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Aに救いの手を_サイレント・キーパー(仮面ライダーW)

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凡人と怪人




ブウン、ドッゴーーン!! ドッゴーーン!!
「ハイ、ワンツーワンツー!」
「・・・・・・」
ブウン、ドッゴーーン!! ドッゴーーン!!
「ア、ソレ、サンシーサンシー!」
「・・・・・・」
真倉は軽快なリズム(?)を口ずさみながら永田の圧迫攻撃を避ける。
「・・・・・・」
それに黙って合わせる翔太郎。
ブウン、ドッゴーーン!! ドッゴーーン!! ドッゴーーン!!
「ハイ、ワンツーワンツー! かーらーのー、ターンっ!」
真倉の掛け声で永田が繰り出す際どい連続攻撃を回避する。
「ぐっ! 何故だ、何故あんなバガっぽい掛げ声でおでの攻撃を悉ぐ避げるごどが出来る!?」
「フゥーーーハハハハっ! 見たか! これが警察の、風都署の刑事の力だ! 伊達に生身でドーパントの攻撃を避けてきたたわけじゃないのだ!」
「ぐっ! ぐ、ぐぞ、なんで神経に障る笑い方だ・・・・・・っ!」
調子に乗る真倉に歯噛みをして悔しがる永田。
「・・・・・・」
翔太郎だけは黙って俯いている。
「探偵、どうしたのだ? この動きはお互いの呼吸が肝心なのだ! さぁ二人で声を合わせてハイ、ワンツーワンツー!」
「の、」
「の?」
「のおおおおおおう!!」
翔太郎はいきなり吠えた。
「うっがーーー!! や、やってられるかこんなダサい事!! 俺はクールなハードボイルド探偵だぞ!? ダンディな一匹狼だぞ!? こんなシンクロ競技みたいなダンスを、しかも男と一緒にとか、有り得なさ過ぎだろっ!!」
烈火のごとく不満を訴える自称クールなハードボイルド探偵。
「ふ、この動きの素晴らしさが分からないとは・・・・・・残念なやつめ」
それをどこか勝ち誇ったように見下す街のおまわりさん。
「残念なのはお前だっ! 大体なんだ、このダンスは!?」
「これはダンスではない。これぞ風都署に伝わる秘伝の回避術、―――『風の陣』!」
「無駄にかっこいい名前!?」
「第一、あの照井警視殿だって以前捜査中に被害者と手錠で繋がれたときに、こうやって華麗に敵の攻撃を捌いていたんだぞ?」
「いや、俺は実際にみていないが断言できる! こんな恥ずかしい動きじゃねー! しかもあいつのパートナーは可愛い女の子だったはずだ!」
なんで俺のときはこいつなのー!と世間に理不尽を訴える翔太郎。
「ご、ごら! だがらおでを無視ずんなっ!!」
いい加減相手にされなさ過ぎて永田は叫ぶ。
ブウン、ドッゴーーン!! ドッゴーーン!! ドッゴーーン!!
「かーらーの、ターン!」
それを真倉は風都署秘伝の回避術(?)で避ける。もう当たる気がしなかった。
「うぞ、まだ避げられだ!?」
それに永田は愕然とする。
「何遊んでんだ、しっかり当てろよ永田!!」
それを翔太郎は叱咤する。
「探偵どっちの味方!?」
それに真倉は困惑した。
そんな若干カオスなやり取りを織り交ぜながらも、翔太郎たちと永田の戦闘は続いていく。
真倉の謎の回避術のおかげで戦況は好転こそしないが悪化もしなかった。
しかし、それは決して翔太郎たちにとって有利な状況とはいえない。
「ワンツーワンツー! ハァハァ、サンシーサンシー! ヒィヒィ、」
ブウン、ドッゴーーン!!
「おおっとっ!!」
真倉は危うく圧迫攻撃を喰らいそうになる。
「ふぅふぅ、ふひぃー・・・・・・」
肩で呼吸をする真倉。
永田の圧迫攻撃を右に避け、左に避け、ときにはターンをして激しくステップを踏んで回避する二人。
