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なかのあずま
なかのあずま
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機動戦士Oガンダム

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第4話 アシカ出撃〜team sea Lion〜



「ガンダムが既に動いている、用心してかかれ」
 地球圏を遠く背にした殆ど未開拓の宙域で、東條は静かに言った。
 ゼーレーヴェ隊は、連邦の物と見られる小型戦艦とガンダムタイプのモビルスーツ二機と対峙していた。
 標的であるアウターの眼が獲物を捕らえたかのようにこちらに向いている。
『こいつ・・・なんだ・・・?』
 アウターから来るプレッシャーには薄気味の悪い物があった。中身のない、まるで物に宿ったかのような圧の無いソレは、辺りに広がる暗黒物質をじわじわと侵食していくかのように手を伸ばしてきていた。
 東條が進行をためらっていると、プロトR・ジャジャから回線が開き、ギュンターの声がコックピット内に流れてきた。
 「隊長!ここはV字で行きますか!」
 なぜこいつにはこうも緊張感というものが無いのかと蔑むも「あぁ、こちらもこの機体に慣れていないしな」と返した。
 その傍らを、青紫色の機体が彗星の如く標的へ流れて行った。
「あっ!」それはクビツェクの乗ったガザDだった。「あいつ勝手に!!」
 慣れぬ状況下、それも地球圏外ともなれば、モビルスーツ乗りですらない彼はただパニックを起こすしかない。彼が強運の持ち主であることを祈るばかりである。
「構わん、これで向こうの出方が見れるというものだ・・・!」
東條はクビツェク除く全機に回線を開き
 「ガ・ゾウム二機は標的を挟むように大きくV字に展開、ギュンターはミノフスキーを散布しながら囮の後に続け!!」恐怖心を振り払うように叫んだ。
「「「了解!!!」」」
 迫水とエヴァの乗る二機のガ・ゾウムが鈍角のV字を描きながら標的を挟むように向かっていき、プロトR・ジャジャが緩やかに進撃していった。
「さて・・・パトリシアを、そしてそのアウター・ガンダムをこちらに渡してもらおうか!」
 ミノフスキー粒子の舞う宇宙で東條が唸り、べルドルフのモノアイが明滅した。

                    ≠

 不明瞭ながらも、タロには相手の言い分は聞こえて、いや、感じ取っていた。
 ≪ね〜パトリシアって誰だと思う?≫<改ページ>
クシナの声がZ Mk-?からの接触回線に乗っかり聞こえてくる。
 「さぁ・・・って、え?!」
 ≪可視光通信だよ、モールス信号。奥の方で小っちゃくピカピカ光ったの見えたでしょ?≫
 タロとは違う手段でクシナも受け取っていた。それにしてもよく星の瞬きと見間違いそうな光の明滅を観察できたものだ。
 とは言っても大気のない宇宙空間では星は瞬かないのだが。
「!?」
 タロが蜘蛛の様に周囲に意識を張り巡らしていると、突然糸を掻き乱すような別の意識の波が、鉄砲水の如く押し寄せた。
 それは、モビルアーマー形態に変形し、メガ粒子砲を連射しながら突貫してくる敵機体だった。
「くっ」
 タロはなんとか躱した。が、それは不注意以外の何でもなかった。
青紫とピンク色の敵機体、ガザDがスラスターから尾を引きながら彗星の様にマイクロアーガマへ向かっていった。
 「しまった!」
ガシイイイィィィン
 すんでのところでクシナ、Z Mk-?が両アームで受け止め、そのままメガ粒子砲の砲身をマイクロアーガマから逸らした。
 ≪こっちはいいよ!それより後から来るやつ!!≫
 ガザDのスラスターの尾に引きずり出されたように、白い敵機体、プロトR・ジャジャがアウターの全天周モニター前面をベタリと支配した。
 左アームのマニピュレーターには、フェンシングソードのような円型の鍔のついた柄が握られ、その中心からそれらしくビームの粒子が型を成すと、一気にコックピットを抉る様に振り上げた。
 「うあぁっ!」
 間一髪、フットペダルを踏み後方へ下がり、サーベルの先端は機体を掠めることなく宙を斬った。
 その隙にアウターは両前腕部からグリップを射出、二刀流の構えをとった。
 R・ジャジャも後方へ下がり間合いを取ると、ビームライフルを構え引き金に指をかけ、粒子の球体を生成するとあらぬ方向へ打ち上げた。
「何だこいつ・・・?」
 いくら戦闘経験がないとはいえそう感じるのは当然だろう。光の弾をこちらに向ければ隙ができるなりダメージを負うはずだ。なぜそれをせず上に、機体の向きから見て何もない上方向に打ち上げたのか<改ページ>
「!!!」
 アウターを挟むように、両方向からミサイルが飛来した。あれはただの合図でしかなかった。
 スラスターを瞬間的に最大出力にし後方へ避けると、目の前で先頭一対のミサイルが衝突し、爆発した。
 しかし安堵する暇もなく、第二波のミサイルが自動追尾を開始、最大速度のアウターの後を追いかける。
 撃ち落とそうにも、戦闘を全く想定していなかった装備のため敵機が持つようなビームライフルは持ち合わせていない。
 かといってビームサーベルで斬ればダメージを被るのは必須、それに一つ斬り落としたところで次のミサイルが直撃するのみである。
 もちろん、機体がそれを凌ぐ俊敏さを発揮すれば話は別なのだが。「そうだ!」

 「さぁ逃げろ逃げろぉ!」
 ギュンターが呑気に笑いながら目で追っていると、アウター・ガンダムがミサイルの集団に追いかけられながら大きく弧を描くように旋回し、こちらに向かってきた。
「血迷ったなぁっ!」
 これを好機とし、迫りくる標的にビームライフルを乱射する。しかしアウターは両手首をドリルのように回転させ、光弾はシールド状になったビームサーベルに弾かれていった。
 そしてコックピットの全天周モニター前面をアウターが支配したかと思うと瞬間移動したかのように消失し、かわりにミサイルの集団が姿を現した。
「あ…これってそういう・・・!!」
 完全に油断していた。引き金を引き続けていくつか撃ち落とそうにも、直撃は免れることはできなかった

かに思えた。

 ミサイルの塊は機体に接触することなく、はるか後方から電磁誘導で射出されたニードル状のルナチタニウムの塊に撃ち落とされた。
 遥か前方で、東條がギュンター機に迫るミサイルの雨をべルドルフの180mm電磁砲で撃ち落とすと、迫り来るターゲットに照準を当てていた。
<改ページ>
 その頃、マイクロ・アーガマのモビルスーツデッキでは一機のジム・セークヴァを出撃させようと、コロニーで中破した二機のパーツ換装作業が行われていた。
 「まだか!?」
グランが今か今かと出撃を望んでいた。
 いくらガンダムタイプが二機と言っても5対2の戦況ではいてもたってもいられないだろう。
 「あのねえ、そんな簡単に終わるわけないだろ!プラモデルじゃないんだから!!」
 彼の無茶な要求にメカニック班のオリガ・テラスが威勢よく返した。「ったくこれだから男は・・・我慢てことをもっと知れっての!」
 人の生死がかかっているのに随分と呑気である。しかしそれも無理はない。
 エゥーゴ、アクシズ、ティターンズの三つ巴の抗争もいよいよ総力戦という最中、偵察が名目の船出では殆ど必要最低限の人手しかいないのだ。
 「はい換装終わり!ほらさっさと行け!」
「お、おう」
 少し躊躇しながらグランがコックピット前まで差し掛かると
「ッさっさと入れ!!!」