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リオ・ナユ

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心境



「ねえ。」
「なんですか?」
「遠征から戻ってきてから、ちょっと君、変わったんじゃない?」
「?どういう風にです?」
「おもにリオに対して。」

ナユは食べかけていた肉まんを喉につまらせ、むせた。

「・・・大丈夫?」
「ケホッ、は、はぁ、大丈夫です。何言うんですか?」

テラスでルックと2人、お茶をしていた。
ルックがふいにじっと見てくるから何かと思えば。

「僕は見たままを言っただけだけど?違う訳?」

するとナユは顔を赤らめて目をそらした。少し俯いて耳をピコピコと動かしてから言った。

「違う・・・く、ない、か、な・・・?」

まさかすぐに肯定してくるとは思ってもみなかったため、今度はルックがお茶を喉につまらせた。

「ゲホ。き、器官に入ったっ。」
「大丈夫ですか?もう。なんです、むせるくらいなら聞かないで下さいよ。」
「まさか君がそんなに素直に認めるとは思ってもなかったからね。そう。認めるんだ。」
「・・・。なんで分かったんです?僕、そんなあからさまでしたか?」
「いや・・・。ところどころで、かな。たとえばさ、リオがソウルイーターの技を使ってきたときだって、今までだったら青筋たてる勢いだっただろ?それがなんていうか、大したことじゃないみたいな反応してるし。」
「そこ!?あーうん・・・。なんていうか・・・ちょ、ルック。誰にも言わないで下さいよ!?」
「分かってるよ。」
「例えば、あの人はもしソウルイータで僕らを誤ってしとめたとしても、地獄の底まで来てでも救ってくれるだろうと分かったからです。」

ナユはそれはそれは真っ赤にして、耳をピコピコと動かしながら俯き加減で言った。

「は・・・?・・・いったいティントで何が・・・?」
「べっ、別になんもないですよ!!・・・ただ・・・。」

ワタワタと慌てた様子をみせたあと、ふ、とナユは優しい顔になって静かに言った。

「ただ、あの人は・・・リオは分かりにくいですが、とても優しい人だと・・・も、もちろん基本的には殺戮魔の変態ですがっ!!」

途中でハッとして、また慌てたように付け加える。
ほんとうに一見何を考えているか、まったくもって分かりにくいが。
だがリオはずっと僕を守ってくれていた。
リオが僕を実際のところどう思ってるか、とか、うん、もう、いい。
あの彼だ。もし僕の事、興味本位だけだとしたら、きっとここまで守ってくれてない。
あんなに優しく、背中をぽんぽんと叩いてくれるはずが、ない。
あの人の事だ。多分、今後も自分の事を、好きだ、といった形では何も言ってくれないだろうと思う。
(自分のものだ、とは言っていたが)
でも、大丈夫だ。あの時。一緒に添い寝してくれて、優しく背中を叩いてくれた時に、ナユはリオに対する心のつっかえがとれた。
多分、それがどこかで出ていたんだろう。

「・・・物思いにふけるのはいいけど・・・そんなのは一人の時にやってくれない?」

ルックが呆れたように言ってきた。

「え?あ、す、すみませっ、てか、ルック。」
「何?」
「そんな事はどうでもいいんですよ。それより、これです。」
作品名:リオ・ナユ 作家名:かなみ