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140文字短文詰め合わせ(NL色々/APH)

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#15〜#20 墺洪×2/西白×3




貴方の世界で溺れればいい(墺←洪)
自分は男なのだと思っていた、男になれるものなのだと思っていた。だって、宗教画の中で微笑む女性達はみな優しげで慈愛に満ちて、馬に跨り重たい剣を振り回す自分などとは似ても似つかなかったから。けれど齢を重ねる毎に身体は、私を裏切って丸みを帯びた。今ならわかる。あの人が私を女にしたのだ。
Jul 28th(140文字)



シャーレの中の林檎の木(墺洪)
几帳面に並べられた楽譜の中から彼女の好む曲を探し出す。キッチンから漏れ聞こてくる彼女の小さな歌声に思わずくすりと笑みを一つ。少しばかり逡巡した後、色褪せた背表紙の楽譜を一冊抜き出しぱらりと捲った。綴られる美しい旋律。こんな昼下がりには彼女の淹れた美味しいお茶とピアノがよく似合う。
―――さぁ、お茶の時間にしましょうか。
Aug 23rd(140文字)



溶けて泡になってそして(西白)
褐色の頬に触れ、すぐに手を引っ込める。夏の日差しは刺すように露出した肌を焼き、じわじわと肌に汗を浮かばせる。ベル?と不思議そうに首を傾げる男に、なんでもないと呟いて、触れた指に視線を落とした。自分のものではない体温が自分を蝕んで、気が狂いそう。なんでもない。逃げるように目を閉じた。
―――そんな目で私を見るな。 
Sep 7th(141文字)



暴れだした獣を止めるキス(西白)
自分のものではない手が身体を這う。少しだけ荒れた指先が、突くように辿るように窘めるように慰めるように、寸分の隙間もなく己の身体を暴いていく。ベル。見下ろした先に炎を灯した深緑の瞳は捕食者のそれで、ぞくりと肌が泡立った。トーニョ。呟いて肩へ手を伸ばす。それは拒絶か許容か、それとも、
―――嗚呼、喰われる。
Sep 7th(140文字)



白い凶器で殺した狂気(西白)
エメラルドの瞳から透明な滴が零れ落ちる。触れ合う素肌は真夏の太陽の熱さにも似て己を焦がした。きつい眦はそのままに、怒気さえ含ませた表情で睨みつけられているというのに彼女の表情から読み取れるのは不安の色。べる、べる、どないしたん?問うても少女は答ない。首筋に添えられた指先は動脈を辿って、
―――このまま縊り殺してやろうか。
Sep 8th(143文字)



白くて深い春の陽気を抱きしめる(西白)
気を引きたくて、やわらかな癖毛を指に巻きつけ引っ張る。髪に頬に唇を落して耳朶をはんだ。なんなん?邪魔しに来たん?こちらの悪戯に、耐えかねたように彼女が軽やかな笑い声をたてる。邪魔なんかしてへんよ?嘘つきがおるで。きつい猫目が細められ、碧の瞳が悪戯気に煌く。べる。名を呼んでキスを。
―――大きな子供みたいや。
Sep 18th(140文字)