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悪魔言詞録

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106.女神 サティ



 あら、あなたが召喚主さんですわね。よろしくお願いしますわ。

 早速だけど、なぜあんな壮絶な焼身自殺を遂げたのか教えてくれ、ということですね。ええ。よく聞かれるんですのよ。正直な話、私もかなりむちゃをしたなと思っているくらいなんですの。

 でも、愛ってそういうものでしょう? 昔から愛しく思っていた方にせっかく嫁いだのに、それを父親などという生活に直接関わりのない方に反対されたら、思い切った行動の一つも取りたくなるというものですわ。
 苦しくはなかったかって? ええ。そりゃあ、まあ、自ら火の中に入るのですから、苦しいのつらいのって。でも、怒り、特に遮られた愛というものは、そのような障害を簡単に飛び越えることができるんですのよ。
 そうやって私の亡きあと、夫は恐ろしいほどの怒りを、父にこれでもかというほどぶつけてくださいました。その後、いろいろあって彼は正気に戻り、私は無事、生まれ変わることができたのです。

 つまり、私の経験から言うと、義理の家族との対立というのは、なかなかに根深いものだということです。よく言うでしょう、しゅうとめ、もしくはしゅうととの争いは、夫婦生活すらも変えてしまうんです。人間界も非常に長い歴史が紡がれていますが、そのようなしゅうとめもしくはしゅうとと妻や夫との争いが連綿と続いて、どちらかが我慢して、どうにか続いてきたもの、なんですわ。

 だから、もしあなたも婚姻するような機会があるのなら注意したほうがいいですわ。あなたと性格が合うのはもちろんのこと、あなたのご両親ともうまくやれるか、もしくは、全くの没交渉でいられるか。それぐらいうまくやってのける方とでなければ、夫婦としてはやっていけないというものですの。

 え? そんな人はいないから正直別に問題ない? ……まあ、独身でいるのも別に構わないとは思いますが、後学のためにも一度くらいは夫婦になって、少しぐらいは異性を知るのも良いかと思いますわよ。


作品名:悪魔言詞録 作家名:六色塔