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のび太のBIOHAZARD『ENDLESS FEAR』

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AREA14『情報の欠片』


スネ夫達は玲達と分かれて、『資料検索区画』と書かれている扉の奥に向かった。そこは、会議室のような部屋であり、かなりの広さがあった。
「…ここは会議室なのかな?」
 スネ夫がそう呟くと、迅が言う。
「そうですね。これだけ大きな部屋ですから、何か重要な会議を行っていたんだと思われます」
 迅のその言葉を聴いたジャイアンは言う。
「ウィルス関係の事か? もしかしたら、何か見つかるかもしれないな」
 ジャイアンはそう言った。すると、スネ夫の視界で、何かが動いた。スネ夫はすかさず、その方向に『スプリングフィールドXD』の銃口を向けた。そして、ゆっくりと、右方向に平行移動した。









暫くすると、長テーブルの陰に隠れて見えなかったものが見えてきた。それは、人間の死体を喰っている、『ディソルブ』だった。スネ夫は、アイアンサイトを覗き、照門(リアサイト)と照星(フロントサイト)とディソルブの頭部を一直線に並ぶように照準を合わせ、息を吐き切った瞬間に、引き金を絞った。銃口から発砲された『9mmパラベラム弾』は、ディソルブの頭部に命中した。一発では死なず、ディソルブは振り返った。スネ夫は続いて発砲を繰り返した。最初の一発も含めて、計13発の弾丸を発砲し、その内の3発は外れた。ディソルブは、10発の『9mmパラベラム弾』で絶命した。スネ夫は銃口を下ろし、胸を撫で下ろした。
「…ふぅ、何とか倒せたよ」
 スネ夫がそう言うと、ジャイアンが言う。
「スネ夫もやるようになったじゃねえか。いつもなら、「ママー!!」って叫んでるところなのによ」
 ジャイアンがそう茶化すと、スネ夫が応える。
「僕だってやる時はやるよ。もう流石に慣れたしね」
 スネ夫がそう言うと、ディソルブが喰っていた死体に向かった。そして、その死体を見て言う。
「見事に食い荒されてるね」
 スネ夫がそう言うと、迅が言う。
「服装を見ると、この会社の社員だったようですね」
 迅がそう言うと、ジャイアンが言う。
「しかし、やけに人数が少ないな。もう少し社員がいてもいいと思うんだけど」
 ジャイアンがそう言うと、スネ夫が言う。
「確かにね。此処まで来るのに、社員は殆ど見かけなかった。もしかしたら、ナムオアダフモ機関の幹部が何か企んでて、社員に何かしたのかもね」
 スネ夫はそう言った。すると、迅は言う。
「その可能性は充分にありますね。いまだ、ナムオアダフモ機関の実態は不明です。何を隠してるか解りません」
 迅がそう言うと、ジャイアンがすこし強い口調で言う。
「確かにそうだな。周辺の市街地にウィルスと生物兵器を放ったり、軽々しく社員を犠牲にしたり、何を企んでるか判ったもんじゃないぜ」
 ジャイアンがそう言うと、スネ夫が言う。
「なら、早く止めないとね」
 スネ夫のその言葉を聴いたジャイアンは、
「ああ、そうだな」
 と言った。すると、スネ夫は、さっき入ってきた扉とは別の扉が傍にあった事に気づいた。そして、『スプリングフィールドXD』の弾薬を再装填し、その扉に近づいた。迅とジャイアンも扉にスタンバイした。そして、ふと、ある事に気づいたスネ夫が呟く。
「そういえば、この中では、銃火器を持ってるのは僕だけなんだね」
 スネ夫がそう呟くと、ジャイアンが、
「だったら、どうしたよ?」
 と言った。スネ夫は、
「いや、別に何でもないけど」
