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そーゆートコ

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おまけ


夜。
銀時は部屋でひとり、畳にあぐらをかき、酒をちびちび呑んでいた。
「……今夜も来ていたのか」
廊下のほうから声がした。
この家の借り主の桂だ。
そちらを見る。
昨夜と同じく家政婦の格好をしている。
ただし、三角巾はなくて、長い黒髪はおろされていた。
「おう」
銀時は酔いのまじった声で返事をする。
「テレビでおもしれーもん放送してたから、それ見ながら、酒、のんでた」
「そうか」
桂が居間へと入ってくる。
昨夜と同じところへ腰をおろした。
それが終わるのを待って、銀時は言う。
「大江戸ヒルズが武装グループに占拠されて、ヒルズを貸し切ってパーティーを開いてた幕府重鎮のお坊ちゃんお嬢ちゃんが人質にされたってなァ」
「ああ」
「昨夜、テメーが言ってた娘の誕生会ってのが、そのパーティーなんだろ」
「ああ」
「それで、結局、松平のおっさんがひとりで大江戸ヒルズに乗りこんで、武装グループを全滅させたらしーな」
「ああ」
「ホントに、松平のおっさんひとりだったのか?」
「……俺は大江戸ヒルズの中には入っていない」
「だが、外から助けたんじゃねーか?」
そう問いかけ、ニヤと笑う。
桂は堅い表情をして黙っている。
答えないのは、都合が悪いからだろう。
つまり、銀時の言ったとおりだということ。
やっぱりな、と思う。
攘夷党の党首が警察庁長官を助けるなんて、ありえないことのはずだ。
しかし、桂はそれをやってしまったのだ。
放っておけなかった。
正義は武装グループではなく警察庁長官にあると判断した。
理由はそんなところだろう。
けれども、どんな理由にせよ、やはりおかしい。
失脚させようと思っていたはずなのに。
「まったく、ホントに、オメーはよォ」
「ニヤニヤ笑うな、だらしない」
そーゆートコ。
すげー好きなんですけど。
なんて思いながら、銀時は猪口に少し残っていた酒を飲み干した。
作品名:そーゆートコ 作家名:hujio