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テクニシャンな彼

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後編












「───いらっしゃ〜い、少佐…ありがと〜」
ふにゃりと蕩けた声で、エドワードが軽く右手を挙げる。
応接用のソファに浅く腰掛けて両腕を広げ、テーブルに突っ伏した、奇妙な体勢で。
「ありがとうございます、ホークアイ少佐」
アルフォンスは上着と靴を脱いでソファの上で膝立ちし、突っ伏した兄に背後から覆い被さった状態で、にこやかに礼を言う。
「いいのよ、これくらい。この間、私がやってもらった分のお礼として、納めていただけるかしら」
「少佐の淹れてくださるお茶でしたら、おつりが出るくらいですよ」
「あら、光栄だわ。でもあなた、プロの人より上手だから…おつりは出ないと思うわよ?」
「少佐もそう思うよなあ、コイツ全然解ってねぇんだよ」
「やだなぁ、兄さんまで。そんなに持ち上げなくてもいいじゃない」
照れたように笑う彼の両手は、テーブルの上に広げられた兄の腕をゆっくり這っている。
…いや、揉んでいた。




「あれぇ、ブレダ大尉にハボック大尉じゃん。…少将まで。何やってんの?」
ガラスの天板が置かれたテーブルに頬を押しつけたまま、間延びしたままの声でエドワードが問う。
「ア、アルフォンス…いったい何を」
「何って…見て解りません?マッサージですよ」
きょとんとしたアルフォンスの言葉に、下世話な大人はぽかんと口を開けた。
「マッサージ……」
「はい。兄さんってば、肩凝っててもなかなか言ってこないから、背中から腕までガチガチになっちゃってて」
つまり先程までのエドワードの声は、アルフォンスの指が凝りのツボに入ったが故に上がったものだったのだ。



作品名:テクニシャンな彼 作家名:新澤やひろ