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a hose and a queen

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淀みの中の得体の知れぬ何か。

 

「格下は相手にしないんだったよな?俺は?」
 獄寺から預かったリボーン宛の書類を届けに来た山本が言ったのに、リボーンはあからさまに不審な顔をして読んでいた新聞から顔を上げ、だが彼がいつもと変わらず笑っているのを見るとすぐ読みかけの記事へ目をやった。
「変なことを聞くな。どうした」 
「ちょっと気になっただけなのな。なぁ、この書類どこに置く?」
「キャビネットのレタートレイに」
 言われた通りに窓の傍のキャビネットの、色別に並んだレタートレイに書類を置こうとすると赤だ、と後ろから声がかかった。トレイはどうやら、仕事の内容別に分かれているらしく言われたトレイには未開封の封筒や手をつけた様子のない書類が上がっていた。
 おそらくこれから選別をするつもりなのだろう。山本はその上に、持ってきた書類を置きリボーンを振り返った。
「……もし俺が、昔のランボみたいに殺しにきたって言ったら――相手、してくれんのか?」
 言いながら、後ろへ手を回した。空気の流れ一つも変えぬほど、そっと腰ベルトに挟んだベレッタを握りこんだ。リボーンは気付いていないのか、相変わらずこちらに背を向けたまま新聞を読んでいる。
 少し間があって、バサ、と新聞が捲られた。
「山本」
 と声がかかり、山本は肩を震わせて銃から手を離した。刹那、リボーンの座っている位置から黒いものが飛んできて山本の額を打った。不意をつかれ、う、と小さく呻いて後ろに一歩下がってしまったその瞬間、喉元でガシャリと嫌な音がした。硬く、冷たい感触。銃口。二人の足元に、リボーンが山本の額へ向けて投げたボルサリーノが音も無く着地した。
「何がしたい?構って欲しいならもう少し方法を選べ」
 銃口に仰のかされたまま、山本は視線だけを下ろした。リボーンの、自分を見上げてくる無表情な目と重なった。
「…どうなんだよ」
「質問の答えならもう出てんだろ、当分無理だな」
 言うと、銃口を下ろし床に敷き詰めた絨毯に向かって引鉄を引いた。

作品名:a hose and a queen 作家名:gen