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Muv-Luv Alternative~二人の傭兵~

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Episode1.黒と白の機体



「シルビア。聞こえているか」

「はい。聞こえていますよ。ライナ」

「今の状況が理解出来るか?」

「…」

 相方のシルビアからの応答は返ってこない。それはそうだろう。俺でさえも理解出来ない現象が今目の前に広がっているのだから。

 先程まで俺達二人はラインアークにいた筈。他企業がラインアークの主権領域まで進行していると言う情報を聞き、俺とシルビアは二人でその迎撃に向かった筈だ。

 しかしそこで異変は起きた。海上を飛翔していると突然インカムから雑音が聞こえ始めた。次の瞬間にはモニターが全て消え、突然ACの起動が止まった。

 突然の事態に驚きながらも冷静に対応し、直ぐ様ACの起動を入れ直す。するとどうだろうか、先程までは海上を飛翔していた筈が視界に広がるのは何もない荒野一面の景色。隣を見てみれば俺同様シルビアまでもが呆然としているようだった。

「俺達は先程までラインアークの防衛に向かっていた。そうだな?」

「はい」

「インカム越しに雑音が入ったかと思えばメインモニターは閉鎖し、ACのジェネレーターは停止。その起動を止めた」

「はい」

「急遽再起動し次にメインモニターが捉えた景色は何もない荒野」

「はい」

「どういうことだ?」

「分かりません」

 シルビアからまともな回答が返ってくる事はもともと期待していなかったが、実際に片言な返事をされれると癪に触る。と言ってもそれを表には出さないが。

 今はそんなことよりもこの現状をどうにかしなければいけない。ACの状態に異常は見られないが、今自分達のいる場所が分からなければどうにもならないだろう。

 ACの機体を旋回し、辺りを見渡して見るが、先程も言ったとおり一面真っ平らな荒野が何処までも続いている。そしてその荒野の奥で巻き起こる煙。その煙の巻き起こり方を見るからには砲撃のように思える。

「シルビア」

「分かってます」

 隣にいるシルビアもしっかりと俺が確認した方を見ており、その方角を見続けている。

「どうする」

「何か少しでも情報は欲しい所です。向かうべきかと」

「そうだな」

 短く返事を済ませ機体のジェネレーターを起動。エネルギーの充填を確認してから機体を空中に飛翔させる。先程も確認したが機体に異常は見当たらない。ホワイトグリントも同様に問題はなさそうだ。

 シルビアには何も言わずそのままOBを起動。音速を優に超える速度の領域に瞬時に達し、周りの景色が全て置いて行かれる。少し遅れたホワイトグリントも直ぐ様追いつき、そのまま煙の巻き起こった方角に向かう。

 エネルギーが減ってきている事を確認してからOBを停止、瞬間に入ってくる信じられないような景色。

「ッ!」

 通信越しにシルビアが息を飲む音が聞こえてくる。その気持ちが分からないでもない。どころか俺本人も声を上げたかったぐらいだ。

 目の前に広がるのは今まで見たこともないような姿をした異形の生物。科学兵器の類かもしれないが、そうだとしてもこんな姿形をした生物を今まで見たこともない。

−ロックされています−

 突然警告される無機質なAIの声で我に帰る。シルビアも同様だったようで機体の動きを再開させる。

 レーダーの方に視線を移してみれば既にレーダーの全てを埋め尽くす程の数が存在していることを理解する。最もレーダーを見なくとも何処に敵がいるかなんて一目瞭然だが。

 故に自分達だ何処から照準を受けてるのか瞬時に判断する事が出来ない。そのため空中でQBを小刻みに使いながらも機体をその場に留まらせる事はせず、QBを使いながらも此方をロックしている敵の存在を探り出す。

 そして異形の生物が埋め尽くす中に怪しい光りを放っている生物を発見。恐らくはあの生物が此方に照準を合わせているのだろうと判断するとシルビアとの通信回線を開く。

「シルビア。恐らくあいつが此方をロックしている。早急に撃破するぞ」

「了解」

 QBを幾たびにも重ねて使用する事により怪しく光る生物との距離を瞬時に縮める。その距離が短くなった瞬間に右腕武装の051ANNRの照準を相手の目玉のような場所に定めトリガーを中途なく引く。

 口径から飛び出した弾丸は相手の目を貫き、その頭を粉々に吹き飛ばす。

 一体目の撃破を確認した所で隣のモニターから何かが接近している事を確認。瞬時に後ろに引いた瞬間メインモニターの目の前を何かが通り過ぎた。

 一瞬背筋を冷たい何かが通り過ぎるが、気を引き締めその物体が飛来した方を振り向いた。そこには全長50mには及ぶであろう肌色の生物が存在していた。どうやら先程此方目掛けて飛来した物体は、あの生物の尾節から伸びた触手のような物体らしい。

 辺りを見渡せばざっとこの大型の生物は40匹程いることが瞬時に分かる。

「俺はこのデカイ奴を殺る。お前はそのまま光ってる奴を頼む。どんな攻撃をしてくるか分からないから気を付けろ」

「あなたこそ」

 シルビアとの通信を終えた所で相手の足元に群がる生物に向け、左武装のマシンガンをばらまく。マシンガン故に威力は低いので殲滅力には期待していなかったのだが、俺の期待をいい方向に裏切ってくれた。マシンガンの弾を受けた敵は瞬時にその行動を停止させた。否、体が吹き飛んだ。

「脆い奴らだ」

 デカイ奴の足元掃除が終わった所で、QBを使い相手の足元に入り込む。そのサイズが大きすぎる故に足元に侵入するのは簡単だ。左右に展開される10本の足であろう部分を片方だけ切断し、そのバランスを崩す。

 そう決めた所で右腕部側面に装備されているレーザーブレード月光を起動。紫色の淡い光りを放つと同時にその綺麗に光る刃を左から右に振り抜く。

 紙を切っているかのように切れた5本の足。片方全ての足を失ったデカ物はそのバランスを崩し、轟音と共に地に伏せた。

 目の前に頭がくるように倒れ込んだのでそのまま051ANNRを相手の脳であろう部分に照準を合せ、そのままトリガーを引き続ける。5発程撃ったところで相手の生命活動は停止し、赤色の血をACに散らしながら死んでいった。

 デカ物の弱点がイマイチ分からないが、051ANNRの弾丸で頭を貫通出来た事から無闇に近付く必要がないことを理解し、その場で小型種が近寄ってきたらマシンガンで、視界に写る大型の奴には051ANNRで、と言った具合に射撃を続ける。

 時たま触手のようなものが飛来してきたり、突然レーザーが此方に飛んできたりと胆を冷やす場面は幾つかあったが、その攻撃パターンを見極めると同時にその危険性は何もないことを理解。ACの機動性の前では驚異度の低い攻撃であった。

 レーザーの照準を受けた時にはQBを使い相手を錯乱させ、触手の飛来が目指で確認出来た時にもQBで後ろに引けば問題ない。

 そしてこいつら全員に言える事は二つ。

「知能が低い、脆い」

 既に視界に写る大型種は存在しないが、それでも小型種がうようよと湧き出てくる。確かにこいつらの攻撃パターンは常に同一であり、その耐久性もとてつもなく低い、が、その数だけは異常とも言える。
作品名:Muv-Luv Alternative~二人の傭兵~ 作家名:灰音