。

「まあまあ・・・。って、いったい何が・・・え、えっと、それで?」
「確認出来た。森羅宮が過去に遡って結界の外にテラスファルマを放っているのは事実だ。」

するとデューカスが口を開いた。

「どうやって確かめたんだ?」
「ゾーエの塔で回収した資料を調べて分かった事がある。朱キ斧が使っていた例の術は森羅宮の技術で増殖させたテラスファルマにしか効かないのだ。」
「え・・・そうだったのか!?」

ミュラが驚く。そこにゼフォンが言った。

「連中、テラスファルマをただ増やしてたんじゃなく何か手を加えてたみたいだね。」
「あんなバケモノを弄り回してただと!?イカれてやがるぜ!」

ジャグワンもびっくりして口を開いた。レギウスが言う。

「では、その違いを利用して検証したのですね?」
「そうだ。」
「6回だよ、6回!6回も結界を開いたんだから!」

静かに答えたザヴィドに対し、またゼフォンが憤って叫ぶ。

6回も・・・開いた・・・
何かその表現に思いでも馳せているのか少し女性達がニヤリとしているのを不思議に思いつつ、団長がコテン、と首をかしげて聞いた。

「6回って?」
「100年前と200年前で3体ずつ外のテラスファルマを中に入れて試した。」

さらりと言ったザヴィドに、周りは驚く。

「案ずるな。始末はちゃんとつけて来た。」
「始末って・・・お前なあ。」
「問題は結果だ。100年前のテラスファルマは3体とも朱キ斧の術が効いた。」

呆れたように言うデューカスに、ザヴィドは腕を組み、表情を変えず答えた。
ミュラが口を開く。

「やっぱり・・・100年前のはもう全部森羅宮がバラまいたヤツってことか。」
「そうなる。そして200年前だが・・・2体は効かなかった。しかし、1体だけ効果があった。」
「じゃあ・・・200年前にも!」

団長がハッとして言った。
ブートゥルーガも口を開く。

「わざわざこの時代から100年前、200年前に送り込んでおるのか!?」
「いえ、それでは手間がかかりすぎます。過去の時代の施設で増殖させその時代に放出しているのでしょう。」

レギウスがそう言うと、ゼフォンも肯定し、そしてニッコリと言った。

「だろうね。いやあ、ボクも本気で驚いたよ。こんな事までするとは思わなかった。」
「ほんとに知らなかったのか?」

ミュラが疑わしげにゼフォンに聞く。

「出かける前にもそう言ったじゃない。気になるって。信用ないなあ。知ってたらこんな無愛想なお兄さんに付き合ったりしないよ。団長ならまだしも。」
「俺も必要でなければ貴様のような得体のしれん小僧など願い下げだったのだが。こいつならまだしも。」
「ま、まあまあ・・・。えっと、ありがとう、ザヴィド。ゼフォンも。おかげでハッキリしたよ。森羅宮は何が何でも僕たちを結界の中に閉じ込め続ける気だってことがね。」
「・・・い、いや。・・・これで結論は出たのだ。最早考える事はないだろう?」

少し赤くなったザヴィドが言った後で、レギウスも言う。

「ゾーエの塔の一件以降、森羅宮は孤立しつつあります。フェアピークもバヤン・オアシスもアイオニアへの不信を隠していませんし、身内の第2枝団までが離反しました。今なら、トルギアの浮城さえ叩けば聖都タクシスにも手が届くでしょう。」

その後、団長がアストリッドにもこの事を伝えに行く、というとジャグワンが、彼女も森羅宮の者じゃ、と言った。

「それは大丈夫だと思うよ。彼女も宿星だからね。」

ゼフォンがニッコリと言った。レギウスが聞く。

「その意味を尋ねても答えてはくれないのでしょうね。」
「まあねーーーー。」

ゼフォンは語尾にハートでもつきそうな勢いでニッコリと言った。

「こいつは・・・」

ミュラが心底呆れた顔をゼフォンに向けた。

「とにかく、僕は行ってくるよ。」
「そうそう、あんまり重要なことじゃないけど、200年前に行った時、妙な気配を感じたよ。」

ゼフォンが団長にニッコリと言う。
作品名:SSやオフ再録 作家名:かなみ