勿論、その体力は無限ではない。
「ごの、ごのごのっ! 当だれ、当だれっ!!」
ブウン、ドッゴーーン!! ドッゴーーン!! ドッゴーーン!!
対して永田の動作は指定の場所に杖を向けるだけの至極楽なもの。
勿論、その体力も無限ではない。しかし、どっちが長続きするのかは火を見るより明らかだった。
(くそ、このふざけた避け方でなんとか今はやり過ごせているが)
「ふはぁ〜、ふはぁ〜」
(真倉のほうが体力的に限界だ!)
一緒の避け方をしている翔太郎にはまだ少し体力が残っていたが、相手の攻撃を見て判断し、考えながら、翔太郎に指示を出しながら避けている真倉は体力にも集中力にも限界が近かった。
「ふはぁ〜、ふはぁ〜・・・・・・も、もうダメだ〜」
真倉は汗だくになりながら情けない顔で情けない弱音を吐く。
「マッキー、諦めるな! くそ! 何か、何か手はねぇのかっ!」
翔太郎は周りを見回す。
「!!」
そのとき、翔太郎の目に"ある物"が目に入る。
「おい、マッキー」
「はひぃ〜、はひぃ〜」
「おいコラ! バテてる場合か! ―――『あれ』を使うぞ!」
翔太郎はアイコンタクトでその"ある物"を指し示す。
「はひぃ〜? あ、あれ?? ・・・・・・な、なるほど、確かに『あれ』なら使えるかもしれん!」
二人は頷き合う。
「ま、までゴラ! ご、今度ごぞ、あ、当ででやるっ!」
ブウン、ドッゴーーン!!
永田の圧迫攻撃。砂や埃が溜まっていたところを攻撃したので、かなり大きな土煙がたつ。
「うおっ!」
「のわっ!」
翔太郎と真倉はその土煙の中に飲まれてしまう。
「ヂャ、ヂャーンズ! 喰らえっ!!」
ブウン、ドッゴーーン!! ドッゴーーン!! ドッゴーーン!!
ブウン、ドッゴーーン!! ドッゴーーン!! ドッゴーーン!!
ブウン、ドッゴーーン!! ドッゴーーン!! ドッゴーーン!!
二人の視界が土煙で塞がれている今がチャンスと判断した永田は土煙がたっている箇所に圧迫攻撃を連続で叩き込む。
「う、おおおおおおおっ!!」
ブウン、ドッゴーーン!! ドッゴーーン!! ドッゴーーン!!
ブウン、ドッゴーーン!! ドッゴーーン!! ドッゴーーン!!
ブウン、ドッゴーーン!! ドッゴーーン!! ドッゴーーン!!
地面がへこむ轟音とそれによって舞う土埃。
衝撃で土煙が土煙を産み、工場全体が凄まじい埃の霧に覆われる。
「バァ、バァ、バァ、・・・・・・」
ひとしきり圧迫攻撃を続けた永田。さすがに疲れたようで肩で呼吸をする。
「み、見だがっ!」
そして呼吸が落ち着くと尊大な態度で胸をはる。
「み、見だが、見だが見だが見だがっ!! ご、ごれがおでの力! ごれがプレスメモリだ!!」
永田は吠える。
「ミ、ミュージアムの試作の段階で、大しだ出力が出ぜず、ターゲット指定の精度が低がっだごのメモリ。じがじ、が、過剰適合者であるおでが使うごどによっでぞの威力と精度は何倍にも膨れ上がっだっ!」
もう誰の姿も見えない、濃い土煙のなか声を張り上げて永田は吠える。
「ご、ごのメモリはおでと出会っだごどで、お、落ぢごぼれでは無くなっだんだ! じ、失格者なんかじゃないんだっ! もう誰も、お、おで達をバガになんがざぜないっ! ではははは!!」

「いーや、貴様は人間失格だ」
「そう。人にその力を向けちまった、その時からな!」

永田の真上から、聞こえるハズのない人間の声が聞こえる。
「!?」
驚いて永田は上を向く。
工場の二階。大型の機械が設置されているところ。
そこにはそこら中ボロボロの真倉と翔太郎の姿があった。
「あ、あの攻撃を避げぎっだのが・・・・・・?」
永田は驚愕の感情をあらわにする。
「お前の意識は地上に集中していたからな」