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魔法少女リリカルウィッチーズvol.4

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12th MISSION


ヴィータとシグナムはネウロイの一団を片付けたことで一息ついていた。
「なのは達の方も片付いたみたいだな」
「ああ。それに砲台も全て破壊したそうだ」
「あとは陸の方か。まぁ、チビッ子二人が白天王を召喚したみたいだからそんな問題はねーか」
シグナムがヴィータの発言を聞いて珍しく笑いを見せる。
「お前が笑うなんて珍しいな。何が可笑しいんだよ?」
「いや…何。お前の身長でチビッ子と言ったのが、な」
「なっ…!私は小さくてもあいつらの何十倍も生きてるんだぞ!」
「それはわかっている。だが、な…」
「ったく、作戦中じゃなきゃ墜としてるぞ」
そんな二人の耳に通信が入る。
「こちらスターズ4。スターズ2、聞こえますか?」
「こちらスターズ2。どうした?」
「実は…」
ティアナからの通信はネウロイの巣の内部にコアが無いこと、美緒達へ通信を入れたが通じなかったことだった。
「何かしらのジャミングの可能性もあるな。私達で行ってくる。お前はなのは達にも連絡してくれ」
「了解」
ヴィータは通信を切る。
「何事だ?」
「巣の内部にコアが無いらしい。で、突入班が罠にハメられたかもしれねーから私達も巣に行くぞ」
「なるほど、了解だ」
二人は巣へと向かう。その道中。
「しかし、妙だな」
「何がだよ?」
「巣にコアが無いなら、どこへ行ったというんだ?」
「それも聞いた。どうやら、最悪の事態になりそうだ」
「…まさか」
「ああ。そのまさか、だよ」
二人は速度を上げる。

エイラとサーニャは巣の最深部に到達した。だが、
「おかしいぞ」
「ええ。コアがどこにも無いなんて…」
辺りを見るも、コアやコアが発する光も見えなかった。
「!」
「どうした、サーニャ?」
サーニャの魔導針がネウロイの反応を捉える。
「これ…巣のコアの反応よ、エイラ!」
「ど、どこにあるんだ!?」
「…それは」
サーニャが言葉を紡ごうとした直後。
ズズン…と、大地と空気を震わす音が響く。

「何事や!?」
「この反応…ネウロイです!巨大なネウロイが現れました!」
オペレーターがはやてに告げる。
「まさか、さっきのティアナの通信にあった…」
「そのようです」
「くっ…全部隊へ至急連絡!これよりプランBに移行!まずは巣の中の突入班の安全を確保!」
指示を出し、彼女は事態の推移を見る。
ネウロイ化した聖王のゆりかご。それがゆっくりと、確実に浮上を始めていた。

「何だ今の振動は!」
「トゥルーデ、あれあれ!」
エーリカが指を指す。見れば巨大な聖王のゆりかごが浮上を始めているところだった。
「あれは…そうか、ネウロイめ。聖王のゆりかごとやらを支配下に置いたか!」
そこで二人にもプラン変更の通信が入る。
「宮藤や少佐達が危ない…!」
「そういうことだ。行くぞ、ハルトマン!」
バルクホルンとエーリカは芳佳達の救援に向かう。

