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二次創作オールジャンルの短い話のまとめ。(永遠に執筆中)

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戦国無双(新しく追加しました)



『テスト前のようです。』(両兵衛/学ぱろ)]
半兵衛→テスト頑張らない学生さん
官兵衛→担任のせんせ



「ねぇねぇ、これってやる意味あるの?」
 プリントをひらひらとさせて遊び、最後には紙飛行機を折ってこちらへと飛ばしてきた。ぐしゃ、と先端を押しつぶすように捕まえれば、彼はあぁあと溜息を吐く。
「ちょっとー。俺、頑張って折ったんだけど!」
「宿題のプリントで遊ぶ卿が悪い」
 申し訳程度に皺を伸ばしてから渡せば、躊躇いもなく彼は半分に破り捨てた。
「なにをしている」「手が滑った」
 手が滑るだけで、そこまでなるものか。そう諫めれば、半兵衛は悪びれる事もなく笑い、破いたプリントを鞄から取り出したビニール袋へと押し込んだ。中身がちゃんと見えた訳ではないが、進路面談があるのを父兄へ伝えるものや、小論文の書き方を示した重要資料もあったようだ。提出しなければならない資料が手元へ来ないのはその所為なのか、と呆れた。
「テストを受ける気はないのか? ……それとも受験をする気がないのか?」
「ちゃんと受験はするつもりだし、赤点だって取るつもりはないよ。だけどさぁ、こんなテストの為だけに勉強するなんて馬鹿みたいじゃん」
 楽したい、と呟いたかと思えば、鞄からお菓子を取り出して食べ始めた。安っぽいスナック菓子の匂いが教室へ広がる。せんせも食べる? と差し出されたが手で制した。教室では、昼食以外は食べてはいけない、という校則がある筈なのだが気にしていないのだろうか。
「ならば安心した。しかし、真面目に受けて貰わなければ私が怒られるのだが」
 お菓子を啄むのを唐突にやめた彼に、そうなの、と問われたものだから、そうだと答えてやった。そうすれば、取り出した菓子をいそいそと鞄に収納して、べたべたと汚れた指を丹念に舐め始めた。
「それは困るなぁ。俺の責任だけじゃなくて、せんせの責任になるのなら」
 彼はふぁと欠伸を零して、大きく背中を伸ばせば、シャーペンへと手を伸ばしていた。私が積んだプリントの一番上を吟味し、肘を付きながらもさらさらと解き始める。何を言っても勉強をしたがらなかったのに、なんとも進歩したことである。
「そう言って貰えるとありがたい。……ところで、さきほど大学へ進学するといったが、どこか決めているのか?」
「学校の先生になろうかな、って」
「授業放棄するのが目に見えてるな」
 えー酷いなぁと、さして傷付いた風もなく言った彼
は、やっと持ってくれたペンを手放して話を続けた。
「せんせと同じ職場で働いて、せんせを寿退社させたいからさ」
「……は?」
「俺とせんせが結婚して、せんせがお嫁さんで寿退社するんだよ」
 あれ、学校の先生も寿退社するんだよね? と無邪気に言われた気もしなくはないが、肯定も否定もする前に硬直する羽目となった。
「…………笑えない冗談はやめろ」
「やだなぁ、本当に決まってるじゃない」
 浮かべられた笑みは、相も変わらず薄っぺらい。