二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

守るべきもの

INDEX|12ページ/35ページ|

次のページ前のページ
 

Episode.2 訓練兵時代



一番最初のケイという少女の印象は
無表情というか
冷たい雰囲気を出していた

いつも悲しそうな表情をしていた

特別目立つような子ではなかったし
何か飛び抜けて成績がいいような感じでもない

至って普通の女訓練兵だ

「ケ、ケイーーーーー!?」

訓令兵となって1年を過ぎた頃
ケイは立体機動の訓練の最中にあやまって大木に衝突
意識不明の重体となった

(おい、おい起きろ
いつまで寝てやがる気だ?)

貴方は・・・だぁれ?

聞き覚えのある声
大好きな声だった気がする

(いつまで寝てやがる気だこいつは)

これは、いつの記憶?

全く思い出せない

思い出せない?
こんなにはっきり声がわかるのに・・・

少しづつ、その声すら遠ざかっていく

「い、いや・・・」

行かないでっ

「あっ気がついたの?」

「え・・・?」

ゆっくり目を開けると
目の前にクリスタの顔が見えた

「おっ、本当に起きたんだ。よかったねー」

その奥にはユミルもいるようだ

ケイはゆっくりと起き上がる

「あ、いきなり起きても大丈夫?
無理はしちゃダメだよ」

クリスタがケイの背中を支える
外はもう真っ暗だ

「もしかして、ずっと傍にいたの?」

「そーだよぉ、クリスタってば
今日起きるかもわからないアンタを
ずっと見てるって訊かなくてね」

ユミルが答えた

「な、なんで・・・」

「なんでって、仲間だからだよ」

クリスタは笑った

(何故って、仲間だからだよ)

「あっ・・・」

ぶわっと涙が溢れる

「えぇっケイどうしたの!?」

「どーしたどーした
何泣いてんだぁ?」

クリスタは焦り、ユミルは笑った

「うんん、少し昔のことを思い出しただけ」

ふわっと暖かい気持ちに包まれたようだった

「ふーん、アンタが表情を変えるなんて
初めて見た気がするよ」

「うん、そうかもしれないね
やっと頭の中がすっきりしたような気がする

長年かかっていたようなモヤが消えて
今スッキリしてるんだ・・・」

ズキュンッ

「あ、あ・・・」

「あら、ケイじゃないですか
身体の方は大丈夫ですか?」

廊下をサシャとコニーが通りすがる

「あ、大丈夫みたいっ・・・もう」

ぐぅぅぅぅきゅるるるるー

盛大にケイのお腹が鳴った

作品名:守るべきもの 作家名:葉入