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悪魔言詞録

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99.妖精 オベロン



 なんじゃ。なんかわしに用でもあるのか?

 ん? 妖精王っていうのは、具体的に何をしているのか教えてほしいというのか。うーん。おまえさん、面倒なことを聞くやつじゃな。

 では、逆に問おう。普段、わしは何をやっていると思う? おまえさんも人間の血が入っておるのなら、わしら妖精族が登場する劇を知らぬわけではあるまい。そういうところから推測してみれば自ずと分かるはず。そうやって自分の脳を使って考えればいいんじゃよ。いいか、わしに余計な手間をかけさせるでないぞ。

 なんじゃと。ほれ薬を使って遊んでいただけみたいだった? ……ま、まあ、おまえさんの目にはそういうふうに見えたんじゃな。それなら仕方がない。しかし、妖精王のするべきことというのは思った以上に大変なんじゃよ。
 まず、妖精王としての威厳を妖精たちに知らしめなければならない。革命を計画されて妖精王の座を狙う不届き者が出ては困るからな。わしのほうが強いということをアピールしつつ、不満がたまらないよう適度にダンスパーティを開いてガス抜きをしなければならないのだ。
 さらに、嫁の機嫌を取らねばならない。うちの嫁は美しいし心も優しいのだが、やはり妖精の男と女がいればいろいろと行き違いも発生する。そういう中で、上手に意見をすり合わせたり、彼女の意見をくみ取ったり、こちらの意見を押し通したりといったことを手を変え品を変えて行いつつ、ダンスパーティに誘うことで関係の修復を図らなければならないのだ。

 なに、議会とか投票とか政務といったものはないのかじゃと? そういった小難しいものは配下の優秀なものたちに一任しておるからな。わしが関わることは全くと言っていいほどないんじゃよ。

 じゃあ、ほぼほぼダンスパーティで踊ってるだけじゃないかって……。われわれ妖精の仕事はそれがメインであろう。やるべきことをやっていったい何が悪いというんじゃ。

 はあ、全く。下々の者の考えはやはり分からんのう。


作品名:悪魔言詞録 作家名:六色塔