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Confetti candy Love(英米)

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Confetti candy Love side England


俺は今、弟であったアメリカと付き合っている。
まさかこんなことになるとは200年前の俺は想像もしていなかった。
今でも夢なんじゃないかって思うことがある。
本当は俺は事故にあっていて、意識不明でその最中に見ている夢なのではないかと
疑ってしまう。
俺はアメリカを愛している。
それはあいつがわかっているよりも重い愛で、自由を愛するあいつにとっては
重荷なのだと思う。
実際、それが原因であいつは俺から離れていったしな。
ああ。忘れることはない。あいつが独立した当時のことを忘れることはない。

俺はあいつを撃てなかった。
あいつも俺を撃てなかった。
どうしてアメリカが俺を撃たなかったのか、今でもわからない。
弟に負けるほど落ちぶれた俺を可哀想に思ったから撃たなかったのかもしれないし
ただ単に怖気づいただけなのかもしれない。
どっちにしろどうであったのかなど聞くことはできないのだから
考えるだけ無駄なんだろう。
けれど、事実として、あいつは俺に銃を向け、戦争を仕掛け、自由を勝ち取った。
それは変わることのない事実だ。
だから俺は怖くなる。
今こうして付き合っていても、明日には別れるかもしれない。
明日別れなくても明後日には別れるかもしれない。
いつ捨てられるかわからない恐怖の中、アメリカと付き合うことは
俺にとってかなり負担がかかることだった。
それでも俺はあいつと付き合い続けている。
恐怖はある。あいつと別れるときのことを考えると胸が張り裂けそうになる。
けれどそれ以上に俺はアメリカを愛している。
あいつの笑顔を見るだけで胸が暖かくなる。
兄としてではなく、恋人として甘やかして、リラックスした表情を見られると
言葉にならないほどすべてが満たされる。
身体を合わせている時なんて、この世の幸せはここにあったんだとしみじみ感じる。
それは恐怖に遙かに勝る喜びであり、幸せであった。
だけど、俺はアメリカと付き合い始めたきっかけを思いだすたびに恐怖に襲われる。
俺とアメリカが付き合い始めたきっかけ。
それはごくごくありふれた諍いがきっかけだった。

「キミって本当に料理下手だよね。俺ならこんなもの人に出せないよ」
その日、俺の家に押し掛けてきたアメリカは出されたスコーンを見て
吐き捨てるようにこう言った。
確かに少し失敗したせいで黒焦げになっていたがそこまで言われるような
出来でもなかった。
だったら食わなくていいと皿を下げた俺にさらにアメリカは「だったら最初から
出さないでくれるかい」と言い放った。
さすがにその台詞には完全に頭に血が昇って、俺はスコーンの皿を叩きつけるように
テーブルに置くとすかした表情を浮かべているアメリカに詰め寄る。
そして怒りの赴くままに手を振り上げ、無防備な頬を打った。
ばしっと乾いた音が響き渡り、叩かれたアメリカは茫然とした顔で頬を抑えた。
その表情を見て、俺は一気に怒りが覚めた。
覚めたどころか音を立てて血の気が引いていく。
―――――とんでもないことをしでかしてしまったのだと俺はようやく気付いた。
広い草原でアメリカを抱き上げたあの日から俺はアメリカに手をあげたり
蹴りを入れたり、矢を射かけたことなど一度もなかった。
そんなことをするなんて考えもしなかった。
アメリカ、ごめん。
そう言いかけた俺を恐慌に陥れるほどの出来事が襲いかかった。
アメリカは、泣いていた。
頬を抑えて、青い瞳からぼろぼろと涙を零していた。

「ア、アメリカ・・・っ」
「え?」

情けない上擦った声が出たが構わなかった。
自分が涙を流していることに気づいたアメリカが乱暴に拭おうとするのを留めて
俺はハンカチでそっと涙を抑えとる。
ハンカチは瞬く間に水分で重くなり、その重さが胸を締め付ける。
「ごめんな。痛かったよな」
許されるわけがないと知りつつも俺は謝罪を告げた。
俺もごめんとアメリカは言ったが、涙は止まらない。
あいつの負った心の傷を思うと俺まで涙ぐみそうになって、ぐっと堪えた。
止まらない涙はハンカチを拭いきれないほど濡らしても流れ続ける。
赤く潤んだ瞳は俺の中にある欲を嫌になるほど煽った。
俺はアメリカを愛している。それは家族としての愛だけではなく異性に抱くような恋心も
併せ持った愛だった。
アメリカが他の奴と仲良くしているとイライラするし、
その隠してきた愛はアメリカの涙によって溢れ出しそうになっている。
あいつがいつもみたいにびーびー泣いていたらきっと俺はいつも通りに
振る舞うことができた。
軽く息をついて、俺は決心した。
今の出来事でアメリカは俺を見限ったに違いない。
元々ない信頼が地の底にまで落ちたんだ。
もう失うものなどない。
ならば、俺は俺の思うままに振る舞ってやる。
作品名:Confetti candy Love(英米) 作家名:ぽんたろう