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ooo aftre ~夜天の主と欲望の王~ 第8部

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039話 変わる心と悩みと苛立つ鳥





「はい!以上でカートリッジシステムの説明はおしまい!二人とも、あまり無茶しすぎないでね!」


「はい、エイミィさん!」

「う、うん…」



あれから数日たった夜、なのは とフェイトの下にパワーアップした自分たちのデバイスが帰ってきた。

レイジングハートは「レイジングハート・エクセリオン」

バルディッシュは「バルディッシュ・アサルト」

どちらも「カートリッジシステム」を搭載したデバイスへと生まれ変わったのだ。



(そうか、あの一件のおかげであいつらのデバイスの強化が行われたのか。…これも歴史通りなのか?)



アンクはソファに座りながらアイスキャンディを舐めていた。
あれから、フェイトとの口数はさらに減ってしまい、フェイト自身にも元気がなかった。


(アンクには関係ない…か。まぁ確かにそのとおりだな)


アンクはアイスキャンディを一気に食べきり、暇になったのか家から出ていこうとした。



「あ!アンクさん!どちらへ?」

「安心しろ、フェレット。俺は別に逃げたりしねぇ」

「ふぇ、フェレットって…、あまり遠くに行き過ぎないでくださいねぇ!」


アンクは何も言わず、そのままマンションから出て行ってしまった。
それをみたフェイトは悲しげな顔をしてバルディッシュを持ち、自分の部屋に入ってしまった。






「う~ん…、フェイトちゃんどうしたんだろう?」

「え?やっぱりエイミィさんも気になります?フェイトちゃんのこと」

「そりゃまぁね!最近ずっとあんな感じだし…」


エイミィは頭に手をあて、深いため息をした。


「フェイトちゃん、学校でもあんな感じなんです。私たちが話しているときもなんか空元気って感じだし…」

「クロノ、お前フェイトになにかしたんじゃないか?」

「ユーノ、なぜ最初に僕の名を挙げたんだ?」

「まぁまぁ、フェイトだって色々考えてるみたいだし、一人にさせてやろうじゃないかい。…私だって、フェイトが悲しめば私も悲しくなるんだから…」



アルフの一声により、その場にいた者たちはこのままフェイトを一人にさせることにした。








………






「うぅ~寒いなぁ…、ユーノくん大丈夫?」

「うん、僕はこういうの慣れているからね!」


なのは とユーノは雪が降る空の下で二人きりで高町家へと帰宅していた。
現在、ユーノが傘を持ち、その中に なのは が入っている状態…つまり相合傘である。

この状態でもお互いなにも感じないのはさすがといったところである。


「フェイトちゃん、本当にどうしちゃったんだろう?」

「そうだね…、あのフェイトがあそこまで落ち込むなんてよほどのことがあったんだろうね」

「う~ん……・・・。っあ!」


その途端、なのは が何か思いついたかのように手を叩いた。


「どうしたの?なのは」

「もしかしてフェイトちゃん……ふふっ…」

「…?なに、なんなの?」


なぜかもったいぶる なのは の姿にユーノは頭に?マークを浮かばせていた。


「ユーノくん!あれ、あれだよ!!」

「えっ…なに?」

「これって、やっぱり…っ!













『恋』だよ!!」

















「こ、恋…?」
















………








「やっぱり…、こういうところが一番落ち着くな…」



アンクは海鳴市で1、2の高さを誇るビルの屋上に座っていた。
緩やかに流れ、肌に当たる風がアンクにとっては気持ち良かった。


「…たく、映司の奴、一体どこにいるんだ?俺のメダルの気配が全く感じない…」


それもそのはずである。
現在映司は八神家で居候をしている。
シグナムたちは管理局に居場所が悟られないよう家には硬い結界が貼られていた。
その結界により、映司のもつコアメダルから放たれる波動をシャットアウトしていたのだ。


「あいつらから逃げたところで映司に会えなかったら見つかるのも時間の問題だからな、今はあそこで待機か…ったく…」


アンクにとってはフェイト達が住むあのマンションは居心地が悪かった。
特に、あの一件があってからはなおさらである。





−アンクには…関係ないよ−




「チッ!…なんでこの言葉が頭ん中から離れねぇんだよ!!…意味わかんねぇ…」






昔の俺だったら、なんの気もしなかった。
別になんて言われようが気にしなかった。

やりたいことだけやってきた。




他人のことなんか…どうでもよかった…。











「………、さむっ……」






そのまま夜はすぎていった…。













………







土曜日、この日は学校がない。
今日は何をしようか…、何も思いつかない。

家にいようかな…、でも…、家には…





「おはようございます、アルフ、リンディ提督、エイミィ、クロノ」



「おはよう、フェイトさん!」

「フェイトちゃん、おはよう!」

「あぁ、フェイト。おはよう」

「フェイト!!ちょっと元気になったんじゃないかい!?」

「そ、そうかな、アルフ」


昨日早く寝たお陰でフェイトはすっきりした朝を迎え、顔色がよく多少元気が出ていた。
フェイトはパジャマのまま、椅子に座り目の前にあるリンディが作ってくれたフレンチトーストとスクランブルエッグを食べ始めた。


「クロノ、えっと…、アンクは?」

「アンク?まだ部屋で寝ているんじゃないか?」

「そう…なんだ…」


目の前のテーブルには朝食が5つ置かれていた。
残りの1つはもちろんアンクの分である。

ちなみにアルフは子犬フォームのまま、地面に置かれたドッグフードを食べていた。



(クロノくん…、やっぱりフェイトちゃんって…)

(あぁ、やはりアンク絡みのことで悩んでいたんだな)


クロノとエイミィは思念通話を開き、フェイトに気づかれないように会話していた。


(でも、どうするの?アンクくん絡みだと、結構手を焼きそうだよ?)

(そうだな…、当の本人もあまり関わりたくないみたいだし…)



(ふふっ!それなら良い手があるわよ!)

((て、提督!?))


突然リンディがクロノ達の思念通話に入り、二人は驚いてしまった。
声には出ていなかったが二人とも顔にはしっかりでていた。

フェイトはそれをみて首をかしげた。





「ふあぁ~あ…、おい、俺の分はあるのか?」

「あら、アンクくん!」

「えっ…」


部屋からあくびをかきながらアンクが出てきた。
眠たそうにしながらアンクは席についた。


「おいアンク!いくらなんでも寝すぎだぞ!もっと早く起きたらどうだ!!」

「うっさいクソガキ、今日は休日だから別に良いじゃねぇか」

「全然良くない!僕なんていつも朝5時には目が覚めるぞ!!」

「早すぎだクソガキ!てめぇはじいさんか!?」



アンクはため息をしながら朝食を食べようとした。
…しかし、そのメニューをみた瞬間、アンクの手が止まってしまった…。



「おい、お前」

「あら、どうしたのアンクくん?」