【どうぶつの森】さくら珈琲
20.リク
その日、わたし達の家に新しい同居人がやってきた。
―――はーい、今出ますよ。
とある朝のことだった。ドンドンと激しく叩かれるドアの音で、目が覚めた。
わたしはパジャマのまま、寝ぼけまなこでドアを開ける。
「今日からこの家に住むことになったリクだ! よろしくな!」
そこには、わたしよりずっと背の高い元気そうな男の子がいた。
―――え?
よく日に焼けた肌、そして何より驚いたのは、派手な髪形。明るい金髪が、わざとなのかクセ毛なのかは知らないけど、ツンツンとあらゆる方向に立っている。どれだけ遠くにいても目印になりそうだ。
―――もしかしたら、家間違えたんじゃないかな?
「なんでだー!?」
―――だって、この家はヒトしか住めないんだよ。
すると、リクは顔を真っ赤にして怒鳴った。
「オレっちはニンゲンだー!」
失礼しました。ハリネズミかと思っちゃったよ。
作品名:【どうぶつの森】さくら珈琲 作家名:夕暮本舗