(ネウロイの数が思った以上に多いな…)
次々と襲いくるネウロイを機銃で撃墜しながら美緒は思う。
「宮藤、大丈夫か?」
「私は平気です。坂本さんこそ、あまり無理をしないでください」
「ああ」
芳佳に返事をしてトリガーを引く。が、カチッという音が響く。
「だが、どうやら…弾切れのようだ」
そこで彼女は烈風丸に手を伸ばし、引き抜く。抜き身となったそれを構えてネウロイを見据える。
「ダメです、坂本さん!言ってたじゃないですか、烈風丸は魔力を吸うって!今の坂本さんが使ったら…」
それを見た芳佳が言う。
「しかし弾が切れた以上、これで戦うよりない」
「それなら…これを使ってください」
芳佳は自らの機銃を渡す。
「駄目だ。お前の戦う術が無くなるだろう」
「烈風丸を使います。使わせてください!」
彼女は美緒の目を見て言う。だが美緒は首を振り、
「それも駄目だ。言っただろう、お前は二度と烈風丸に触れるなと」
「じゃあどうしたらいいんですか?ここで二人ともやられる訳にはいかないんです!」
芳佳の言葉は最もだった。しかし、それと烈風丸を芳佳に使わせるのは話が違う。烈風丸に魔力を付与して放つ烈風斬。これはあらゆる敵を切り裂く。だが、一度に使用者が放出…否、吸収される魔力の桁が違う。烈風丸はこのように、使用に危険を伴うのだ。
「お願いです、坂本さん。私に烈風丸を預けてください」
「……」
美緒は考える。ここで芳佳に烈風丸を渡せば、確実に彼女は烈風斬を使用するだろうと。そうなれば芳佳までが魔力を失う事態になりかねない。それは避けなければならない。
「……」
「一度だけだ」
考えた末、美緒は芳佳に烈風丸を鞘ごと託す。
「お前が烈風斬を使って良いのは一度だけだ。いいな?」
「はい!」
「おーい、無事かー!?」
その時、ヴィータとシグナムが救援に駆け付けた。
「少佐、宮藤!」
次いでバルクホルンとエーリカが救援に駆け付ける。四人で一気にネウロイを殲滅してしまう。
「助かった。だが、どうしてここに?」
美緒が礼を言い、四人が来た理由を問う。
「少佐、これは罠だ。ネウロイは聖王のゆりかごに拠点を移したそうだ」
バルクホルンが説明する。
「何!」
「サーニャちゃんとエイラさんが!」
二人は揃ってサーニャ達が進んで行った方を見る。
「二人は奥か。なら、助けにいかねーとな。二人は外で待ってろ」
「そんな、せめて私だけでも…!」
「宮藤、心配するな」
「バルクホルンさん…」
「いーから休んでなって。サーニャとエイラは、私達が必ず連れて帰るからさ」
芳佳にそう言ってニッと笑うエーリカ。
「ハルトマンさん…わかりました、よろしくお願いします!」
芳佳と美緒を下げさせて、二機編隊(ロッテ)を2つ組んだ四人は巣の奥へと向かう。

芳佳達の所へ救援が駆け付けた頃。
「サーニャ、コアはどこにあるんだ?」
「巣の外。…移動してる。しかも、これって…」
「何だ?」
「コアが2つあるの」
突如、二人の周囲が赤く光り出す。すると、
「エイラ、下よ!」
二人の直下から、全高数メートルはありそうな人型をしたネウロイが現れた。
「このネウロイからもコアの反応がある…。でも、巣のものとは違うみたい」
「じゃあやっぱ、外が本物か」
人型ネウロイは二人に両腕を向ける。
「サーニャ、こっちだ!」
エイラが危険を察知して、二人は移動する。直後、光線が放たれた。
「何だ、あの光線!?今までの比じゃないぞ!」
高さに加え幅もそれなりにあるこの人型ネウロイは、今までのどのネウロイも撃ったことのないような範囲の広い光線を何本も撃ってきた。幸い、エイラの固有魔法『未来予知』で二人は難を逃れた。
「このネウロイで時間を稼ぐつもりみたい。巣のコアは、どんどん上の方へ向かっていってる」
「こんなとこで時間を使ってるわけにはいかないってことだな」
「こちらバルクホルン。エイラ、サーニャ、聴こえるか!」
バルクホルンから通信が入る。
「バルクホルン大尉、はい、聴こえます」
サーニャが応答する。
「そちらの状況は?」
「現在、コアを有する大型ネウロイと交戦中。なお、これは巣のコアではありません」
「時間稼ぎか…。外の状況は知っているか?」
「いえ。巣のコアが何かしらの力で浮上しているというのは掴んでいます」