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Don't cry for me Amestris

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「…わたしに何が出来るとも思わないけど、…私も戦いたい」
 こんなに喋って大丈夫なのか、とリスナーたちは顔を見合わせた。少女の発言は、場合によっては反体制ととられても仕方のないぎりぎりの線にあった。
「この服は、その気持ちです」
 そこまで言うと、少女はぺこりと頭を下げた。
 そうして、ピアノに向かう。
 歌詞がついた「ニュー・アメストリス」が流れ始める。

 ――その日のコンサートの模様は瞬時に全国に広がり、労働者のデモでは、彼らが肩を組んで「ニュー・アメストリス」を声高らかに歌うようになった。同時に「エディ」は反体制の象徴として名を全土に知られるようになる。
 さすがにそうなってくるとラジオ局としても正規の番組として彼女の番組を扱うことは難しくなり、番組は打ち切られることになるが、そんなことで今さら彼女の人気がなくなるものでもない。
 むしろ、そうしたことにより、彼女の活動の幅はもっと広がることになっていくのだ。
 少女は各地を慰問し、反体制の人々を励ました。孤児院や寡婦のために、チャリティコンサートも催した。そして訴えた。この国は変わるのだと。それをしてくれるひとが、いるのだと。

 ――こうして、マスタング大佐のクーデターのための体制は着々と整えられていった。
 夏の終わりのある日、一瞬の雷雨ののち、中央司令部内にてマスタング一派は武装蜂起した。電光石火の勢いで司令部を陥落させ、ついには、地方と連携をとり、中央司令部を仮の行政府として発足させ、アメストリスに民主制を打ち立てることに成功したのである。
 ここに、アメストリスは大きく変わることになったのだ。


作品名:Don't cry for me Amestris 作家名:スサ