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ルック・湊(ルク主)

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予定



「おはよう、湊。」

湊が目覚め、ぼんやり部屋を見ると、既に起きていたらしい詩遠が湊に気づき、ニッコリと挨拶してきた。

「おはようご・・・あっ!!」

湊もぼんやりしたまま挨拶しかけ、不意に昨夜の事を思い出す。
ガバッと起き上がった湊になんの反応も示さないまま、詩遠は“なんか飲む?”と聞きながら、フロントでもらってきたのかこの辺の地図らしきものを見ながらカップに口をつけていた。

「え?あ、ああ、えと、はい、自分で淹れます・・・て、あの、そのっ。」
「なんだ、俺がせっかく淹れてあげようと思ったのにね?とりあえず湊が飲んだら、下に朝食食べに行こうか?」

湊が動揺したままだというのに、それにも頓着せずに詩遠は地図から目を離し、またニッコリと湊に聞いてきた。

「あ、えと、じゃあもう下で何か飲みます。か、顔洗ってきます!」

そう言うと、湊はベッドから起き上がり洗面所に向かった。その様子を詩遠は黙って見た後、また地図に目を落とす。
昨日の事・・・謝らないと・・・と湊は歯を磨きながら思った。
詩遠さんは大人だから何もなかったようにしてくれているけれども、自分はなかった事には出来ないし。少なくともちゃんと謝っておきたい。大好きな詩遠さんとの間に、自分的に変な蟠りが出来るのは嫌だもの。

「準備、出来た?じゃあ、行こうか。あ、その前に。」

洗面所から出てきた湊に笑いかけながら詩遠が言った。あれ、詩遠さんも昨日の事、なんか言ってくるのかな?

「はい・・・。」
「今日の予定だけどねー?」
「へ?」
「?どしたの?とりあえずね、昨日傭兵らしき人達の話を盗み聞きしてったらね、ハルモニアで最近新しい神官将の正式な就任式があり、そして真の紋章についての調査が依頼として出てるらしいんだ。」
「そうなんですか!?」
「うん。まあ昔からそういった調査はあったけど、ね?今回は多分やっぱり真の火の紋章絡みなのかもね。それで傭兵がやたら多いみたいだね。ここにどうやら本部があるみたいだから。」
「わーさすが詩遠さん!凄いー。じゃあ僕らもやっぱり昨日言ってたみたいに真の紋章を追ってたらある程度分かるんかもですね。」

湊はニッコリと微笑んで詩遠を見た。

「ん、そうだね。とりあえず・・・朝食を食べたらこのカレリアを出て、次はここから一番近いルビークという村に行ってみようか?」
「はい!」

元気に答える湊に、詩遠もニッコリしてから立ちあがった。

「じゃあご飯食べに行こうか。」
「うん!ご飯!」

楽しそうに部屋を出る湊を、詩遠はほほえましげに見る。
ほんと扱いやすい子だね、湊は、などと思いながら。
食堂はさほど混んでおらず、2人はゆっくりと朝食をとった。
楽しげに話しをしている湊だったが、途中でとある者達が現れると、ふと怪訝そうな顔をした。

「どうしたの?湊?」
「あ、いえ。・・・でも・・・やっぱり・・・。」
「?」

詩遠は首をかしげつつ、湊が気にしてる相手を盗み見た。
至って普通の傭兵のようだが・・・あ、だが一人、カラヤの少女が混じってる、な・・・などと思っていると湊がソッと言った。

「あの黒っぽい髪と服のおじさん・・・真の紋章持ってる気がします。えっと、多分雷、かな・・・。」
「そうなの?すごいね、湊、分かるんだ?」
「うん、多分・・・僕の紋章の影響だと思います。いわば・・・これ、紋章の親みたいなもんだし。」
「そか。俺は全然分からなかったよ。」
「多分、彼は隠してますし。けっこうな年数、宿しているんだと思います。」
「ふーん。これで風、水、雷、あと多分・・・火?か。」
「なんか、アレですね、なんとなく釣られてません?」
「え?」
「ハルモニアが真の紋章狩り的な指示を出すことによって、逆に真の紋章が集まりそうな感じがします。」
「確かに、ね?それが目的・・・いや、でもいままでハルモニアのヒクサクは大きな動きを見せなかったんだよね、長らく。・・・本当に長らく、ね。それこそ3、400年以上昔の事だと思うしね、紋章狩り。その後はとりあえず存在を把握出来さえすれば特になんら動きはなかった。ハルモニアは、ね?なのにここしばらくで急激で不可解な動き・・・。」
「えへ、絶対ルックだ!」

湊は満面の笑みで詩遠を見た。詩遠が苦笑する。

「ふふ、はっきり言うねー。」
「はい!でも・・・なんでそういう事してるかが分からない・・・。なんでルックがハルモニアの名前でそんな動きが出来るかとかは僕、どうでもいいんです。ルックならなんか上手い事使ってでもやりそうだし。でも、ハルモニアを動かしてまでする理由が。・・・だけどこればかりはきっと色々な状況把握しようにも本人に聞かないと分からないんでしょうね・・・。」

笑みをみせていた湊が寂しそうに言った。

「ん。ねえ湊。」
「はい。」
「この際、やっぱりルックの目の前にあらわれてみない?」
「え?」
「もうさ、どうせ本人に聞かないと分からないんだったら、いいじゃない。本人に聞こうよ。下手に動いてみるよりいいかもよ?」
「・・・そか・・・。そうですよね・・・。・・・うん。そうですよね!分かりました、そうします!」
作品名:ルック・湊(ルク主) 作家名:かなみ