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のび太のBIOHAZARD『ENDLESS FEAR』

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AREA6『一般階層』


9人はエレベーターに乗り込むと、エレベーターのボタンの所に注意書きがあるのが目に入った。その注意書きには、こう書かれていた。
『このエレベーターは、1階〜10階までにしか止まりません。それ以上の階に向かいたい場合は、上層階エレベーターをご利用下さい。』
その注意書きを見たのび太は喋る。
「………………………エレベーターが分かれてるんですね」
 のび太がそう喋ると、燐が言う。
「恐らく1階から10階までは、一般階層で、ナムオアダフモ機関の実態を知らない一般社員の勤務エリアの筈だ。あたし達は10階より上は入れないようになっていたからな」
 燐がそう言うと、燐が続いて喋る。
「……………一旦5階に止まろうぜ」
 燐がそう言うと、巌がエレベーターの5階のボタンを押した。巌は敢えて理由は訊かなかった。





暫くすると、5階に到着し、エレベーターの扉が開いた。まず先に巌と玲が飛び出し、周囲の状況を確認した。周囲には、生物兵器はいなかったが、壁や天井に傷が多く見られ、生物兵器が此処に居た事を物語っていた。


巌と玲は、暫く周囲を確認していたが、何もいない事を確認すると、他のメンバーにエレベーターから出てくるように合図を出した。すると全員はエレベーターから出た。燐は少し周りを見回した後、右方向に向かって走り出した。それを見たのび太は燐を追い掛けた。
「! おい待て! 単独行動は………」
 と、巌が燐とのび太に言ったが、二人には巌の言葉が聞こえていないようだった。すると、ジャイアンと真理奈と聖奈ものび太を追い掛けて行った。エレベーター付近に残ったのは、巌と玲と迅とスネ夫だった。
「仕方ねえ。俺達は此処であいつらが戻って来るのを待とう。暫くすれば戻って来るだろ」
 巌がそう言うと、4人はエレベーターの前に待機した。










その頃、燐はある部屋の前で立ち止まっていた。その燐にのび太が追いついた。
「いきなり走ったりして一体どうしたんですか燐さん」
 のび太がそう言ったが燐は何も言わなかった。のび太は燐が何を思っているか理解し、それ以上は何も言わなかった。
やがて燐は徐に扉を開けた。












































扉の中は凄惨な様子で、周囲には血が飛び、床には元が生物とは思えない程、原型を留めていない肉が潰れていた。それが曾(かつ)て人間だったとは誰も思わないだろう。
燐は部屋の奥に向かって走った。しかし、のび太は燐を追わない方がいいと思い、依然その場にいた。いつの間にかジャイアンと聖奈と真理奈もこの部屋に入って来た。慣れてない人がこの部屋の惨状を見れば、一瞬で昏倒する事だろう。だが、ジャイアンと聖奈と真理奈は、少なからず経験しているので、昏倒する事はなかった。
「……こいつはひでえ」
 ジャイアンはそう言った。
「此処で一体何が起きたっていうの……………」
 聖奈はそう呟いた。
「…………………………………………………」
 真理奈は眼前の光景に圧倒され、言葉が出なかった。
ジャイアンはふと、のび太の方を見た。ジャイアンや聖奈や真理奈は皆、驚愕の表情をしているのに対し、のび太は悲しい様な寂しい様な表情をしていた。
やがて真理奈も、のび太の方を向き、のび太の表情が何やら悲し気である事に気づき、のび太に話し掛けようとしたが、それをジャイアンが制止した。
「放っておけよ。あいつは今、葛藤してるんだ」
 ジャイアンがそう言うと、真理奈はのび太に話し掛けるのを止めた。真理奈が話し掛けないのを見ると、ジャイアンは真理奈から目を離した。





それから少しすると、のび太が徐に、部屋の奥に向かって行った。のび太に続いて、ジャイアンと聖奈と真理奈も部屋の奥に向かった。部屋の奥へ行くと、そこも酷い惨状であり、見るに耐えなかった。暫く奥に進むと、燐が誰かと話しているのが見えた。
「燐さん? その人は?」
 のび太が燐にそう訊いた。すると、燐は応える。
「…………………………あたしの同僚さ。話によると、仕事をしている最中にいきなり変な生物が襲い掛かってきたらしい」
 燐がそう言うと、のび太が言う。
「……………………………………………………………そうですか」
 のび太は悲しげな表情をして、そう言った。燐はのび太のその表情を見ていたが、のび太の悲しげな表情の内側にある心情は、のび太自身とジャイアンしか解らないだろう。
暫くすると、今まで燐の陰で見えなかった燐の同僚がのび太達の前に姿を現した。その人物は、黒髪の長髪の女性で、スーツを着ていた。
「………私、渡井(わたい)織恵(おりえ)っていいます」
 その女性は、そう言って自己紹介をした。すると、のび太が言う。
「初めまして、僕は、野比のび太といいます」
 のび太がそう言うと、ジャイアンと聖奈と真理奈の3人も同じ様に自己紹介をする。自己紹介を終わると、のび太が織恵に訊く。
「それで、今までいた怪物は何処に?」
 のび太がそう尋ねると、織恵は応える。
「いや、私は隠れてたから、解らないの。ただ、誰かの声はしたけれど」
 織恵がそう言うと、のび太は再び尋ねる。
「声? って事は、複数人いたって事?」
 のび太がそう言うと、織恵は応える。
「確信は無いけれど、声は一人分だけだった筈だわ。多分電話か何かだと思うけれど………」
 織恵がそう言うと、のび太は何かを考える様な姿勢をし、この状況について考え出した。
(此処に現れた怪物はほぼ100%B.C.W.であると、考えられるけれど、話し声ってのが気になるな。地下水路管理人の手記にあった、『特殊精鋭部隊』の可能性が高いけれど―――――。)
 のび太がそう考えていると、織恵が申し訳無さそうに喋る。
「ごめんなさい、よく覚えていなくて。私も燐ちゃんみたいに強かったら…………」
 と、弱気な事を言ったので、のび太が慌てて言う。
「いや、渡井さんが悪い訳じゃないですよ。いきなりこんな状況になったら、誰だって怖くなりますし」
 のび太がそう言うと、燐も言う。
「それに、あたしだって、怖くなかった訳じゃない。実態を知った時は、死ぬかと思ったさ。でもま、必死になれば、なんとかなるもんだな」
 燐がそう言った。織恵はまだ慣れてないようだったが、落ち着きは取り戻してきていた。するとジャイアンは言う。
「それじゃあよ、早く巌さん達と合流しようぜ。いつまでもこんな所に居たくないしな」
 ジャイアンがそう言うと、全員はそれに同意し、部屋から出た。すると、ふと、のび太がある事に気がついた。
「そういえば、渡井さんに、銃を渡しておかないと」
 のび太がそう言うと、織恵は勿論驚く。
「え! 銃!?」
 織恵は思わずそう叫んだ。すると、のび太が言う。
「ええ、こんな状況ですし、一応持っておかないと、いざという時に困ります」
 のび太が織恵にそう言うと、織恵は反論する。
「でも私、銃なんて扱った事ないし……」
 織恵がそう言うと、のび太は織恵に言う。
「大丈夫ですよ。その道のプロである軍人の人もいますし」
 のび太がそう言うと、織恵は言う。
「軍人? もう軍が動いてるの? てか、軍ってどこの?」