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ティル・ナギ

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ハロウィン



もうすぐハロウィンだねー。」

ナギがニッコリして言った。

レストランで5人、遅めの昼ご飯の後ゆっくりお茶を飲んでいた時だった。
ルックがため息をついて言った。

「君さあ、そんなコトしてる場合・・・?」
「えー?イーじゃん。戦時中だからこそ、イベントは必要以上に大切なんだよ!?これで皆楽しんで士気をあげんだから。ああ、大丈夫。向こうだって攻めてこないよー?だってルカがいない今、トップはジョウイじゃん?絶対向こうでもハロウィンやるから。」
「なんだよ、スゲー自信だな。ジョウイって・・・お前の親友、だっけか?そいつもイベント好きなのか?」

テッドが聞いた。

「うん。大好きだよ。昔はさー、よく色々やったっけなー。あー懐かしーなー。」
「そっ、か・・・。・・・そんな親友と戦うなんて、辛・・・」

しんみりとテッドが言いかけた時、ナギが続けた。

「でもジョウイはナナミを泣かせたからね。今回のコトで。絶対、間違いなく、俺が、あいつに、落とし前、つける。」

力強く言ってのけたナギを見ながら、皆(カイトはやっぱりまんじゅうを食べつつ首をかしげているが)は青い顔になった。
絶対、何があってもナナミは大切にしよう。そう心に留めた。

「でさ、シュウからはすでにイベント許可もらってっからな、盛大にしないとねー。・・・カイトさんってこーゆーの、参加してくれるかなー?」

ナギはそう言ってまんじゅうを堪能しているカイトを見た。テッドが言った。

「大丈夫、こいつもイベントは好きだったぞ。」

へえ、何というか・・・、らしいというか、意外というか・・・と皆はカイトを見た。
カイトは“ん?”という表情をしていた。


当日は朝から全体がお祭りムードだった。
子供だけではなく大人までもが皆それぞれ仮装し、楽しんでいる。

辺りではいたる所でカボチャランタンやかわいらしいお化けなどが飾り付けられている。
2階の大広間では、夜に開催されるパーティに向けて着々と準備が進められていた。ナギも率先してその準備の手伝いをしていた。

「ナギ様。準備は私達でやりますから。どうぞ楽しんでらして下さいな。」

お皿を運んでいた女性達が言った。

「えー?だってほら、1人でも多くでやれば、そんだけ早く終わんじゃん。俺力持ちだしさ、まかせてよ。あ、テーブルは並べ終えたよ?ね、早く終えて皆も楽しまないとー。」
「ふふ、私達はこういう準備がまた楽しいんですよ?後は大した力仕事もないですし、大丈夫です。ありがとうございました。」
「そうなの?えへ、じゃー俺も着替えてくるよ。んじゃね、ごめんねー、後よろしくー。」

ニッコリ笑ってナギは去っていった。

「ほんとやさしくて可愛らしいわよねえ。」
「ねえ。口調はいたずらっ子なんだけど、そこがまた、子供みたいでー。」

城で働く女性達にもナギは人気者だった。


一方石板前では。

「トリック オア トリートー」

無言で飴を差し出すルック。

「えー。ルックでもお菓子持ってるんだ?チッ」
「・・・何その舌打ち。」
「いやー、いたずらのが楽しいかなって?」

にゃはーっと吸血鬼が笑う。

同じ吸血鬼でもネクロードと違って、とても品位があり見目がいい為、見惚れる者が後をたたないだろう。
現に石板に来るまでに、何人もの女性がポーッとなって見つめていたが、当の本人にとってはどうでもいい事のようで眼中にもない様子だった。

「・・・ティル・・・ほんとあんたは・・・。あれ、そういやどこで着替えてきたのさ。」
「えー?テッドんとこ。面倒だから昨日はテッドんとこ泊まってたんだよね。」
「それを口実にナギんとこ泊まらないところが、まったくヘタレなあんたらしいね。」
「っしまった。そういう手があったんだーっ。あー僕のバカーっ。」
「・・・。」
「ああ、そういやナギ知らない?さっき部屋行ったら誰もいなかったんだよねー?」
「2階でパーティの準備手伝ってたみたいだけど・・・、多分今頃部屋に戻って着替えてんじゃない?」
「そっかー。で、ルックん?お前までイベントにのるなんてね?何その格好。お前の趣味?」

ニヤッと笑ってティルはルックを見ながら言った。
ルックは赤くなってそっぽを向いた。

「うるさいな。ナギが昨日持ってきたんだよ。着なきゃ口利かないとかなんとか言いながら・・・」
「へえ、で、素直に言う事きいた訳。お前もあの子に弱いね?魔女っ子ルックん。」
「そんな風に呼ぶな。・・・これはナナミが準備したらしくて・・・。・・・仕方ないだろ・・・。」
「ふふ、それで大人しくそんなカワイイ格好してる訳。大丈夫。凄く似合ってるよ?」
「切り裂「静かなる湖」」

ルックはティルを睨んだ。

「まあまあ。でもだったらナギの衣装もナナミちゃんが用意したのかな?」
「そうらしいよ。自分の分は今日にならなきゃ分からないんだって昨日ナギ言ってた。」
「お、ここにいたんだ。」

その時狼男のテッドが近づいてきた。

「ティル、ナギんとこ行ったんじゃなかったか?」
「行き違ったみたい。そーゆーテッドは?カイト、いないの?」
「うん、ナギんとこだろ。さっきナナミに会ってさ、なんでか知んないけどカイトの衣装、ナナミ達が用意する事になってたらしいから。」
「「・・・・・。」」

なんやかんやいっても女の子でもいけそうな美少年、ルック。
もういっそ、女の子でいんじゃね?のあの2人。
ナギの仲良しといえども、ティルとテッドは省かれている。
女装はあまり似合わなそうなテッドに、やれば綺麗だろうが、ナナミの認めているナギの恋人のティル。
この2人の除外とルックの衣装。という事はあの2人も・・・。

「どうする?部屋まで迎えにいくかい?」

ため息をついてルックが言った。

「どーしたんだ?」

まだよく分かっていないテッドが聞いた。ティルが答える。

「うん、多分っていうか、まあ100%だろうけど女装させられてるだろうからね?運悪けりゃバカ共の餌食だろうしさ。迎えに行こうか。」

エレベータに向かおうとしたら、中が開き誰かが出てきた。

「・・・わお・・・。」

そこから出てきたのは猫耳メイドさんとバニーガールもどきのうさぎさんだった。

虚ろな目のナギには猫耳と尻尾がついており、ミニのメイド服を着て立っていた。
相変わらず無表情かと思いきや、なんだか少し楽しそうなカイトは白いうさぎの耳と尻尾だが、さすがにレオタードは無理だと判断されたのか、下が短パン風の白いモコモコしたつなぎだった。

とりあえず2人とも似合いすぎだった。

「ここまで誰にも会わなかったのかい・・・?」

ルックが聞いた。
ティルとテッドはポカンと口を開けて立っている。
そしてここはホールの為、すでに色んな者達が2人を見ていた。

「・・・うん・・・。てゆーかコレ、ハロウィン?魔法もお化けも、関係なくね・・・?」

すでに諦めモードに入りつつもまだ少し足掻いてナギが呟いた。
しかしこのナギが大人しくこんな衣装を素直に着ているところにナナミパワーが感じられる。
横ではカイトが無言で首を傾げ、自分のうさぎの手を見ている。
作品名:ティル・ナギ 作家名:かなみ