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ヒオウ・ヒナタ~~溺愛魔王と俺様~~

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吐露



ヒナタは目をパチクリとした。

「え、あれ?今、何て・・・?」
「あのね、好きです。僕と付き合って下さい。」
「え?あの、あれ?え?」

流れの展開についていけず、口をパクパクしながらヒナタは動揺していた。
そんなヒナタをニッコリと見つめながら、ヒオウは肩にあったヒナタの手を下ろしてから手に取り、だめ?と首を傾げた。

「え、あの、だ、だめ?って・・・え・・・?ええっ?ヒ、ヒオウ、ほ、本気・・・?いつもの冗談とかじゃなくて・・・?」
「本気、だよ?」
「え、だって、僕ら男同士だし・・・」
「うん。でも好きなんだ。ヒナタは・・・?ヒナタは僕の事、嫌い?」
「えっ、き、嫌いな訳ないだろっ!?だってヒオウは僕の大切な・・・」

そこまで言うと、ヒナタはボッと顔に火がついたように赤くなった。
ヒオウは相変わらずニッコリしたままヒナタを見ている。

「だって・・・僕は・・・ヒオウがあの言葉をくれたときから僕は・・・ヒオウは1番大切で・・・。でも、でも男同士なんだよ!?」
「そんなの関係ない。僕はヒナタが好きなのだから。ねえ、ヒナタ。だめ?それとも僕は君にキスをしてもいいのかな?」
「ええっ?あの、その・・・えっと・・・急に、ほんとどうしちゃったんだよ?だって、あの・・・だ、だめとかじゃなくって・・・っんっ」

言いかけたヒナタは続けられなかった。
ヒオウの唇が自分のそれに被さった。

口づけはとても優しかった。

1度実験と言ってした事があった。
その時も優しく感じられたが、どこか感情の篭っていないような感じもしていた。
だが今回のキスは本当に優しく、暖かかった。

ヒナタの体から力が抜ける。ヒオウはそんなヒナタを支えるように抱きしめキスを続けた。

「・・・ちょっと・・・人の塔で何してんのさ・・・?」

ルックの呆れたような声に、ヒナタはビクゥッとし、慌ててヒオウを引き離した。
入り口を見れば、呆れたような半目のルックがドアを開けて立っていた。

ギャッと小さく叫んでヒナタはこれ以上ないくらい真っ赤な顔でさっとソファの後ろに隠れた。

「・・・ルック・・・?ノックくらいすれば・・・?お前こそ何人の恋路を邪魔してるのかな。」

ヒオウは慌てることもなく淡々と、というかむしろ静かに怒りを出しつつルックをちらりと見た。

「恋路、ねえ。ノックはしたよ?あんた達がいちゃいちゃするのに夢中になってて聞こえなかったんじゃないの?」

またソファーの後ろで小さくギャッという叫びが聞こえた。

「・・・まったく・・・。で?ヒオウ?・・・あんたもようやく向き合えたって訳?」
「まあね。・・・ルック、お見通しって訳?可愛げないと思うよ。」
「・・・あんたに可愛いとか言われるほうが嫌だね。・・・それはさておき、とりあえずお礼を言いにきた。ヒオウ、君にも感謝してるよ。それと、ヒナタ?出ておいでよ。」

少し間があり、ソファーの裏からまだ赤い顔をしているヒナタがそろりと出てきた。

「ヒナタ、ほんとにありがとう。僕は君に命を貰ったようなものだからね・・・。」
「そ、そんな・・・ルックらしくない事言うなよ。それに僕がルックに生きていて欲しいって思っただけだし・・・。」
「・・・とりあえず僕はこの塔に引き篭もるよ。レックナート様の変わらず弟子として・・・。お許しも貰ったし・・・。世間では僕は多分死んだ事になっているんだろうしね・・・。ここであの未来を覆せるように紋章の研究をしようと思っている。それがせめて僕に出来る償いだ・・・。色々な人や、そして・・・セラに対する・・・」
「ルック・・・。」
「そういう事だから。とりあえずもうお礼は言ったからね。今日はここに泊まっていくんだろ?僕が久しぶりに食事を作るから。じゃあね。」

言いたい事だけ言ってしまうと、ルックは部屋を出て行ってしまった。

「相変わらず素直じゃないなー。」
「まあ、ルックだからね?」

そう言って2人で顔を合わせてニッコリとしあった。
その後、笑顔のままヒオウがヒナタの腕をつかんだ。

「夕食までまだ時間あるからね、とりあえず、座ろうか?ヒナタ?」

そうして有無を言わせずソファーに座らせ自分も向かいに1人掛け用の椅子を持ってきて座った。

ヒナタはもじもじしだした。

「あ、あの・・・ヒオウ・・・?」
「何?」
「きゅ、急にほんとどうしたんだよ・・・?頭、打った・・・?」

ヒナタはおずおずと聞いた。
ヒオウはふっと笑う。

「失礼だね?勿論頭は打ってないし、いたって正常だけどね。」
「だって・・・」
「ねえヒナタ。僕はね、君に初めて会った時からとてもヒナタの事が大好きだったんだよ?これは本当。とても大切で大事な存在だったんだ。」
「・・・・・。」
「でもね、僕には呪いの紋章といわれているソウルイーターがあった。勿論普段はちっともそんな事気にもしてないんだけどね?・・・でも・・・君を・・・君だけはどうしても失いたくなかったから・・・万が一の可能性でも怖かった。そんな事あるはずないと思いながらももしコレがヒナタを、と思ったら怖くて仕方がなかった。」
「ヒオウ・・・」
「だからね、僕は君を宝物として扱う事にした。・・・ごめんね・・・?本当なら大切だと思うなら側を離れるべきなんだろうけど、僕には出来なかった。今までどんな事もどんなモノもどうでもいいと思えたのに、君だけはどうしても諦められなかった。側にいたかった。だから君をモノとして見ることにした。本当に勝手な最低な話だと思うよ・・・。」
「・・・知ってた・・・。」
「え?」
「知ってたよ。ヒオウが僕をモノとして見ているの。」
「・・・そう。」
「勿論今話してくれた理由までは知らなかったけど・・・。ヒオウが僕をとても大切にしてくれているのは知ってた。大事な宝物のように扱ってくれていると。僕はヒオウの所有物として見られていると・・・。」

ヒオウがヒナタを見ると、とても切なそうな顔をしていた。

「知ってたけど・・・でも、それでもヒオウは僕の大切な人だから・・・モノだとしても良かった。ううん、ほんとは良くはないんだけど・・・それでも僕は共に行こうと言ってくれたヒオウと一緒に・・・って・・・。」

ヒナタはどこか痛むような表情をして打ち明けた。

「ただ、大切なモノだとしても、いつか飽きて捨てられる事があるかもしれない、もういらないってゴミ箱に捨てるように・・・そう思うと怖かった。だから何も言えなかった・・・。なんにでも関心を持たないヒオウに、例えモノだとしても必要とされているのは嬉しいけど、いつかはいらないって・・・」
「そんな事っ。僕は、僕は確かに何に対してもどうでもいいって思うけど、ヒナタだけは、君だけは本当に必要だったんだ。共にと囁いて・・・ああいう結果を招く羽目になったとしても、紋章を恐れてモノのように扱う羽目になったとしても、どんな事をしてもヒナタだけは必要だったんだ。執着してるよ?そしてこれは永遠に変わることはない。君は僕のかけがえのない人だから。」

ヒオウはかけがえのないモノ、ではなく、かけがえのない人、と言った。

「・・・人・・・?」