 と、返事すると、扉を開け、奥に進んで行った。扉を開いた先には、8体のゾンビがいた。スネ夫は『スプリングフィールドXD』をホルスターに仕舞い、『AK-47』を装備し、ゾンビ集団の脚を狙ってフルオートで連射した。前方にいたゾンビは、『7.62mm×39mmライフル弾』が命中した影響で、膝を着いた。ゾンビの動きが一旦停止した事を確認したスネ夫は、セレクターを右手の人差し指で操作し、フルオートからセミオートに変えた。そして、オープンサイトを使い、ゾンビの頭部を的確に銃撃した。すると、全てのゾンビは動きを停止した。
「凄いですね。基本の動きは完全に解っているようですね」
 迅がそう褒めるとスネ夫が言う。
「そんなに凄くないですよ。のび太の方が射撃の腕がかなりいいですよ」
 と、スネ夫が言うと、迅が言う。
「いや、基本がしっかりしてるって事は、とても凄い事ですよ」
 迅がそう言うと、スネ夫は、
「そんな褒めてもなにも出ませんよ」
 と言った。すると、倒れたゾンビに変化があった。ゾンビの中の3体の頭部が破裂し、首元から、大きな触手が突出した。
「!! こいつはもしかして、聖奈さん達が言っていた異形のゾンビか!!」
 スネ夫はそう叫びながら、そのゾンビの触手に照準を合わせた。そして、フルオートで弾丸を連射した。正面前方の一体は、触手に数発の弾丸が命中し、完全に絶命した。しかし、そのゾンビを倒した所で、弾倉内の弾丸を全て撃ち尽くしてしまった。スネ夫は、マガジンリリースボタンを押し、空になった弾倉を排出し、ミドルパックにある、マガジンポーチから、予備弾倉を取り出し、装填した。そして、ボルトを引き、目の前の二体の異形のゾンビに銃口を向け、連射した。発砲された弾丸は、その殆どが触手に命中し、残り二体の異形のゾンビも絶命した。すると、スネ夫が呟く。
「もしかして、あいつ等が、聖奈さん達が言っていた特殊なゾンビ?」
 スネ夫がそう言うと、迅が言う。
「ええ、恐らくそうでしょうね。しかしこれで、触手が弱点という事が判りましたね」
 迅がそう言うと、3人は探索を再開した。まず周囲を見回した。スネ夫達がいる所は、所謂、廊下であり、長さは10m程だった。スネ夫達のすぐ左側には、入ってきた扉があり、その10m程向こう側で廊下が行き止まりになっていた。そして、その行き止まりになっている所には、スネ夫達から見て、正面とそのすぐ右側に、扉があった。
「…扉が二つあるな。どっちに行く?」
 ジャイアンがそう言うと、スネ夫が言う。
「まずは、その二つの扉が何の部屋に続いているかを確認しよう」
 スネ夫がそう言うと、3人は、その二つの扉に向かって行った。その最中に、スネ夫は、『AK-47』の弾倉に、『7.62mm×39mmライフル弾』を装填した。そして、『AK-47』を一旦背中に掛け、ホルスターから、『スプリングフィールドXD』を取り出し、それを装備した。すると、二つの扉のすぐ傍まで来た。正面の扉には、『紙媒体資料室』と書かれており、右側の扉には、『ハードウェア物品置場』と書かれていた。
「――――じゃあ、どの扉から入る?」
 ジャイアンがスネ夫を見ながらそう言った。すると、スネ夫は一拍置くと、応える。
「――――――まずは、『紙媒体資料室』から入ろう。こっちの方が、何か収穫がありそうだ」
 スネ夫はそう言いながら、扉に中腰姿勢で待機した。他の二人もスタンバイ状態に入った。そして、一拍置いて、扉をゆっくりと開けた。
中はかなり広く、6m×18m位の広さはあった。その部屋は横方向に広い部屋であり、等間隔に、棚が配置されており、その棚には、紙の資料が大量に束ねてあった。スネ夫は、それの一つを手に取った。それには、長文のプログラムが書かれていた。