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悪魔言詞録

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105.妖魔 プルキシ



 どうも、召喚主さん。

 私、象の姿の神なんですけれども、こちらの国ではあんまり象は見かけないようですね。受胎の前でも、ドウブツエンとかいう施設でようやく見ることができるぐらいだったとか。そういう意味では、いろいろな悪魔を館で召喚し、ともに戦ってきたあなたも、私は多少珍しいのではないでしょうか。そこんところはどうなんでしょう?

 確かに珍しくはあるけれど、象自体は日本でも結構身近な動物だし見慣れているので、そんなに違和感はない、そうですか……。でも、ドウブツエンでしか普通は見られない象が、どうしてそんなに身近なんでしょうか。

 ふむ。なるほど。まず、この国にやってきたのが結構早かったことが挙げられる、と。600年ほど前には、もう船でこの国にやってきていた、そのような記録が残っているんですね。その後もちょくちょく日本にやってきていて、テンノウやショーグンという偉い人も見物したんですか。いや、知りませんでした。ここのような極東の島にまで、われわれ象の威光が行き届いていたなんて……。

 でも、多分身近なのはもっと別の理由もあるんだろうって、どういうことですか。ええ。まず、他の動物、主に肉食獣よりは比較的おとなしいので接しやすかったんだろうという点。特に、果物などのエサをを直接手であげられる点などは、親しみを持ちやすかったんだろうな、と。はいはい。あと、大きくて鈍重なところも愛される要因だったんじゃないかと、そういうことなんですね。

 もちろん、虫の居所が悪かったりして、痛ましい事件が起きたこともあるだろうけれど、こういった接しやすさが、象がこの日本の人々の心をとらえた理由なんじゃないかなと思う、と。

 そうですか。なんか、これから召喚主さんを守り立てていくところなのに、私のほうが気分が良くなっちゃいました。でも、そんな貴重なお話を聞かせてもらったぶん、頑張りますよ。

 しかし召喚主さんは、変なところで博学だなあ。


作品名:悪魔言詞録 作家名:六色塔