二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

ユキナ・リュカ ~この世界~

INDEX|19ページ/22ページ|

次のページ前のページ
 

純交遊



「あーもう、男前すぎる・・・」

ユキナは物欲しそうな顔で見ながらボソリとつぶやいた。
ルックは無視して今やっていることを続ける。

「ねーね、ルッきゅん聞いてる?」
「ルッきゅんいうな・・・」
「あ、聞いてんだ。だっからさーリュカさんがさ、カッコよすぎて俺どーしていいかなって・・・。」
「死ねばいいと思う。」

ルックはあっさりきっぱりと返答するとまた向きを変えた。

「もーいけずだよねー。」
「うるさい、消えろ、もしくは散れ。」
「散れって何さ、散れって。何気にひどいと思うけど?」
「君ね、魔法の勉強をたまにはして腕上げたいからとかほざいてたの、誰!?」

ここは訓練所だった。
向こうではリュカが幾人かを相手に武道の実地講義をしていた。

「えーだってまさかリュカさんが今の時間にここいるとか思わなかったし。てゆうか最近あんま相手してくれないし。」

ユキナはほんとうはリュカといたかったようだが、自分が鬼軍師(ユキナ曰く)から解放された後、どこにもいなかったので、じゃあたまには魔力でも鍛えようか、とルックが自分の軍隊の訓練を行う予定だというのについてきたのであった。
訓練所にはいるとリュカがいたおかげでユキナは気もそぞろになり、こうして皆の魔力訓練を見ているルックの邪魔までする始末。

「それに魔法の訓練だってのに、こんなせまい屋内で大丈夫なんかい?」
「別に魔法をぶっぱなす訳じゃないしね。今やってんのはあくまでも魔力を鍛える方法。邪魔するならマジで消えろ。」
「へーへー分かりましたよー。」

普段適当すぎるくらい適当なユキナもやる時はやる。
いきなり顔つきが変わったかと思うと、ほかの兵士がやっているように集中しだした。目を瞑り、手を前に差し出し、小さな魔方陣の輪を作りだす。
そんな様子をリュカがいるほうでは幾人かが見ていた。

「あの集中する姿がほんとにカッコイイですよね。」

一人がそう言う。
すると周りでも同意の声が聞こえた。

「ほらーみんな、こちらも集中。」

リュカの言葉に、はい、と皆はかまえの姿勢をとる。
リュカはちらり、とユキナを見てから、自分のすべきことに気持ちを戻した。

「・・・。」

ルックはそんなリュカに気づいたが何もいわず、引き続き兵士達の様子をチェックしていた。
その後魔法の訓練が終わるころに、会議をしますから、と青い騎士が言いに来た。

「えー・・・マイクー、俺リュカさんに・・・」
「あなたがいなくてどうするんですか。さあいきますよ。」

まっすぐすぎるくらいまっすぐな真面目マイクロトフがユキナの会議欠席を許す訳もなく、ユキナはしぶしぶ訓練所をあとにした。
リュカはそんなユキナの様子をまた見ていたようだが、またすぐに訓練にもどっていた。


「ねーねー、ルック、リュカさん、見なかった?」

会議が終わった後、ユキナはまっさきに訓練所をのぞきに行ったが、もちろんそんな長く訓練してるわけもなく、リュカの姿はなかった。

「知らない。」
「どこ行ったんだろなー。ビッキーに聞いても来てないって言ったから、実家にも行ってないだろし。ちぇっ、今日は厄日かよ。」
「あっ、ユキナ様だーっ。ねえねえお暇なら遊ぼーっ。」

リュカに会えない、とふてくされ気味の軍主の元に、幾人かの子供が近寄ってきた。

「んーそうだね、いいよ、遊ぼうか。」
「わーい、やったあ。」

嬉しそうな子供達を連れて、ユキナはそのまま正面から出て行った。

「・・・あれ?・・・ユキくん知らない?」

しばらくしてからタイミング悪くリュカが現れた。

「・・・外で子供らと遊んでるよ。」
「そっかあ。そろそろ会議も終わるころかなって思ってここに来てみたんだけど・・・仕方ないね、子供が相手じゃあ。」
「・・・あんたらはちょっとお互いタイミング悪すぎなんだよ。てゆうか僕を待ち合わせ先にするの、やめてくれない?」

呆れたように言ったルックに対し、リュカが顔を赤らめながら慌てて言った。

「え、いや、別に待ち合わせをしてる訳じゃないよ。」
「・・・別に慌てなくても。あんたらが付き合ってる事くらい知ってるし。」
「ええ!?な、なんで!?」
「いや、普通分かるだろ・・・。だいたいさっきも訓練所でお互い気にしすぎなんだよ。」
「え、そ、そう・・・?」
「あいつだって前は君の事、姓で呼んでたのに、いつのまにか名前で呼んでるしね。」
「あ、ああ、そいや、そうだね。でも「さん」付けだけど。呼び捨てでいいのに・・・。」
「そんな事は知ったこっちゃないよ。本人にでも言えば!?ああ、そういえばユキナが、最近君が相手してくれないってぼやいてたよ。」
「ええ?そう?そんなつもりはないけど。たまたまちょっとする事があったのかも。僕だってあまり彼としゃべってない・・・。」

しゅん、としょげるリュカに、ルックはため息をついた。

「君もたいがいだね。普段はまじめで堅いところもあるくせに。そんな姿、間違ってもユキナには見せない方がいいよ。」
「え、どんな姿かいまいち分からないけど、なんで?」
「絶対、間違いなく、襲われるよ?」

その言葉を聞いて一瞬、ん?と分からない風だったが次の瞬間には真っ赤になった。

「なに言ってるんだ!?まったく、もう・・・。僕らはそんなんじゃないよ。」
「へえ。」
「ちょっと、そのあからさまに適当な返事するのやめてくれない?ほんとに、そうだもん。ていうかユキくん、まだ17歳でしょ。そんな不純異性交遊は僕が許さないよ。」
「不純異性って・・・なんか違うだろ。だいたい異性違うし・・・。まあ僕の知ったこっちゃないけどね。とりあえず、だったらなおさら、気をつける事だね。」
「何を気をつけるって?」

ふいにユキナの声がした。

「っわあっ」
「・・・子供らと遊んでたんじゃないの?」

驚くリュカ。ルックはそっけなく聞いた。

「え?ああうん。でもそろそろおやつの時間らしいから、俺は遠慮させてもらったんだよ。んで中に入ったらリュカさんいたし。で?何を気をつけるんです?」

ユキナはルックに答えた後、リュカを見て再度聞いた。

「え、いや、その・・・」
「?」
「とっ、とりあえず!!じゅ、18歳になるまで絶対絶対不純性行為は禁止だから!!」

リュカはそう叫ぶと逃げるように走っていった。

「へ・・・?」
「・・・。」

ポカンとそれを見ていたユキナは、ルックを見た。

「ちょっと・・・いったい何の話をしてやがったんだよ?ルック、まさかふざけた事、吹き込んでないよね?何、今の話!?」

少し顔をひきつらせながら聞くユキナに、あー・・・とルックは半目になりながら少し困ったような顔をしていた。

「ちょっと、マジでなんなんだよ、こら、ルック。説明、してもらおうか!?」

怒りつつも少しショックをうけたようなユキナは顔をそらしているルックを揺さぶりながら必死になって聞いていた。