二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

悪魔言詞録

INDEX|41ページ/148ページ|

次のページ前のページ
 

108.幽鬼 レギオン



 なあ、召喚主よ。数こそ力だとは思わんかね?

 何、考えてみたこともなかった? じゃあ、今、考えてみるがいい。いいか。一体の強大な敵がいたとする。そいつを倒すにはどうすればいいか、という話じゃ。
 相手は強い。一対一では不利だ。じゃあ、そいつに匹敵するだけの力を身につければいい。だが、それは時間がかかる上に、これから先の人生、すなわち、一生を費やしてもそうできぬ可能性がある。才能を持たぬものには、この上もなく冷たいのが世の中だからな。

 では、そんな絶望的な力の差、いや、単なる戦いとは限らないから才能の差、と言い換えようか。それを埋め合わせるにはどうすればいいか。私は数で勝負をすべきじゃないか、そう思っているのだ。

 どんなに力のないものでも、それが数十、数百、数千と集まれば、力のあるものを圧倒できるに違いないはず。それでも足りなければ、数万、数億……、相手を飲み込み尽くし、そしゃくして十二分に分解できるほどの頭数さえ確保できればいい。すなわち、難敵を相手にするには常に数で圧倒する形で挑むようにすれば、どんなに力の弱いものでも打ち倒せる、というわけだ。

 と、いうわけで召喚主、多数であるわれを仲魔にした現在、その戦力は百人どころか千人、万人力だ。既にわれらにかなう敵は存在しないだろうよ。これからの道中、大船に乗ったつもりで探索を続けていくが良いぞ。

 ん、でも、その強大な敵が一体だけとは限らない、そいつらが数千、数万で存在している可能性もあるのではないか? また、数で勝負する場合、彼らを統率してまとめ上げる優秀な者がいないと、単なる有象無象に成り果てる可能性がある? それに、それだけの志を同じくする人間や悪魔たちを集めることは、時と場合によっては一生を費やすのと同じぐらい時間がかかる可能性があるのではないか?

 うーん。すまぬ。そんなにいっぺんに質問されたら分からん。みんなで相談するから、ちょっと待ってくれ。


作品名:悪魔言詞録 作家名:六色塔