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第五章





エドワードが目を覚ますとそこは見知らぬ場所だった。
ここはどこだと体を起こすと肩に痛みが走った。



「起きたみたいね?」

「・・・・・!!?」

誰だと振り向くとそこには真っ白い服の所謂看護師が居た。
点滴の交換をしていて、その点滴の管はまっすぐに自分の腕へと伸びていた。


「気分はどう?」

「どうして、俺・・?」

「一昨日運ばれてきたのよ。」


「・・・一昨日!!???」


看護師の話によると、エドワードは一昨日の夜に運ばれてきた。
運んできたのはここの病院の医者だという。
一昨日運ばれてからずっと眠り続けていたのだ。
傷は出血ほどひどくはなく、なかなか目覚めない原因は過労だった。


「後で顔を出すと言っていたわ。」

「・・・分かりました。」


エドワードは話を聞いても混乱していた。
エドワードがアームストロングに言われ助けを求めた場所は確かに美容院だった。
それが何故病院なんかに来てるのだろうと。
それにここはただの病院ではない。



軍属の病院なのだ。

まさか自分は捕まった?―――


じっとしているわけにはいかなかった。
看護師が退室するとすぐさまベッドの横に置いてあった自分の着ていたコートを羽織り、ベッドを降りる。
降りたときに撃たれた足がズキリと痛んだが、それどころではない。
エドワードは病室を出ようとする。
だが、ドアを開けたところで人にぶつかってしまった。


「・・・・っ!!」

軍人か!!?と思ったが目に飛び込んできたものは青ではなく白だった。
エドワードはできるだけ心臓を落ち着かせる。


「・・・大丈夫かい?」

「・・はい、すみません。」

「何処へ行くつもりだったのかな?」

「・・ちょっと外の空気吸うだけです。」

「心配しなくていい、アームストロング少佐から頼まれてる。君を保護するように。」

「・・・・・え?」


そこで初めて顔を上げた。
見覚えのある顔ではなかったけれど、なぜか落ち着いた。

その医者はベッドに向かうとシーツを奇麗に整える。
そしてエドワードに手招きをする。


「確かにここは軍属の病院だ。だが、隠れるにはちょうどいい。」

「・・・それじゃ、」

「怪我が治るまで、打開策を探す間は君は入院患者。」

「・・ありがとうございます・・でも、なんで?」

「アームストロング少佐にはお世話になったからね。」

「そうなんですか、」

「分かったら、大人しく患者らしくしていてくれるかな。」

「はい・・・。」

「コートを寄越してね。」




ドアでぶつかった相手はレイ・ローンス。
アームストロングには恩があり、出来ることであれば協力している。
中央司令部から少し離れた位置にある軍属のこの病院の医師をしていて、実家は美容院。
今回も急なことで、事情も分からない状態だったが、アームストロングを信頼している彼はエドワードを救ったのだった。

それからエドワードはいつまでも個室を使うと怪しまれるので4人部屋へ移った。
まさか軍属の病院で顔の知られた指名手配犯がここに居るわけがないにしても流石に危険なので、変装をすることになった。
髪を黒髪に変え、金色の瞳は少々目立つので念のため眼鏡をかけた。

極力部屋からは出ず、近況をレイから聞くという生活がしばらく続いた後、
アームストロングが訪れた。


「少佐っっ!!!!!!」

「無事で何より。」

「レイ先生から大丈夫とは聞いてたけど、心配だったんだ・・・・ずっと・・」

「監視されておってな。」

「ごめん、少佐。俺のせいで・・・」

「気にするでない。我輩は我輩のしたいようにしたまで。」


「少佐は優しぎるんだよ。」

「よく言われる。」


少佐からあの後の出来事を詳しく聞き、エドワードも近況を話した。
そして今後どうするか、どうすべきか、どうしたいかを話し合った。


エドワードの気持ちは決まっていた。
思い出して欲しい、俺達を。

そして大佐にこの想いを――――


作品名:past 前編 作家名:おこた