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りりなの midnight Circus

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第二十話 白と黒の行く末


 それからしばらくの間、彼らは戦闘訓練をして過ごした。
 巡洋艦アークソルジャーに搭載された訓練設備は、その規模こそ小さいものだったが、時空管理局が採用しているどのシミュレーターと比べても全く遜色のないように感じられた。
 狭い艦内といっても、その規模は二〇〇メートルを超える巨体であったが、そこにあるものを考えればその区画ごとの広さは確かに広いものではなかった。
 それならば、どうやって戦闘訓練を行うのか。それを疑問に思っていたエルンストは、それを初めて使用した時にはさすがに驚いた。
「まさか、体の感覚すべてをバーチャルに転送するなど、無茶だと思ったが、あれはあれで結構いいかもな」
 今日もまた戦闘訓練を終えた朱鷺守はその卵形のシミュレーターに寄っかかりそう声をついた。
 確かに、ミッドチルダの巡洋警備艦においても、魔導師の通常訓練を行うための施設は設けられていた。しかし、それは多少広い空間を防御魔術で囲っただけのものであり、やはりその広さには限界があった。
 しかし、バーチャル空間であるならその限度は無い。
 先程も彼らは、20km四方に渡る広大な廃墟のビル群の中で広域戦闘の訓練を行っていたのだ。
 確かに、ミッドチルダとミッド・クラスターの違いからデバイスの仮想復元には多少問題はあったにせよ、集団戦闘やフォーメーションの確認とその練成には十分な機能を有していた。
 朱鷺守を筆頭に、その訓練に参加していた面々は先程の戦闘を振り返り様々な話し合いを続けている。
「やっぱりね、中衛のレイリアに負担が行き過ぎていると思うんだ。エリオンはいま、アリシアのバックアップに回ってもらってるけど、エリオンも中衛(ガード)に回してレイリアと二人の体勢にした方が良いと思う」
 多用途空戦士(マルチロール・ファイター)として、特定の陣に所属せず、戦場を動き回るなのはは、全体を見通してそう感じていたらしい。
「ですが、それでは前衛へのサポートが少し緩くなりますし、後方支援のエルンストの負担も大きくなると思いますよ。レイリアのサポートと同時にエリオンのサポートもしなくてはならないですからね」
 それに反して、レイリアはあくまでエリオンの前衛支援(フロント・アシスト)の位置にこだわっているようだ。
作品名:りりなの midnight Circus 作家名:柳沢紀雪