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やる夫が強大な力に立ち向かうようです

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-第2話- やる夫とやらない夫と・・・




見失った。
アイツ、どこまで走っていったんだ・・・。
おれが何かマズい事でも言っただろうか。
いや、全く心当たりはない。
事の発端はほんの数分前だった。

旅の途中で、昔からの親友であるやる夫と再開した。
彼と一勝負終えた後、カントーやジョウトにいる、5人のイーブイ使いを見つけ、クロガネ山にジムを建てるという夢を追うことにしたのだが。
どういうわけか、やる夫のヤツはいきなり泣きながらトキワシティの方まで走って行ったのだ。
何度も言うが、心当たりは無い。
断じて。
とりあえず、手持ちのポケモンたちの回復が先だ。
やらない夫はトキワシティに到着すると、やる夫を探すより先にポケモンセンターに入っていった。
(もしかすると、アイツもここにいるかもしれないしな・・・)

中に入ってみると、やらない夫の頭に頭痛が走った。
居た。
やる夫。

それも、センターに来ているトレーナー全員にこう聞いて回っている。
「イーブイをつれている人を見たことはありませんかお? 心当たりがあったら教えてほしいお」と。
確かに効率的ではあると思うが、見ろ、トレーナー達の表情。
すごく不愉快そうなのがビンビンに伝わってくる。
とりあえず、やる夫を止めなくてはと思い、声をかけた。
「やる夫、こんなところで何やってんだ?」
「お? やらない夫! さっきはよくも酷いことを言ってくれたお!」
「はぁ? なんのことだ、よくわからないぞ」
「わからなくてもいいお! 今はやらない夫に構っている暇はないんだお!」
なんだよもう・・・
「あぁそうかよ。でもみんな迷惑してるだろ、常識的に考えて」
いい加減ここでやめさせておかないと、ここをつまみ出される。
そんなことされてみろ。
大切なパートナーの回復が出来ないじゃないか。
「でも早く見つけ出さないと、手遅れになるお」
「いままで一人も見つけられなかったクセによく言うぜ。まぁそう焦るなよ。」
やらない夫がそう言った後に、背後から一人の年老いた男性が声をかけてきた。
「イーブイを連れたトレーナーをしりたいのかね?」
やらない夫は突然現れたその男性に驚きながら、
「えぇ、そうなんです。ご存知なんですか?」
と聞いた。
男性は、顎のヒゲを弄りながら
「少し前まで、私はヤマブキの方に居て、丁度シルフカンパニーのビルからイーブイと一緒に出てくる所を見たよ。いやぁ、希少種であるイーブイを偶然にも見れて良かったよ」
と話してくれた。
やらない夫が何か言うより先に、やる夫が
「その人は今どこに居るかわかりますかお!」
と言った。
俺の台詞をとるなよ、という顔をしていたやらない夫だが、
「少し前に見かけた知らない人が、今どこにいるかなんて分かるわけないだろ、常識的に考えて」
とやる夫に言った。
先ほどのやる夫の質問に、男性は少々困惑した表情で答えた。
「すまないなぁ、その方の仰るとおり、わかりませんねぇ」
と言い、直後、思い出したように
「あ、そうそう、ニビの博物館の方に行く、とイーブイに語りかけてましたなぁ」
と言いうと、やる夫が飛び上がって
「本当かお! やらない夫、すぐにニビの博物館へ行くお!」
と言って出入り口に向かって走っていった。
「待てやる夫!」
とやらない夫が引きとめようとしたときには、彼の姿はどこにもなく、出入り口の扉は閉まり始めていたのだった。
そうだ、最後にひとつ聞き忘れたことがあった、と思い出したやらない夫は
「すいません、おじさんがヤマブキにいた時間は、何時ごろだったか覚えてますか?」
と尋ねた。
「たしか、今が14時過ぎだから・・・、丁度3時間前ですかな」
と言うとやらない夫は急ぎ足で走りながら
「どうもありがとうございます!」
と言いながらやる夫の後を追いかけていった。



【やる夫が強大な力に立ち向かうようです。】



「やっとニビに到着だお!」
とやる夫は言って、一緒に空を飛んできたチルタリスの「チルチル」をボールにしまった。
あたりを見回したやる夫は、まだやらない夫が来ていないことに気付くと、
「待ってても仕方ないお。とりあえず先に博物館に行くお」
と言って一人、キュムキュム走り出した。

「入場料は一人50円です」
と館内の受付の人が言った。
やる夫は財布から50円を出して、目的の人物を探し始めた。
そのころやらない夫は、手持ちに鳥ポケモンを連れて来なかったので、トキワの森経由で、徒歩でニビに向かっていた。

「あ~クソっ。なんでこんな所を通らにゃならんのだ」
と一人で苛立っていた。
暗いし、気味悪いし、最悪だ。
そらをとぶを覚えたポケモンを連れてこなかった自分が悪いのは分かっているが、なんだか腑に落ちない。
そのうちやらない夫は急ぐことを半ば諦めていた。
森に入って20分ほど歩き続け、ようやく出口が見えた。
「やった・・・出口だ・・・」
やらない夫は若干憔悴気味になりながらもニビの博物館まで全力で走り始めた。

「このかせきポケモンカッコイイお~」
やる夫は既に目的を忘れていた。
あちこちに置いてある展示品に目を奪われていると、やる夫の耳にひっかかる言葉が入ってきた。
「ねぇイーブイ、そろそろどこかでお昼にしない? あれからずぅ~っとここにいるけど・・・」
(イーブイ・・・ イーブイ・・・)
あっ!
やる夫はすぐさまそのトレーナーに駆け寄った。
例によって思い出した。
イーブイを連れたトレーナーを探していたのだった。
博物館を出たがらないイーブイをなだめるトレーナーに、やる夫は声をかけた
「あの~」
「あ、はい。ボクになにか用ですか?」
そのトレーナーは自分のことを「ボク」と言うが、容姿はなんだか華奢で、声は少し子供っぽいというか、女の子っぽいというか。
俗にいう「僕っ娘」なのかもしれないな、とやる夫は考えていると、
「あの、すいません、ボクに用があって声をかけたんですよね?」
と聞かれてやる夫は我に返り、
「あぁ、そうだったお。ごめんだお」
と謝った。
「そのイーブイ、とても可愛いお」
とやる夫は言うと、
「ありがとうございます。なんでも、カントー地方にはイーブイは4匹しかいなかったみたいで、大変貴重とされているんですよ。すごいですよね」
とそのトレーナーは言う。
カントーに4匹しかいないのはやる夫も初耳だった。
もし、自分とやらない夫を数に入れると、この地方にはあと一人しかいない、ということだろうか。
でも、トレーナーだからあちこちを旅しているはず。
あまり関係ないだろうと自問自答していた。
「偶然だお。やる夫も実はイーブイを持っているんだお」
と自慢げに言うと、
「本当ですか!?」
と相手はかなり驚いた様子で目を輝かせていた。
「今はもう進化させてしまっているけど、特別にみせてあげるお」
とレイシャのボールを手に取った。
「ぜひ、見せてください!」
トレーナーもノリノリだった。
すると背後で、
「やる夫!」
という声が聞こえた。
やらない夫の声だと気付くのに時間はかからなかった。
「遅かったお、やらない夫。いままでどこでなにしてたんだお」
「すまない、鳥ポケモンを連れてこなかったから、森の中を突っ切ってきただろ」