リオ・ナユ
性格
「今度はファレナ女王国の重要人物ですか・・・いったいあなたは・・・何か特別な餌でもまいてんですか!?」
頭を抱えたシュウがナユに言った。
「まさかそんな人だとは思わなかったしっ。それに僕がどう反応しようがアレ絶対彼はついてきたと思う。そして何気に誰に対しても失礼な事いってますよね!?」
「ふう・・・まあ、いいです、あちらには書簡を送っておきますから・・・。今回の事はほんとにお疲れさまでした。とりあえず今日はゆっくり休んで下さい。」
「なんですか、その諦めたような言い方は・・・。」
「いえ。ああ。そういえば言っておきましょうね、約10年前のファレナの事。」
城に戻ると、やはり会議が待っていた。
ティントの協力、そしてミューズのジェスが率いていた兵も含めるとかなりの軍となった同盟軍。
初めてこちらから撃って出る事が出来るとのことである。シュウ曰く、王国軍はミューズに兵を集めている様子で、今ならばグリンヒルを解放するチャンスとのこと。
テレーズはもちろんの事、だれもがそれに対して意気込んだ。
とりあえず今はミューズなどに放った諜報からの情報を集めているところなので一旦は小休止といったところか。
その会議の後でシュウに呼ばれて行ってみれば、冒頭のような会話になった。
どうやらあまりにも目立ちすぎるくらいの銀髪(とキラッキラ)に、シュウはすぐに気づいたらしい。
その後皆がいるであろう例の石板前に行ってみると、やはりそこになぜか皆は集合していた。
「皆さんやっぱこちらですか。ああ、ていうかルック、久しぶりですね。せっかく城に残したというのに役立たず・・・」
最後はぼそっと呟きながら、ナユは近づいた。
「聞こえてるよ・・・。ていうかほんとなんでここに最終的に集まるんだ!!しかも新しいのが増えてるしっ。」
「え?僕のこと?僕は先ほども名乗ったように、リシュタート・ファレナスだよ。リシュと・・・ああ、面倒だったら王子様とでも呼ぶといいよ。」
「呼ぶかっ。」
今のはルック、テッドの綺麗なユニゾンだった。
「もういい歳だろうに王子って、なかなか恥ずかしい奴だよね?」
「いっそ国に帰るといい。」
リオ、カイリはニッコリと満面の笑みでそう言った。
「もう皆さんご存じだったんですか、そのアレなリシュの素性。あ、ルックの、最終的に集まるって言う意味が分からないのと、ああ、そのいい歳、ですが。」
「え。なに、そのアレって。しかもつっこみなく受け入れるの?その言葉。さみしいなぁ。」
ナユがサラッと言った言葉にリシュタートが大きな振りつきで言う。
なんか、ウザい、とここにいる誰もが思ったかもしれない。
「・・・歳ですが。リシュ、あなた今、いくつなんです?」
とりあえず続けてナユは聞いた。
「僕?26だけど?」
「紋章は・・・どうなってるんですか?」
「ああ、もちろん太陽の紋章なんて宿してないよー心配しなくても。若く見えることだよね?あれかな、黎明と黄昏の紋章2個も持ってると不老とまではいかないのかどうなのか知らないけど、あまり成長しなくなるのかもね。」
一瞬寂しげに見えたのは気のせいなのか、またもや輝くばかりの笑顔でリシュタートは言った。
「そう、ですか。・・・あのぉ。」
「何?」
「・・・その紋章は太陽の紋章を守ってなくて大丈夫なんですか・・・?」
よっぽどシュウに太陽の紋章について言われたらしい・・・周りはナユの様子になんとなくそう思った。
「ああーこれね。うん、まあ今のとこ大丈夫みたいだよ?ていうか太陽の紋章は厳重に保管されてるから。誰かがあれを宿さない限りは暴走はないよ。これが傍になくても。」
「そうですか。」
ここでようやくナユはホッとしたようであった。
「ああ、なんかほんと可愛いね!!」
そんなナユの様子を見てギュッと抱きつくリシュタート。即座に飛んできたナイフをすっとよけた。