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妖夢の朧な夢日記-aoi

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紅く赤く朱く―現



今までに起きたことを理解できずに
我が身に降りかかった災いも
ああ、もう、何もわからない
いいや、わかってはいる
わかっている
わかってはいるのに、わかりたくない

3日目、主の事が心配になって帰ろうとした時に
深々と白が降り積もる夜に
神社の洞窟近く
そこに現れた
神社の巫女を殺しに来たのであろう
殺意満々に、むき出しにしてやってきた
その雪に
雪に私は殺された
焼き殺された

嗚呼
頭がどうにかなってしまいそうだ
心がどうにかなってしまいそうだ
止まらない思考回路、歪な形
歪な形を持ったそれは、私に
私に
私に何を伝えたい?
何を伝えたいのだ?
考えれば考える度に現に染まっていって
それは幻なのか
私が今見ている景色さえも、もう現ではないのか
酷く不安になってきて

「私が見ているのは何?何なの?
 夢、夢?全て夢なの?
 覚めたら私は白玉楼に居る?
 白玉楼で仕事をしているの?
 ここはどこなの?ねえ、答えてよ」

と、うさ耳の少女に問い掛ける
久々に聞いた自身の声で、感情を増幅させながら
目の前の少女、友人は私のことを案じながら、こう言った

「あのね、妖夢。ここは夢じゃない。
 現実よ。紛れもない現実。
 現実の、永遠亭。
 落ち着いて」

寝そべっている私の肩を掴み、揺らして
薄らと涙で瞳を濡らしながら、こちらを見つめてくる
いいや、私は落ち着いている
落ち着いているはずなのだ
火傷なら昨日、もう既に治った
もう帰れるはずなのに、帰ることができない

「でも、どうして帰れないの?
 休みももう終わって、私は幽々子様の下で働かなければいけない
 なのに、どうして帰らせてくれないの?」

そう聞いた途端、友人の様子がおかしくなった
何かしら、言い淀んでいるのだろう、口をもごもごさせている
しばらくして、意を決したのか
固く結んでいた弦を解いて

「あのね、妖夢」

息を吸い込んで、合間を置いて

「貴女は精神疾患で、ここにいるのよ」



作品名:妖夢の朧な夢日記-aoi 作家名:桜坂夢乃