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友達ごっこ (新羅の証言)

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ある冬の日に静雄は大怪我をして入院した。見舞に行った俺に、静雄は事情を話してくれた。そして臨也に騙されていた事に静雄が気付いた事を俺は知った。

その日、不良どものチームに臨也を人質に取られて、静雄は無抵抗のまま鈍器で何度も何度も殴られた。やがて解放された臨也は、静雄を抱きしめ、その背にナイフを突き立てた。ショックで動けない静雄を、臨也は置き去りにし、静雄は臨也のいたチームと死闘を演じることになった。

俺は臨也にも話を聞いた。臨也は、清々した、という顔で笑って、視点と主観が違うだけの静雄と同じ事を言った。

「何でそんな・・静雄に本当の事言ったんだい?静雄なんか簡単に騙せただろ?」
「簡単って事はないだろ。今までのあいつの暴力沙汰ってほとんど俺が裏で糸引いてたんだけど、それがどうもバレちゃってたみたいでね」
「君からバラしたんじゃないのかい?」
「そんなわけないだろ。確かに俺はシズちゃんがそれを知った後、どうするのか、どうなるのか決定的な所を見たかった。でも、自分から打ち明けて何の得があるんだい?」
「信じるのか信じないのかそういう葛藤を見たいんだろ?」
「・・シズちゃんは、俺の知らないとこで俺を嗅ぎ回ってそれに気付いた。つまり、どの道もう友情って餌じゃあいつは釣れないのさ。ああ、全く三年間が無駄になったなぁ」


静雄は、卒業式の日に登校してきた。早朝に学校に来てクラスメイトと写真を取っていた臨也は、静雄が校門に現れた瞬間にするりと教室を抜け出した。

「あれ、まさか静雄に会わないつもり?君、見舞いにも行ってないんでしょ?」
「馬鹿言うなよ、今日は卒業証書だけ貰って帰る。新羅、シズちゃんは頼んだ」
「ははは、しょうがないなぁ君は」

頼まれたけれど、俺にはどうする事もできなかった。
学園生活、最後の最後に静雄はキレた。玄関で、静雄は下校する臨也を見つけて、下駄箱を殴り、それから逃げた臨也を追いかけていった。