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caramel

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第一章第1話






ため息をつきながら、
あきらかに重い足取りで向かっている場所は東方司令部。
行きたくねーとぼやくと弟に叱られる。
俺は兄さんだぞなんて偉そうに言ったところで弟には敵わない。

「前回来たのは5ヶ月も前なんだよ。」

「お金止められても文句言える立場じゃないでしょ。」

「大佐のおかげで僕たち」



「…アル、分かってる。みなまで言うな。」


そう、前回訪れたときから5ヶ月は経ってる。
これだけ長く連絡を入れず、
報告書を出すこともなく放置すれば困るのはアイツだってことは分かっていた。

分かってはいたけど、分からないフリをした。



だって会いたくなかったんだ…




いや、本当は会いたい。



でも、嫌でも思い知るから。
アイツの隣に立つことは出来ないって。







「着いちゃった。」

そうこうしている間に俺たちの目の前には東方司令部。

現在俺の脳内は、
放置のことの申し訳なさと
その間に起こしたちょっとした事件と
アイツに会える喜びと苦しさと…とにかくグチャグチャだ。

こんな状況を招いたのは自分の責任だが、
やっぱり逃げたくなる。


「アル先に宿を…」

「兄さんいいかげんにしないと本気で怒るよ。」

「飯っ飯だよ!! おお俺腹減った…な…ちょっおまっ何すんだ!!?」



ガシャン


「さてと、大人しくしててね兄さんv」

「出せーーーーーーーーーーーーー!!!!!」

「駄目だよ兄さん、体のことがバレちゃう。」

「!!!!!」


くそっ…





大佐のことが好きってことをアルは知らない。
というか誰も知らない。
たぶんこれから先も誰にも言わない。

本当はこんな想い切り捨てるつもりだった。
でも、切り捨てられなかった。
切り捨てようともがけばもがくほど、何も上手くいかなかった。
だから、この気持ちと向き合うことにした。


男どうしで、
叶うことのない恋だけど…





東方司令部ではすっかり顔なじみになった兄弟は、
とくに規制もなく出入り出来る。

アルはときどきギシッと立ち止まりながらも、
なんとか司令室の扉の前にやってきた。




作品名:caramel 作家名:おこた