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のび太のBIOHAZARD『ENDLESS FEAR』

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AREA7『驚異』


エレベーターが10階に向かっている間、織恵に、今まで起きた事を伝えた。
「―――――――それ、ほんとに?」
 織恵がそう言うと、のび太が応える。
「ええ、信じられないですけどね……」
 のび太がそう言うと、織恵が言う。
「じゃあ、数日前に、原発の事故があったってニュースがあったけど、その時にナムオアダフモ機関が生物兵器を投入したって事……?」
 織恵がそう言うと、のび太は応える。
「はい、それで、僕達はそこから、此処まで来たんです」
 のび太はそう言った。そういう会話をしている内に、エレベーターは10階に着いた。先程と同じ様に、巌と玲が周囲の確認を行った。しかし、見渡せる範囲内には何もおらず、更に、5階の時とは違い、壁や天井に傷一つなく、生物兵器が暴れた様な跡は全く無かった。何もいない事を確認し終えると、巌は、他の全員に、エレベーターから出るように指示した。
全員がエレベーターから出ると、全員は、エレベーターの前にある掲示板の様な物に気がついた。それには、こう書かれてあった。
『《上層棟の進入権利について》

ナムオアダフモ機関は1階から20階まであり、1階から10階までを『下層棟』、或いは『一般棟』と呼び、11階から20階までを『上層棟』或いは『機密棟』と呼ぶ。
10階から上に上がる為には、最低、Lv1以上のライセンスが必要となる。ライセンスの所得方法については、入社時のミーティングでも言っているが、上司が課した特殊な課題で、一定数以上の功績を修めた者に報酬として与えられる。ライセンスを所得した場合、社員には、その事実を会社側に報告する義務があり、所得日から90日以上報告が無い場合、会社側にはその社員に対し、然るべき処置を行う権限が発生するとする。報告方法としては、10階にある『ライセンス報告受付室』に入り、端末に社員コードを入力する事で、報告された事になる。その後は、11階及び12階への進入が可能となる。また、Lv1以上のライセンスを所得している者を上層社員といい、会社側から特殊な業務が与えられる事がある。その業務を完遂すれば、その功績に応じた報酬を与える。その際に、会社が求める人材との適合が認められた場合、Lv2、Lv3のライセンスを所得する権利が与えられる。Lv2、Lv3のライセンスを所得した場合には、会社側への報告は不要である。また、Lv2、Lv3のライセンスを所得すれば、進入出来る階層が増える。
会社側は若い希望の星を求めている。是非とも頑張って欲しい。』
その文章を読み終えると、のび太が呟く。
「どうやら、ライセンスカードキーが無いと、此処から上の階には上がれないみたいですね」
 のび太のその言葉を聴いた巌は言う。
「ああ、現状だと、この階を探索する事になりそうだな」
 巌がそう言った。すると、玲が言う。
「さっきと同じ様に、3チームに分かれて探索をしましょう。手前の範囲を私達のチーム、奥の範囲を他の2チームが担当する事でいいかしら」
 玲がそう言うと、全員はその意見に賛成した。すると、全員は道なりに進み始めた。エレベーターを降りた位置から左に数歩進んだ所で、通路は右に折れていた。その通路を右に曲がると、数十メートル程、通路が真っ直ぐ延びていた。また、その通路の左側の壁には、ほぼ等間隔に扉が3つ並んでいた。そして、右側の壁には、扉が一つだけあった。また、それぞれの位置関係としては、左側の壁にある3つの扉の内、一番手前の扉とその扉の一つ奥の扉の丁度真ん中の位置の向かい側の部分に右側の壁にある扉がある造りになっている。
今見える4つの扉を探索する担当は、玲と聖奈と燐のチームになり、残りの2チームは、奥の場所を探索する事になった。玲達のチームはまず、左側の手前の扉を確認した。扉の上部にはプレートがあり、そこには、『マルチメディアプレゼンテーション室』と書かれていた。玲は、右腿のホルスターから、『ベレッタPx4』を抜き、銃口を扉に向けつつ、左手で勢いよく扉を開けた。周囲を見渡すと、ぱっと見た感じでは、生物兵器の類は見当たらなかったが、足元に、人間の死体があった。玲は『ベレッタPx4』を床に起き、その死体を調べ始めた。その死体は、スーツを着ている様子から、ここの社員だという事は解ったが、頭部が無く、首の部分に、抉られた様な、噛み千切られた様な傷痕があった。その死体のすぐ傍の床には、何かのカードが落ちていた。玲は、そのカードをよく見た。すると、そのカードには、『Lv1ライセンスカードキー』と書かれていた。
「『Lv1ライセンスカードキー』があったわ。これで取り敢えずは、11階と12階には行けるわね」
 玲がそう言うと、そのカードを懐に仕舞った。そして、『ベレッタPx4』を拾うと、この部屋の奥へと進んで行った。この部屋は多くの座席と、一番前に、パソコンとプロジェクターとスクリーンがあり、玲達は、慎重にパソコンの方へと向かった。

暫くして、パソコンのすぐ傍まで来た。玲は、パソコンに何かのデータが入っていないかと探したが、特に気になる物はなかった。諦めてこの部屋を出ようとすると、驚くべき光景が目に飛び込んできた。
「…………………………………あれは?」
 玲がその光景を見てそう呟いた。玲の目の先には、先程の、頭部がない死体が立っていた。
「おい、さっき死んでた筈だろ? 何で立ってるんだよ?!」
 燐が信じられない様子でそう言った。
「何か、………嫌な予感がするんですけど…」
 聖奈が不安がってそう言った。すると、頭部のない死体の首から、何かが突出してきた。その突出してきた物体は、絶えず前後左右に動き、その先端には、鋭い巨大な弧の字型の鋏(はさみ)の刃の様な物があった。
「何だ! 新手の奴か!?」
 燐が驚いてそう言った。すると、そのゾンビは、燐達に向かって、小走りのスピードで向かって来た。玲は『ベレッタPx4』、聖奈は『グロック17』、燐は『H&K Mk.23』で応戦した。3人はそのゾンビに向かって撃ち続けていたが、そのゾンビは全く止まらなかった。すると、玲は、燐と聖奈に言う。
「固まっていたらまずいわ、3方向に分かれて戦いましょう」
 玲がそう言うと、燐と聖奈は部屋の中央部の左右の端に移動し、聖奈は『H&K MP5』を装備し、燐は『H&K Mk.23』のまま、再び射撃した。しかし、そのゾンビは止まらず、玲の目の前まできた。すると、そのゾンビの、絶え間無く動いていた突出してきた物体の動きが止まった。危機を予感した玲は、すかさず屈んだ。すると、そのゾンビの鋏の様な物体が玲の頭上を掠めた。玲がそのままの状態で屈んでいなかったら、玲の首は撥ね飛ばされていた。玲は体勢を整えようとしたが、そのゾンビは、玲の腕を掴んだ。
「くっ、しまった」
 玲は必死に脱出しようとしたが、ゾンビの力は思いの外強く、中々脱出出来なかった。その時、聖奈が呟いた。
「あのゾンビはいったい何? いくら撃っても倒れないわ。早くしないと玲さんが危ないわ」