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激ニブ星の恋人?

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第二十五話 たかがチョコ?



気がつけば年末で、そして年が明け、正月気分がようやく抜けたころに一月は終わった。
「今は二月だ」
銀時は桂に言う。
桂の家の居間にいる。
「そして、二月も中旬だ」
「ああ、そうだな」
桂は机の向こうで正座して湯飲みを手にしながら返事した。
それがどうした、という表情である。
銀時は眉根を寄せた。
「オメー、明日がなんの日か知ってるか?」
「明日? なにかあったか?」
「バレンタインデーだろ! あっちもこっちもバレンタインバレンタインって騒いでるのに、なんで気づかねーんだよ」
ハァ、と銀時はため息をついた。
激ニブにも程がある。
しかし。
「知らなかったわけでも、気づかなかったわけでも、ない」
桂は否定した。
むっとした様子で、湯飲みを机に置く。
「俺には関係がない行事だからだ」
「関係ねェわけねーだろ。オメーは俺にチョコを渡す義務があるだろうが」
「そんな義務はない」
きっぱりと桂は告げた。
「バレンタインデーとは女子が男にチョコレートを贈る日だろう。俺もおまえも男ではないか」
「男ならダメってのは、男女差別じゃねーか」
「それは、なんだか、違うだろう」
「いーや、違わねェ!」
桂の歯切れが悪かったので、銀時は押し切ることにする。
「オメーはチョコを準備して、俺に渡さなきゃならねーんだよ!」
「……そんなにチョコレートがほしいのか」
少し間があって、桂が聞いてきた。
眼を細めている。
あきれているのかもしれない。
「ああ、ほしい」
それでも、銀時は主張した。
激ニブの桂には自分の想いをはっきりと伝える。
それを方針としているのだ。
「わかった」
桂は立ちあがった。
それから、居間を出ていった。
しばらくして、もどってきた。
また、机をはさんで向かいに腰を下ろした。
「ほら、これをやろう」
桂は机の上になにかを置いた。
それを見て、銀時の眼が点になる。
「板チョコじゃねーかよ!」
「チョコレートには変わりない」
「それに、バレンタインデーは明日だ。明日、ちゃんと俺に本命チョコを渡せ」
そう主張しつつ、銀時は机の上にある板チョコを手に取る。
甘い物が好きだから、もらえるのならもらっておこうと思った。
作品名:激ニブ星の恋人? 作家名:hujio